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神風の術が弁護士からセクハラ宣告。スキトキメキトキス!の頃のノリですまされなくなった『さすがの猿飛G』

「恋の呪文は?」

といったら

「スキトキメキトキス」

というのを知っているのは1980年代の空前のブームを知っている方であろう。

 

そう。『さすがの猿飛』は確実に一世を風靡していた。

 

1980年~1984年に「増刊少年サンデー」(小学館)で連載され、アニメは日曜ゴールデンで最高視聴率21%。小さな台風を発生させてスカートをことごとくめくる忍術「神風の術」は小学生が真似するほど流行っていた。

さすがに大人が真似するとレッドカード一発退場な忍術ではあるが、当時のこどもたちに強烈なインパクトを与えた。

 

実はまだご存知でない方もいるかもしれないが、この『さすがの猿飛』は平成29年に復活をしている。

その名も『さすがの猿飛G』(発行:ヒーローズ)。

あの『キリングバイツ』(発行:ヒーローズ)を出している版元からの復活。

なんとも感慨深い。

 

さすがの猿飛G 2(ヒーローズコミックス)
著者:細野不二彦
出版社:ヒーローズ
販売日:2018-07-05
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設定は、202X年、日本。

忍者養成機関「忍ノ道学院」に世界中から生徒が集まっていて、まさにグローバルな環境に変わっている。

ちなみにタイトルの「G」というのはグローバルのこと。

 

われらがヒロイン、霧賀魔子は19歳になっていて、アメリカ帰りの猿飛肉丸と再会するところから物語は始まる。

 

時代が変わっているのでVR、ドローン、スマホ、顔認証システムなどとにかくテクノロジーが今風になっている。

なかでも顔認証システムを突破すべく変顔で挑むシーンは、今風の楽しさを感じる。

 

この新作は忍者というよりスパイ学校的なニュアンスが色濃くなっている。

スパイ要素と忍者文化がうまくからまっていて、いずれ『キングスマン』みたいなテイストで映画化したら面白いだろうなと期待してしまう。

 

その一方、もともとのブームを体感した身として気になるのが「ちょっと自粛してるんじゃないの?」と思われる肉丸のはじけぶり。

 

大人になったからか当時ほどはちゃめちゃではない。

滝のように口から吐き出した水で、半裸の女子高生(美加)を水攻めにしていた肉丸イズムはこの新作ではとっても控えめだ。

 

その理由ともとれる事件が第2巻で明かされる。

アメリカでFBI関係者のパーティーに参加した肉丸はワインで酔ってしまい、神風の術をパーティー会場で炸裂してしまう。

「NOOON‼」

悲鳴をあげるアメリカ美女たち。

そこになんと人権派弁護士がいて、、、というなんとも今風なセクハラ問題に。

 

時代の変遷と折り合いをつけながら奮闘する肉丸の今後に要注目だ。