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なぜか誰も話題にしない、映画『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』の原作

映画『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』が人気だそうだ。
 

 

「アベンジャーズ全滅」をキャッチコピーにしたこの映画は、ネタバレを避けるのが難しいくらい、なかなかすごい展開になる。教育NPOを職場とする筆者の身の回りでも映画館に行ってきたことをインスタに投稿する後輩たちが続発している。この映画をモチーフにしたTシャツを着る若者なんかも多い。

 

あえて言おう、やれやれ・・・と。

90年代のアメコミブームを覚えている世代は、この光景に違和感を持っているのではないだろうか。

キッズ達は知るよしもないだろうが、映画『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』の原作作品は、90年代に日本語訳されている。しかもカプコンによって格ゲー化すらされている。ゲームの中でもサノスは強かった。その後継シリーズは「X-MEN vs STREET FIGHTERS」「CAPCOM vs SNK」など、vsシリーズとして、ゲーセン時代の栄華を極めたものだ。

 

あの時代を牽引したのは小学館プロダクションだった。特に『マーブルクロス』刊行の功績は大きい。

『マーブルクロス』とは、有名アメコミタイトルの日本語訳を分冊して雑誌のように発行した定期刊行ムックである。アメコミ版の「週刊少年ジャンプ」のようなものをイメージしていただくといい。

 

その巻頭作こそが、『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』の原作『インフィニティ・ガントレット』だった。ネタバレしないように語るのは本当に難しいのだが、映画のキャッチコピー同様に、ヒーローがやられまくる作品だ。原作ではアベンジャーズだけでなく、X-MENも神様も出てきてやられまくる。

あのころ中学生だった僕は、コンプラもつじつまもかなぐり捨てて、ヒーローをぶっ殺しまくるアメリカンコミックスの破壊力に魅了された。すさまじかった・・・。

ヒーロー系のアメコミの特徴は2つ。

1.キャラクターの版権は作家ではなく出版社が保有する
→同一キャラクターを違う作家が書いたりする。

2.出版社ごとに、すべてのヒーローがひとつの世界・時間軸に同居している
→ヒーローの共闘などクロスオーバーが起きやすい。

あれから20年以上が経ち、サノスがまた世界を震撼させている背景にも、こうしたアメコミの権利ビジネスの特徴がある。壮大なデジャヴュ、壮大な同窓会だ。ぜひ原作も読んでほしい。

分冊から統合された新装版も発売されているらしい。

 

インフィニティ・ガントレット (ShoPro Books)
著者:ジム・スターリン
出版社:小学館集英社プロダクション
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