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プロレスには人生の大切な全てが詰まっている!『パパはわるものチャンピオン』はプロレスと人生の教科書だ

プロレスは人生の縮図だ。

 

人生では勝つことも負けることもあるけれど、

勝ってばかりだと面白くないし、反対に負けてばかりでもやるせない。

 

絶対に勝たなければいけない時もあるし、勝ちを譲った方が良い場面もある。

ちょっと変則的だけど“反則負け”を選んだ時が良いことだってある。

良い人になる時もあるし、人に嫌われる“わるもの”にならなければいけない時もある。

 

プロレスの場合は、勝ち負けはスリーカウントを聞くまでだから早く返したり、ギリギリまで粘ったりすることもある。

どうしても負けられない時は、何度でも歯を食いしばって立ち上がらないといけない。

僕たちがプロレスにハマってしまうのは、きっとそんな側面があるのを人生のどこかで体験しているからだと思う。

 

今回ご紹介するのは、2018年9月21日(金)に公開した映画『パパはわるものチャンピオン』のコミカライズ版です。

 

漫画を手がけるのは、アキラセンセイ。

原作は板橋雅弘センセイ。あの思春期男子のバイブル漫画『BOYS BE… 』の原作者です。

脚本は藤村享平センセイが担当されています。

 

パパはわるものチャンピオン (A.L.C. DX)
著者:アキラ・板橋雅弘・藤村享平
出版社:秋田書店
販売日:2018-08-17

 

本作『パパはわるものチャンピオン』は、元々板橋雅弘センセイが子ども向けの絵本として出版されました。

 

この作品を「新日本プロレス100年に1人の逸材」として知られる棚橋弘至選手が、学校で読み聞かせの時間に読んだとツイートした事がきっかけで、この作品が広く知られるようになりました。

 

 

板橋センセイによると、この作品に登場する“ドラゴン・ジョージ”は、棚橋選手をイメージして描かれたとのことでした。

そんなエピソードの通り、この作品が発表された2014年頃の棚橋弘至選手は、正に新日本プロレスの“エース”として、大活躍を繰り広げていました。

 

“プロレス人気復活の立役者”として、“チャンピオン”として、休むことなく全国を飛び回り試合をこなしていた棚橋選手ですが、ここ数年は新しいスター選手の活躍やケガとの戦いもあり、思うような結果を出せず苦しんできました。

 

作中の主人公・大村孝志選手もかつては“エース”と呼ばれていた人気者でしたが、膝を故障してからは第一線から遠ざかっていました。

 

今の棚橋選手と大村選手はこんな感じで、現実とファンタジーがなんとなく重なったりすれ違っていたりしているので、この漫画『パパはわるものチャンピオン』を読むと棚橋選手の気持ちとリンクしていきます。

 

前述のとおり大村孝志はかつての“エース”でしたが、膝を怪我して以降はかつてのような動きも出来ず、悪役レスラー『ゴキブリマスク』として悪さの限りを尽くして戦っていました。

 

(C)アキラ/板橋雅弘/藤村享平 (秋田書店)
エースだったころの大村孝志

そんな大村のひとり息子・祥太は「パパのおしごと」については深く聞かされることなく育ってきましたが、ある日父親の職業はプロレスラーであること、そして悪役レスラーであることを知ってしまいます。

 

深く傷ついた祥太は、孝志に向かって「わるもののパパなんて…大嫌いだ 」と言い放ちます。

パパのおしごとを理解するには、小学生はやっぱりまだ難しいお年頃だと思います。

 

(C)アキラ/板橋雅弘/藤村享平 (秋田書店)

 

父親として、一人のプロレスラーとして、孝志は大きな岐路に立たされてしまいますが、そんな折に突然降って湧いたチャンスが彼に訪れます。

かつて自身も出場と優勝を果たした『Z-1クライマックス』への参加が、棚ぼた式にではあるものの、ゴキブリマスクに回ってきたのです。

 

(C)アキラ/板橋雅弘/藤村享平 (秋田書店)

 

『Z-1クライマックス』は、もちろん新日本プロレスが誇る真夏の最強戦士決定戦『G-1クライマックス』のオマージュです。

 

そして孝志はボロボロになった体のまま『Z-1クライマックス』へ挑みます。

いつものような悪どい戦い方を封印して、真っ向勝負で挑むゴキブリマスク。

その大会の結末とその先に待っていたドラマとは?パパと息子の絆は回復するのか?

 

 

冒頭でも触れましたが『パパはわるものチャンピオン』の実写映画は、2018年9月21日(金)から全国ロードショーされています。

 

主演は、この大村孝志と似たような状況にいた新日本プロレスが誇る“エース”棚橋弘至選手。

作中での新世代のエース「ドラゴン・ジョージ」役には、同じく新日本プロレスの“レインメーカー(=金の雨を降らせる男)”オカダ・カズチカ

その他にも新日本プロレスの実在する選手が、スクリーン狭しと暴れ回ります。

 

プロレスの映画で出演するのが現役のプロレスラーということは、プロレスのシーンはもちろんプロレスラー同士が行っているので本当のプロレスが繰り広げられます。

まるで実況生中継を見ているような出来栄に仕上がっているのではないでしょうか。

 

脇を支える役者さん達も、豪華キャストで固められているこの映画を観れば、プロレスの基礎から楽しみ方までが分かるはずです。

 

漫画『パパはわるものチャンピオン』でも、プロレスの中でなぜ“わるもの”がリングには必要なのか?は、説明されているし、これ以上の説明はいらないと思います。

 

(C)アキラ/板橋雅弘/藤村享平 (秋田書店)
プロレスの真髄を教えてくれるこの子は、劇中では仲里依紗さんが演じます

 

プロレスラーたちは、見に来てくれているお客様に闘いを通じて、感動や勇気を届けるのがお仕事。

だからこそ、そこに“いいやつ”も“わるもの”も本当は存在しない。

 

僕たちがプロレスを見て熱狂するのは、応援しているレスラーが負けてもやられても、必ず最後には立ち上がるからです。

物語の後半で描かれているドラゴン・ジョージが取った行動は、正にプロレスラーとしての考志をずっと見ていたからこその行動だったのだろうし、それがプロレスという終わりのない大河ドラマなのだと思います。

 

現実の棚橋弘至選手は、作中のゴキブリマスクとは異なり“わるもの”ではなくて、みんなに愛されるプロレスラーで、今年のG-1クライマックスを制し“エース復権”を勝ち取りました。

では、作中でのゴキブリマスクはどうなるのか?その先の結末は一体どうなったのか?

 

答えはこの作品に描かれているので、ネタバレを気にする方は劇場で映画を鑑賞された後に、漫画を読んで感動を追体験してください。

とにかく今!読みたい!なんやねん!めっちゃ気になるやんけ!!って人は、今すぐ漫画を買ってチェックしてください。

 

それじゃあ最後に!この記事を読んでくれたみなさん!愛してまーーーーーす!

 

パパはわるものチャンピオン (A.L.C. DX)
著者:アキラ・板橋雅弘・藤村享平
出版社:秋田書店
販売日:2018-08-17