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夏休み、帰省前に読んでおきたい一冊『大家さんと僕』

夏ですね~。

 

最近、若い看護師さんたちに『Ns’あおい』知ってる?って聞いたら誰も知らなくて、ちょっとショックの漫画家こしのりょうです。

(あ、『Ns’あおい』描いたの私ね!!)

 

そりゃ、もう終わって8年もたつし、ドラマも12年前だし・・・。

5年くらい前は、かなりの数で読んがことある人いたのにー、とジェネレーションギャップを感じたわけですが。

ジェネレーションギャップを最大限に生かした漫画を今日はご紹介!

いや、「ギャップ」はジェネレーションだけではないのですが・・・

 

大家さんと僕
著者:矢部太郎
出版社:新潮社
販売日:2017-11-10
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もう皆さんご存知「手塚治虫文化賞 短編賞」受賞作品!!

カラテカ・矢部太郎さん初の漫画。

資産家であろう大家さん(87歳)とトホホな芸人矢部さん(39歳)が一つ屋根の下で暮らすお話。

トホホな漫画家こしのはすっかり矢部さんの目線で読み進めるわけです。

 

年齢は戦後を基準に考える大家さん。

楳図かずお先生を知らない大家さん。

マッカーサー元帥がタイプだったの大家さん。

すでに「ギャップ」があって面白いのですが

 

食品、洋服、家電も全部伊勢丹で買う大家さん。

2,000円のたらこを普通に買う大家さん。

ランチ1万円を使う大家さん。

 

まじか・・・

生活水準の「ギャップ」ありすぎーー!!

と、普通なら引いてしまうのですが、大家んはぜんぜん嫌味がない。

むしろ、愛くるしい。

 

「家族で乗りに来たの」

「初めてのエスカレーターが出来た時、楽しい乗り物だったわ」

「お子様ランチ食べて、戦前の話よ私もお子様だったの」

「その頃から変わらないからここは」

「周りは新しい知らない建物ばかり、私は入れないわ」

 

もう、亡くなってしまいましたが、田舎にいたころの「ばーちゃん」を思い出しました。

子供のころの私はいきがって「ばーちゃん」を「古い」と思ってきたんですよね。

「古い」ものをいつまでもとっていたりね。

そう、「黒い鞄」とか・・・。

 

自分の鞄が壊れたとき、その黒い鞄を出してき「使え」っていうんですよ。

形がとっても古くて、友達に見せたら笑われそうなやつ。結局使いませんでしたけどね。

もしかしたら、その黒い鞄にも「ばーちゃん」の思いが詰まってたのかもしれないな~

 

どんな思いでそれを持っていたんだろ?

だれが使っていたんだろ?

どんな思い出があったんだろ?

 

そういえば

ばーちゃんとはそういう話ほとんどした覚えがないなぁ。

今なら、ちゃんと聞けたのに・・・

もう聞くことはできないな・・・。

 

などと

『大家さんと僕』を読みながら思ったわけです。

 

ここでは、書きませんが、矢部さんは大家さんから多くの気づきをもらいながら同居しています。

大家さんもきっと、矢部さんから多くのものをもらっているのでしょう。

 

大人になってしまった今、二人の関係性がとても羨ましく思えます。

肉親ですら上手くいかないことが多いのに、お互いが支えあうってことは。

いや、肉親じゃないからこそ、この関係が成り立つのかな?

なるほど、あたらしい「家族のかたち」と帯にも書いてありました。

 

二人の生活が続きますように・・・

祈れずにはいれません。

読者としては。

 

とても繊細で、とてもやさしい漫画です。

夏休み、帰省前にぜひ読んでみてください。

「家族」にもっとやさしくなれるかも。

 

おすすめです!!