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『へうげもの』全25巻完結!古田織部の「ここに至るまでの道」

今回は「週刊モーニング」で連載されていた『へうげもの』のお話をします。「ひょうげもの」と読みます。

 

へうげもの(1) (モーニングコミックス)
著者:山田芳裕
出版社:講談社
販売日:2012-09-28
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主人公古田織部は、第1話では織田信長の使い番という、戦場における連絡係であるところから始まります。前線で先頭に立って戦う役割ではなく、若干パシリっぽいですが実は手柄を立てた人が付く名誉の仕事です。

 

でも、実際の織部はそんなに強い人ではありません。にもかかわらずどんどん出世していきます。

なぜか、、、実は織部には交渉術という特技がありました。調略(敵を説き伏せ、味方につけること)においては、稀有な才能を持っていたのです。

 

とはいえ、かっこよく人を説き伏せるばかりでもなく、数寄ものの証たる「茶器」を用いて相手を篭絡したり、時によっては大金時(まぁあれです。)を活かして、文字通り寝技で相手を口説くことが得意技だったりします。

誰もが怖がる信長すら、大爆笑させるという、別の意味の才を持つ奇貨と言えましょうか。

 

千利休に師事し、信長の死後、秀吉に仕え、家康の時代には「御茶道頭」という、茶の世界の大臣のような地位に上り詰めます。
その間、驚くことに、戦場における槍の武功はほとんどありません。それにもかかわらず、国持ち大名にまで出世できたのは正に数寄、茶の湯の力でした。

 

織部には沢山の弟子や、茶の友がいます。
代表格は細川忠興、織田有楽斎、伊達政宗、佐竹義宣、2代将軍秀忠などなど、堂々たるメンバーです。
この辺りは、もちろん彼の立身出世へ大いに影響を与えています。

 

(C)山田芳裕/講談社

 

家康公の茶席では、毒見の銀扇を茶碗に被せる緊張感。

 

武功がないのに出世する織部の特異点は、数寄(すき)に対する強い欲望でした。数寄者といえば茶道に明るいと説かれますが、織部のそれは市井の雅に高貴な茶道ばかりではありません。

 

むしろ、欲望に忠実であることを良しとして、人の業を認め、もがき苦しみながら、最後に人を笑わせる。「へうげもの」(読み:ひょうげもの)たることを究極とする考え方です。

 

そうしたわけでか、織部の行為は時にもうわけがわかりません。

 

(C)山田芳裕/講談社

 

対幕府剣術指南役戦

2016年に放送されたNHK大河ドラマ『真田丸』は、戦国時代に真田家の立場に影響することだけを作品に盛り込み、他をばっさり切ったことが、新たな面白さを示しました。真田独自の戦国アナザールートの趣です。

一方で漫画『へうげもの』は、数寄武将古田織部の目線から見た、戦ばかりではない戦国時代の駆け引きを中心とした物語です。戦のシーンもありますが、それが全てではありません。

 

また、若き日に信長へ仕え、戦国3傑の常に近くに居続けた織部が、斜めにこの時代を評し、泳ぐことは、歴史に新しい光をあてました。

全ての歴史作品は、ある意味日本の戦国時代のパラレルワールドとも言えるかもしれませんが、数寄者の観点から新しい物語を紡いだのが、本作と言えましょう。

 

2018年1月23日に完結巻25巻が発売され、「週刊モーニング」本誌では「実写化企画進行中」と発表された『へうげもの』。

ぜひ一度読んでみてください。

 

へうげもの(25) (モーニングコミックス)
著者:山田芳裕
出版社:講談社
販売日:2018-01-23
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