TOP > マンガ新聞レビュー部 > 『今日も渋谷のはじっこで』彼女たちは大人になってゆく

『今日も渋谷のはじっこで』彼女たちは大人になってゆく

若者が集まるにぎわった街といえば?

 

そう!渋谷です!(笑)
私も大学生のころ何かと渋谷に遊びにいっていました。
 

あのごちゃごちゃとした雰囲気と夜でも熱気のある街にエネルギーをもらっていました。

 

私の周りには、いまだに渋谷から離れない”大人たち”もいますが、こぞって少年の心を忘れない人たちばかりな気がします。

 

何者でもない若者たちが、子供から大人になる狭間で、何かを求めて渋谷へ繰り出す。
渋谷にはそんなエネルギッシュな印象があります。

 

昨今急激に人気を集めた渋谷ハロウィンも、そのひとつの表れではないでしょうか?
私は自宅のテレビ越しに「みんな若いな。寒くないのかな?」と見守り隊と化しております。

 

今日も渋谷のはじっこで (FEEL COMICS)
著者:平尾アウリ
出版社:祥伝社
販売日:2015-08-21
  • Amazon

 

『今日も渋谷のはじっこで』に出てくる登場人物たちは、「私はいったい何者なんだろう」といった漠然とした悩みを抱えています。

 

奈央は、23歳になってもまだそれを見つけられないでいました。
制服を着て渋谷に立ち、16歳だと偽る。自分の価値を若さに見出しているのでした。
 

看護師になりたかった穂乃はイメクラで働いています。
ナース服に身を包みますが、あの頃描いていた形とは程遠い姿でした。
 

役者になりたかった恭平は、気付けばコンビニの店長に。
ストリートミュージシャンの若者を応援すべく、自分は舞台俳優だと嘘を演じます。

 

それぞれが今の現状に向き合いながら、どことなくまっすぐに自分を見れないもどかしさに共感できるオムニバスストーリー。

 

彼女たちの抱える悩み、女性なら誰もが共感できると思います。
特に女性は客観的な評価を自分の価値と考える傾向にあると思います。
男性からの視線も、女性からの視線も気にしているのが当たり前。
仲の良い友達でも、自分の人生と比べて、あの子よりはマシなんて思っている人もいたりして?
 

とはいえやはり同じ時を過ごした仲間というのは、案外自分よりも自分のことをわかってくれている存在だったりもします。

©平尾アウリ/祥伝社フィールコミックス

人生につまずいたときちょっと立ち止まって今をみつめる。自分で自分を肯定してあげることは、すごく大事だと思います。
 

この作品を読んで、思い出のある街があるって素敵だなと思いました。
あなたにとっての若かりし頃の思い出の街はどこですか?

 

今日も渋谷のはじっこで (FEEL COMICS)
著者:平尾アウリ
出版社:祥伝社
販売日:2015-08-21
  • Amazon