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幸せとはなにか?生き方を考えさせられる人生の指南書『東京都北区赤羽』

皆さんは東京都北区にある”赤羽”という町をご存知だろうか?

 

埼玉県民にとっては、都内主要駅のひとつ・赤羽駅を有する関所のような町であり、

漫画好きにとっては、『宮本から君へ』の主人公・宮本浩が一人暮らしをしていた町でもある。

 

しかし「赤羽といえばこれ」というのを答えられる人はほとんどいないのではないだろうか。

 

そんな本来何もないと思われていた”赤羽”という町を、

作者の“清野とおる”というフィルターを通して紹介するエッセイ漫画。

 

“赤羽”という町の名前を全国レベルまで押し上げた作品。

 

それが『東京都北区赤羽』だ。

 

東京都北区赤羽 1 (GAコミックススペシャル)
著者:清野 とおる
出版社:Bbmfマガジン
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圧倒的に"人"にフォーカスした作品

 

町を紹介する作品というと普通、名物や名所の紹介をする内容を想像するだろう。

しかしこの作品はそんな常識とは一線を画す。

 

この作品で紹介される内容のほとんどが赤羽に暮らす”人”であり、

しかしながらそれは地元の有名人でも、社会的に成功をした人物でもない。

常に変わった人やモノとの出会いを求める清野とおるが実際に赤羽で出会い、食指が動いた奇人変人達である。

 

それは自作の歌を吹き込んだカセットテープや、謎の芸術作品などを売り歩き生計を立てている女性ホームレス「ペイティさん」であったり、

 

幾度となくパトカーに連行されながらも下半身を露出しながら赤羽中をウロウロする謎の男など、

作中に登場する奇人変人達は枚挙に暇がない。

 

幸せとはなにか?揺さぶられる価値観

 

紹介される人物のほとんどがそんな奇人変人達ではあるが、

作中で登場人物達が"気持ち悪い存在"として描かれることはあまりない。

 

それどころか好きな時に好きなことをし、言いたい時に言いたいことを言い、

誰にも指図されず、各々の価値観の中で自由を謳歌する登場人物達の生き方は、

もしかしたら収入は低いかもしれない、社会的なステータスは何もないかもしれない。

 

それでも、とても幸せそうに見えるのである。

 

今の生き方に疑問を感じている方はこれを読めばもしかしたら、

生命力に溢れ、活き活きと暮らしている『東京都北区赤羽』の登場人物達に、生き方のヒントを見出せるかもしれない。

 

文:エンドウヒロユキ(@PAGSSIORIO)

 

東京都北区赤羽 1 (GAコミックススペシャル)
著者:清野 とおる
出版社:Bbmfマガジン
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