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消えてなくなりたいと思ったことはないですか?大丈夫、必ず探し出しますから。『あしあと探偵』

 ”「どうぞ失踪してください。僕が必ず見つけますから。」”

人には、消えてなくなりたくなるようなことがあると思います。

でももし、本当に消えてしまったら、その時はやっぱり探して欲しいと思うのでしょう。

そんな時は、ちゃんと探してくれる人がいたら安心できるのかもしれません。

あんまり上手に探されちゃうと、ちょっと気持ちをえぐられるかもしれないけどもね。

 

あしあと探偵(1) (アフタヌーンKC)
著者:園田 ゆり
出版社:講談社
販売日:2017-02-23
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あしあと探偵(2) (アフタヌーンKC)
著者:園田 ゆり
出版社:講談社
販売日:2017-11-22
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犬養探偵社の寺崎紺は、人探しのプロフェッショナルです。

ちょっと悲しい理由でいなくなってしまい、家族ですら見つけられない失踪者たちを、依頼人の望みどおりに捜し当てます。

 

・徘徊して消えてしまった、家族と同居してるお爺ちゃん。
・親に内緒で会いたい人に会いに行く娘。
・電車の中でしか会えなかったけど、ずっと気になっていた人。
・自分のことは語らない、シェアハウスの同居人。 

 

ちょっと悲しい理由が、それぞれにある失踪者たち。
少し変わり者の職業探偵寺崎は、淡々と状況を読み、助手の麦野を時に踏み台に、時に盾にしながら、着実に失踪者に迫ります。

 

それぞれの理由は、悲しかったり、哀しかったり、全体にしっとりしたお話が続きますが、寺崎は彼らの人生や思いを丁寧にたどり、真実に近づきます。一見、社会常識も覚束ない寺崎ですが、それぞれの失踪者たちへ歩み寄る一歩一歩は、とても丁寧で良くも悪くも執拗です。

 

この物語は作者いわく、ハートフルな探偵漫画とのこと。

実際、よんどころなき事情のある失踪者たちの様子には寂しさを感じるときもありますが、最後はしっかり安心できる、そんなホッとした読後感の作品です。少しへこんだときに、読むと良いのかもしれません。

 

しかし、この作品はBLの素養のある人が読むと、一変する何かを持つ、その筋では2度美味しい作品であることも、最後に付け加えておきます^^

トキワ荘プロジェクト出身の、園田ゆりさん

2009年四季賞冬で大賞を受賞した後、トキワ荘プロジェクトに入居した園田ゆりさんは、私にとってもかなり長いお付き合いの作家さんです。

華々しくデビューして、それから色々苦労して、ついに連載デビューしました。

 

ここまでの苦労は、人知れず大変なものだったと思います。でも、ついに連載、単行本販売です。私も、やっとやっと園田のレビューが書けました。ある意味、スタート地点とも言えますが、これからが本当に楽しみです。

 

園田ぁ!本当におめでとう!!

 

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過去、表紙絵を描いてもらったり、

 

マンガで食えない人の壁
著者:NPO法人NEWVERY内 トキワ荘プロジェクト
出版社:NEWVERY
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トキワ荘プロジェクトの紹介漫画を描いてもらったりしました。

こちらも良ければどうぞ^^