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マンガを描けることより、伝えたい気持ちのほうが大切『教師の学び』

 

まんがで知る教師の学び これからの学校教育を担うために

著者:康裕 前田
出版社:さくら社
販売日:2017-08-12
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英語が話せても意味がない。何を話すかが重要だ。

 

同じことが漫画にも言える。

漫画が描けても意味がない。何を描くかが重要だ。

 

遅咲きの漫画家といえば、青木雄二を思い出す。

『ナニワ金融道』で青木さんがデビューしたのは40を超えていた。

モーニングの新人賞の担当を青木さんがされていた関係で何度か話させていただいたが、

漫画家になる前にたくさんの職業についたのが良かったというのが印象に残っている。

もしも、すぐに漫画家になれていたら、『ナニワ金融道』は生まれなかった。

 

もっと遅咲きの作家を見つけた。

『教師の学び』の前田康裕だ。

 

漫画の魅力は、絵と文字が一緒にあって、情報が伝わりやすいことにある。

しかし伝えたいたことがないと、伝わらない。

 

前田さんには、強力に伝えたいことがある。

教師がどうすれば成長できて、生徒にいい授業をできて、

教師も生徒も幸せになるのか、ということだ。

そのことをすごく伝えたいという思いがあるから、

「伝わる」漫画になっている。

 

今まで漫画を描いたことがなかったなんて信じられない。すごく読みやすい。

 

描く人の根っこにどれだけ強い感情があるか、が作品の質を決める。

ノウハウは、その感情があった後の話だ。

 

前田さんの漫画『教師の学び』には、淡々とした絵柄、

淡々とした物語の裏に強い感情がある。だから、読む人の感情も動かす。

 

前田さんは、教師の現状を描き、それを解決する策を描いた。

しかし、教師も社会と接続している。

教師が、直面している問題は、どの会社でも起きていることだ。

『教師の学び』に描かれている学びは、全ての社会人にとって、すごく役立つ。

何冊もビジネス本を読む必要がない。

この本を繰り返し読むのが一番いい。

そう思える深く、魅力的な本だった。

 

学校の中だけじゃなく、会社の中でも起きているのではないか。
©︎前田康裕 / さくら社
学びとは何かということに付いての本質的な説明
©︎前田康裕 / さくら社

 

※この記事内の画像は、作者の了解を得て掲載しています。