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男が男を推してなにが悪い!『麻実くんはガチ恋じゃない!』と自分の「好き」に正直になれ!!

 

 

「推し」は、自分が好きで応援している俳優やアイドルのことですが、推しに対する「好き」は恋愛感情としての「好き」なのかどうなのか、わからないという人がいます。

 

熱烈に「推し」を応援しているなかで、たくさん舞台に通ったりファンレターやプレゼントを送ったりしていると、「推し」とあわよくば知り合いたいの?と聞かれることもあります。

 

 

もちろん恋愛感情として好きな方が0ではないかもしれませんが、おおかたのファンは「ガチ恋」ではないと思います。

 

じゃあその「好き」はなんなのか、稼いだお金をつぎ込んで「推し」とどうなりたいのか、どうもなりたくないのか。

 

「推し」を中心に生活している人にとってこれらはもはや日常になってしまっていて、なかなか言語化するのが難しくなっています。そこで、そんなファンの気持ちを代弁してくれる麻実くんに登場していただこうと思います。

 

 

麻実くんは若手俳優の高良さんが大好きな男子大学生です。

 

ファンといってもライトファンからコアなファンまで色々ですが、麻実くんは多ステ(同じ作品を何度も見ること)もするし、ブロマイドもたくさん買うし、SNSには毎回コメントするくらいの「ガチ」のファンです。「おっかけ」と言ってもいいかもしれません。

 

 

さらに、男性俳優が好きな男性なので、ただでさえ理解されにくいところもある若手俳優オタクのなかでもさらに理解を得難い立場にいます。理解されにくいという点では腐男子とちょっと近いところがあるかもしれません。

 

 

この作品自体もBLラブコメというカテゴリになっているのですが、正直そこもグレーゾーンみたいなところがあって、男性同士の友愛をBLというのであればBLなのですが、ちょっとそこは曖昧にしておきたいと思います。

「ガチ恋じゃない!」とタイトルにもあるので……。

 

 

 

そんな麻実くんの力説することだというのもあって、作中には「ウンウンそうだよね!!!」と思わず大きくうなずいてしまうようなところがたくさんあるので、いくつか紹介していきます。

 

 

 

ファンサは勘違いしたもん勝ち

 

「あれ?いま私ファンサされた??」という場面、アイドルのコンサートなどに行かれた方なら感じたことがあるのではないでしょうか。

 

ファンサ(ファンサービスのこと。ウインクしてもらったり、指さしてもらったりします。)された気がするけどこの大人数のなかでピンポイントに私にファンサをすることなどあるのだろうか……、と自問自答してしまうと思います。

 

でも、そんな必要はないんです。

 

ファンサされたと思ったらそれはファンサ。自分へのファンサを認め、そしてほかの周りの人がファンサされたと言っていることを否定しないこと、これが世界平和への第一歩です。

 

「勘違いしたもん勝ち」、いいことばなので私も積極的に使っていこうと思います。

 

 

 

推しの視界に入りたくない

 

握手会などの、通称接触イベントと呼ばれる、ファンと推しが直接会って話せる時間があるときに起こりうる現象です。

 

応援しているめちゃくちゃ好きな相手だからこそ自分なんかを見てほしくない、ましてや自分とツーショットなんてそんなおこがましい……!という気持ちです。

会わざるを得ないときは「お目汚し失礼いたします!!」と敬礼せんばかりの勢いです。

恥ずかしい、というよりも、畏れ多い、に近い感情だと思います。

 

 

特にツーショットに関しては、推しのかっこいい(かわいい)顔と自分の冴えない顔が並んでいるのを見るのがものすごく嫌だな、と思ってしまいます。

ツーショット撮るなら推しのソロ写真を自分のカメラで撮らせてほしいなと常々思っています。

 

 

 

ファンは「推し」の”恋人”か

 

そして、一方の高良くんの方も、実は麻実くんの存在を知っています

 

駆け出しでファンが少ないことや、そもそも若手俳優のファンに男性が少ないことが認知の要因となっています。

実際、舞台などの会場はその多くが女性で、男性の方は結構目立ちます。若手俳優がたくさん出るような、2.5次元などの作品ならなおさらです。

しかも多ステしてるとなれば必然的に認知されるでしょう。

 

しかし麻実くんは、自分が高良さんに認知されていることをもちろん知らないので、そのすれ違いや、BL的な「ガチ恋」になるのか??というところも面白みのひとつになっています。

 

 

そのなかで、高良くんのセリフや行動から、「推し」を応援したくなる所以や、「推し」を「推し」ていたい理由が少し見えるところが、このマンガのBLっぽいけどBLではないポイントだと思います。

そういった部分がよく出てるな、と思ったのがこの高良くんのセリフでした。

 

 

「移りゆくファンの心を俺たちはどうにもできない」

 

 

移ろいやすいファンの感情や、人気商売である芸能人の不安定さ。これが、夢を売る現実の芸能人の姿だと思います。

別の作品で、もとはゲーム作品なのですが、『アイドリッシュセブン』もこういうところを掘り下げているのが、アイドルや俳優のキャラクターに人間味や深みを与えていると思います。

 

 

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人気が出るかわからない、人気が出ても続くかわからない彼らにとって、ファンはときに恋人よりも大切な存在です。それが「ガチ恋」である必要はないけれど(むしろ場合によっては「ガチ恋」されては困るけれど)、ファンとアイドル、ファンと俳優がどこか恋をしているから、ファンは応援していたいと思うし、俳優や芸能人は輝いていられるんだろうな、といちファンとして思っています。

 

 

きっとこれは芸能人ではなくても、マンガやアニメ、ドラマ、映画など、なんでも同じで、作品や作者に対して「好き!!」と言い続けることがその「好き」なものや「推し」を、自分の心のなかでも輝かせてくれますし、続編が出たりファンが増えたりという外部的な意味でも輝き続けてくれるきっかけになると思います。

 

 

自分の「好き」に正直になれる『麻実くんはガチ恋じゃない!』先週7月14日に第1巻が発売されており、WEB漫画総選挙にもノミネートされています。麻実くんと高良くんにたくさんの人が「ガチ恋」すること間違いなしです!

 

 

麻実くんはガチ恋じゃない! 1 (B
著者:ひととせはるひ
出版社:KADOKAWA
販売日:2018-07-14

 

 

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