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何かを飼育することは人間の狂気である!?幼い頃に殺した昆虫たちへ『オゲハ』

最近写真を整理していると、何年か前にジブリの大博覧会というのに行ってきたのを思い出した。
 
展示自体はジブリファンにはたまらないだろうもののオンパレードで、トトロに始まり、過去の宣伝用のポスター、新聞広告、電車の中吊り広告からもののけ姫の最後の追い込みのスケジュール、各作品の台本にグッズ等などが展示されていました。等身大?猫バスも置いてあって、行き先が「六本木」とかになっていたのを覚えている。
 
ポニョの写真を、見た瞬間に、なんか似ているなー。なんか最近読んだ漫画で、見たことあるなーと悶々としていると、あっあいつに似てるなと。ふと思いつきました。

 

(C)2015 oimo

それがこの漫画のタイトルにもなっているオゲハです。あっ、人間じゃない方がオゲハです。

 

もう1人すごく猟奇的な顔をしているのは、主人公のキジです。すべては主人公がこのオゲハを繭の中から無理やり引っ張りだして、家に連れて帰るところから物語は始まります。(なんかポニョに雰囲気が似てる目と口の開きかたとかが特に)

 

(C)2015 oimo
(C)2015 oimo

昔から映画でも漫画でもよくある、人間VSなんか変な生き物という構造が主となっているストーリー。

 

オゲハ=変な生き物たちの女王(どうやら他の雄と交尾をすると子孫を残すことができるらしい)
VS
キジ
=その女王を拉致したやつとして認識され、オゲハの同族に襲われる。

 

これらの過程で種の垣根を超えたうんたらが生まれるのか、生まれないのかみたいな話になっていきそうですが、そこもこの漫画を読むポイントですね。
 
では、なぜこの漫画をオススメするのか。では何がレビューを書きたくなるほど面白かったのか。それはやはり主人公の残虐性です。猟奇的な人物を自分が絶対的に立ち場に置かれて、見るというのはある種の快感になるのかもしれません。漫画でも『食糧人類』なんかみたいに、サイコパス×グロは人間の本能を呼び起こしますね。
 
私は漫画というよりは映画で、相当サイコパスやグロものは見てきました。『羊たちの沈黙』『SAW』『グリーンインフェルノ』『ムカデ人間』『ファニーゲーム』『マーターズ』などなど人を食べたり、バラバラにしたり、もう人の頭の中超えているようなサイコパスが出てきたりするような映画は、怖いもの見たさで見てみたくなりました。

 

本当にダメな人も多いと思いますが、誰しも、こういったものを好む面が存在しているのではないかなーと感じています。今回の漫画も、今のところ何か特別面白いストーリーかと言われればそんなことはあまりないんです。
しかし、何故か次、次と読んでしまうんです。 たとえば、冒頭でもオゲハを見て主人公のキジは

 

「おっ生きてる」

「これって虫かな」

「おもしれー持って帰ろ」

 

明らか正気ではないですよね。普通の人間を想定すればこのような反応にはならない。

 

ただし、ここでレクター博士などのサイコ野郎と違うのは、一定の心を持ち合わせているように見えるところです。キジは学校にこそ通っていますが、塾には通わず親に嘘をついているような状態です。おそらく何か理由があるのでしょうが、それは今はまだわかっていません。

 

(C)2015 oimo
(C)2015 oimo

主人公の残虐性は環境によって成り立っているだけかもしれませんし、そうでもないかもしれない。ただその残虐性によって出会ったオゲハによって、それが解消されそうになる。

人の形をした異世界の生物を扱うキジの残虐性に触れてみたい人は、ぜひ読んでみてください。

 

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