TOP > マンガ新聞レビュー部 > 帝国軍人の最後の晩餐がどうだったか知っていますか?『戦争めし』

帝国軍人の最後の晩餐がどうだったか知っていますか?『戦争めし』

食べることも好きですが、グルメ漫画が大好きです。

まったく、これまで何度ダイエットをグルメ漫画に邪魔されてきたことか・・・!(てめぇのせいであることは重々承知している)

 

空腹を癒してくれるわけでも、旨味を感じられるわけでもないのですが、読んでいてなんともいえない幸福な気持ちになる。そしてお腹も減る。

だったら読まなきゃいいのでしょうが「マンガに出てくるお店探訪」「マンガに出てくるレシピ再現」「マンガに出てくる食のうんちく披露」の症状が出てしまっているグル漫ジャンキーなので、もはや手遅れ状態のもよう。

 

さて、そんな私が読んで「お、これいいな~」と思った推薦グルメ漫画がこちらです。

 

 

 いまから70年前の戦時中、兵隊さんがどんな食生活を送っていたのか、想像できますか?

 

戦争めし (ヤングチャンピオン・コミックス)
著者:魚乃目三太
出版社:秋田書店
販売日:2015-08-07
  • Amazon

 

「欲しがりません勝つまでは」
「ぜいたくは敵だ!」

 

なんてストイックな標語を教科書でもよく見かけるので、てっきりマトモなものなんて食べれていないのかと思っていましたが、実はそれは戦争末期のこと。

(C)魚乃目三太(ヤングチャンピオン・秋田書店)
(C)魚乃目三太(ヤングチャンピオン・秋田書店)

戦争末期の壊滅的な状況に追い込まれるまで、日本軍の兵士たちは戦地でも飯盒(はんごう)でお米を焚いて、温かい食事をとっていたんです。意外や意外、実はグルメだったんですね~。

サ●ウのごはんなどレトルトでも炊き立てのように美味しいコメが食べられる現代だからこそ、飯盒のオコゲ付きのゴハンにはそそるものがあります。70年以上も前のことだとなかなか想像もつきませんが、この作品はそんな時代の食生活にスポットライトを向けてくれる、異色のグルメ漫画なのです。

 

さて、このマンガのおすすめポイントは何と言っても、
ほんッとうに旨そ~~~な表情を浮かべているところ。これにつきます。

 

いや、グルメ漫画なんだからそんなのあたりまえでしょう!と思ったそこのアナタ。

 

ユー・アー・スイート(甘い)! まずはこの表情を見ていただきたい!これは敵に追いつめられていくなかで、手に入れた食材で作ったカツ丼を食べるシーン。

 

(C)魚乃目三太(ヤングチャンピオン・秋田書店)
(C)魚乃目三太(ヤングチャンピオン・秋田書店)

 

こちらは病の床に臥せっているなか、最後の晩餐にパイナップルを食べているシーン。

 

(C)魚乃目三太(ヤングチャンピオン・秋田書店)
(C)魚乃目三太(ヤングチャンピオン・秋田書店)

 

こんなに旨そうな表情を浮かべたグルメ漫画、ほかにありますか? いやないでしょう!

 

それもそのはず。多くのグルメ漫画は普段の生活を切り取った「日常系」の作品なので、食べ物を口にしながら涙を流すなんて、ちょっとわざとらしくってイメージ壊れちゃうんですよね。実際どんなに美味いレストランで食事していても、さすがに泣くほど旨いっていうのは私も経験ありませんし。

 

でもこのマンガは違います。

目の前に迫る死を覚悟した兵士が、ひょっとしたらこれが最後の食事になるかもしれない・・・というなかで一口を味わいながら、その美味しさに涙してしまう。

空腹は最高の調味料といいますが、明日死んでしまうかもしれないという目前の恐怖は、ひょっとしたら空腹以上の調味料になりえたのかもしれません。戦争は嫌だけど、戦争の歴史があるからこそ、食のありがたみを再確認させてくれます。

 

もちろん、グルメ漫画にはかかせない色んな「ウンチク」もいっぱい。

 

宇都宮が餃子の街になったエピソードとか、江戸前寿司がいまの大きさになった理由とか、ビールが日本に広まるきっかけに戦争があったこととか・・・。

 

「マンガに出てくる食のうんちく披露」の症状が出ている私は、もう3回は自慢げに語ってやりましたよ、ええ。

グルメ漫画好きとしては絶対に読むべき感動・そして勉強になる作品です。

 

Webサイト「マンガクロス」から試し読みもできますので、気になった方はぜひ!

戦争めし (ヤングチャンピオン・コミックス)
著者:魚乃目三太
出版社:秋田書店
販売日:2015-08-07
  • Amazon

 

最新刊4巻発売中!(2018/7/20) 

 

戦争めし4(ヤングチャンピオン・コミックス)
著者:魚乃目 三太
出版社:秋田書店
販売日:2018-07-20
  • Amazon
  • Amazon