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うっかりハイラルへ旅立ってしまった皆さんへ『転生したら剣でした』

時空を超え、うっかり「ハイラル」にまた旅立ってしまったおっさん達

 

私のタイムラインでは一時、同世代による「ハイラル」という懐かしい地名が飛び交っていました。

その言葉は、子供時代の冒険の思い出を呼び起こす、望郷の追憶へのチケットでした。

 

私たちの世代は知っています。

 

ちょうど、PCのフロッピーディスクが、5インチから3.5インチに移行しようとしていた頃、初代ファミコンにディスクシステムという夢のアイテムがリリースされました。

力強い起動画面音から「ティロリ♪」というディスク差し込み音に胸を躍らせ、小さなディスクの「カタコットン」という回転音を数回聞くと、そこはもう、少年の頃のぼくたちを鷲掴みにした冒険の地「ハイラル」でした。

 

夜遅くまでゲームをすれば母ちゃんに怒られることを逆手に取り、早起きしてでもテレビの前に座って冒険の旅に出ていたあの頃。(居間のテレビでしかゲームが出来なかった)なんと言われようと、ハイラルに旅立った子供達は、幸せだったと思います。

 

2017年、多くの大人が帰ってきたハイラル。中でも以下のテキストが話題になりました。

 

 

泣くって。普通に泣きますよ、私たちの世代なら。

 

最近我が家では、家のテレビでゲームをする際は妻に必ず「旅に出ます」と断ることにしてます。いやな顔はされますし、Switchだと必ずしもそうしなくても良いのですが、出来れば大きな画面で旅に出たい。(でも風呂屋のリラックススペースで旅にも出られる)

 

生きていればしんどいことも沢山あります。仕事でも家庭でも、最近は世界情勢もただならない状況です。

それらは、嫌が応にも真剣に向き合わなければならないことですが、冒険の旅に出ればそこは、楽しかった思い出の地。バトルや謎解きはもちろん、山登りだって、料理だって、1つ1つが楽しくてしょうがない。

新しいゼルダには、そうさせる力がありました。あぁ、書いてると、また旅立ちたくなる。

 

2017年は感涙のオフラインファンタジーゲーム!の年だった?  

 

2016年の邦画界は豊作と言われましたが、2017年のコンシュマーゲーム界は例年にない豊作が、個人的に約束されていました。

 

ゼルダの次は、オウガサーガとイヴァリース世界の創り手、鬼才松野泰己氏によるファイナルファンタジーXIIのPS4リメイクです。

世間様が何と言おうと、私にとってオウガサーガとFFTは最高のゲームですし、魔術師崎元仁さんの音楽は、いまだに私の作業BGMの定番となっております。

あの世界観をPS4クオリティでまた出来る、、、もう、またシュトラールで旅に出るしかないじゃないすか。「物語の主人公」に会いに。

 

そして、2017年7月末にはドラゴンクエスト11。

ドラゴンクエストXI 過ぎ去りし時を求めて 公式サイト | SQUARE ENIX

 

個人的にもっとも気持ちよかった、DQ8の「旅に出る感」の素晴らしさが、継承・進化されていることは間違いありません。

 

大人の事情で、携帯ゲーム機やオンラインゲームを封印していた身(だって時間取られ過ぎちゃうから) としては、待ちに待ったコンシュマー機のオフラインドラクエです。もうどれだけ待ったか!(DQ8の発売は2004年です)

 

携帯ゲーム機でのドラクエリメイクも良いのですが、個人的にはDQ8のFPS視点で、すべてのドラクエをPS4リメイクして欲しいと常々思う位、「旅に出る感」が好きな私としては、PS4をこのために買う理由も、FF12RもDQ11を買う理由も、必要にして十分です。

 

知性ある剣が気持ちよく連れて行ってくれる「新しい世界観」

 

さて、個人的ファンタジーゲーム豊作の2017年、同時にファンタジーコミックも豊作だったと思います。

いくつかありますが、中でもお気に入りで本日ご紹介させていただくのが、漫画『転生したら剣でした』です。

 

転生したら剣でした (1) (バーズコミックス)
著者:棚架ユウ
出版社:幻冬舎コミックス
販売日:2017-04-24
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主人公は現世を離れ、知性ある剣に転生します。

 

転生してすぐの頃は、世界のことはまだよくわかりませんが、どうやらこの世界の剣たる自分は、自分で飛び回りモンスターを倒すこともでき、敵や自分のステータスが、数字や取得スキルで見通せるようです。ゲームをするとスカウターよろしく、データが飛んで見えるあれですね。

 

スキルも敵を倒せば奪うことが出来るし、経験値を貯めれば任意の自分のスキルを上げることも出来る。それが出来るのは、知性ある武器である、主人公の転生剣だけ。どうやらそんな設定のようです。

 

しかし、そんな彼にも1つ弱点がありました。知らずにその弱点に囚われてしまった彼は、ゼルダのマスターソードよろしく、地面に刺さり囚われ、身動きも出来ないことに。

そこに現れたのは、色々事情を抱えて大変そうなモフモフ猫耳の美少女です。お互いに命を救い合う出会いを果たした2人は、共に旅立つことを決めます。剣とその遣い手という関係で。。。

 

と言うお話です。

 

ファンタジー世界を漫画で読み進める時、その世界観を理解してもらうため、説明的な描写が目立つことがあります。

 

このお話は、そこをゲームよろしく数値やスキルを見ることが出来る魔法の剣を通して、サクサクと、世界観導入してくれます。

この気持ち良さが、久々に「冒険の旅へ出る感覚」を思い出した私には、とても心地良い作品でした。

 

「この風、この肌触りこそ冒険よ!」(ランバ・ラル 享年35歳) 

 

と言うことで、2017年春、ハイラルにうっかり出戻ってしまい、冒険の心地よさを思い出してしまったお兄さんお姉さん方、どうせならスマホタイムもドップリと、ファンタジーコミックに浸かってみるのはいかがでしょうか。

 

本作『転生したら剣でした』は、、、「小説家になろう」発祥の作品のようで、コミックはウェブ連載もされています。ご献本をくださった幻冬舎コミック様、誠にありがとうございました。ごく私的に楽しんでしまいました。貴社の思うつぼでございます。

 

とにかく、ファンタジー脳になってしまいました。最近のファンタジー作品で面白かった作品がありましたら、SNSなどでシェアしてください!マンガ新聞記事関連のSNSはだいたい追いかけていますので、読ませていただきます!

 

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ファンタジーコミック豊作の年だと思わせてくれた、あとの2作もご紹介させてください。

 

魔王の秘書 1 (アース・スターコミックス)
著者:鴨鍋 かもつ
出版社:アース・スター エンターテイメント
販売日:2017-04-12
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ゴブリンスレイヤー 1巻 (デジタル版ビッグガンガンコミックス)
著者:蝸牛くも(GA文庫/SBクリエイティブ刊)
出版社:スクウェア・エニックス
販売日:2016-09-13
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『ゴブリンスレイヤー』は、凄く強いのに、最弱モンスターのゴブリンばかり退治しているので変わり者扱いされている主人公は、子供の頃にゴブリンに家族を、、、というお話です。
これもまた、はまりやすい世界設定で、特に冒険初心者が弱いはずのゴブリンに負けた末路の描写は、かなりのインパクトでした。