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マンガ新聞大賞第2位!『1日外出録ハンチョウ』の読み方

2016年末にスタートした『1日外出録ハンチョウ』は、言わずと知れた『賭博破戒録カイジ』のスピンオフ作品。 「マンガ新聞大賞2017」において、ベテランレビュアーの支持を受けて堂々の2位にランキングされ、多くの大人たちの笑いと涙を誘っている。

今回は『1日外出録ハンチョウ』の作品紹介や見どころについて、マンガ新聞編集部がお届け!

『1日外出録ハンチョウ』とは?

1日外出録ハンチョウ(1) (ヤングマガジンコミックス)
著者:福本伸行 出版社:講談社 販売日:2017-06-06
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地の獄・・! 底の底・・! 帝愛地下労働施設・・! 劣悪な環境である地下にいながら「1日外出券」を使い、地上で贅の限りを尽くす男がいた・・!その名は大槻・・!E班・班長にして、1日を楽しみ尽くす匠・・!飲んで食って大満喫・・!のたり楽しむ大槻を描く、飯テロ・スピンオフ第1巻・・!

と、公式に紹介される本作は『賭博破戒録カイジ』シリーズのスピンオフ作品。

原作はネーム原作者の萩原天晴先生。作画は上原求先生、新井和也先生。カイジの生みの親である、福本伸行先生が協力とクレジットとされている。原作:萩原先生/協力:福本先生という体制は『中間管理録トネガワ』と同じ体制だ。

主人公のハンチョウこと大槻は、『賭博破戒録カイジ』の1巻~5巻前半の間に、地下労働施設内でカイジと対決するキャラクター。本編『賭博破戒録カイジ』は全13巻のシリーズだが、出だし3巻はkindle unlimitedで読むことが出来る。

賭博破戒録 カイジ 1
著者:福本 伸行 出版社:フクモトプロ/highstone, Inc. 販売日:2013-07-25
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登場人物紹介

大槻【ハンチョウ・大槻-おおつき-】 地の底「帝愛地下労働施設」強制労働者E班の班長を務める。自身も強制労働者でありながら、同じ労働者に飲食物を販売したり、博打の胴元として接し、大きな特権を持っている。その為、通常の労働者ではなかなか手に入らない「1日外出券」を容易に入手でき、頻繁に外出している。カイジ本編ではかなりの悪人とも見れたが、本作では食べ物へのこだわりや、かわいいところも垣間見える。
宮本 【宮本-みやもと-】 本来は、1日外出をする大槻を監視する役目の黒服。大槻が胴元の博打のやり方に強い不信感を持っており目を光らせるが、結局は大槻に毒され大いに影響を受けてしまう。
小田切 【小田切-おだぎり-】 地下労働施設のC班班長。大槻とは違う意味で商売人。1巻後半では彼の商売が大槻の商売を大きく浸食したため、大槻は小田切を篭絡しようとするが。。。

『1日外出録ハンチョウ』見どころ

■地下労働施設の絶対権力者、大槻

この作品を理解するには、前提として地下労働施設内で発行されるチケット「1日外出券」と、それを手に入れるために稼がなければならない“地下専用通貨50万ペリカの価値”を理解する必要がある。
1日外出録ハンチョウ_1日外出券の価値
©福本伸行・萩原天晴・上原求・新井和也/講談社
借金のカタに、帝愛グループ地下施設をつくる労働施設内で働かされる労働者たち。

「1日外出券」は、その月給の実に半年分をかけて手に入れることが出来る。 しかも、劣悪な重労働の合間のお酒やツマミの一切を我慢しての半年だ。半年分の報酬「50万ペリカ」を貯めることは尋常ではない。

そんな大金も、チンチロ博打の胴元かつ、酒やツマミの販売を行っているハンチョウ・大槻とっては難なく集められる金額。

1日外出録ハンチョウ_大物大槻
©福本伸行・萩原天晴・上原求・新井和也/講談社

■本編では悪い男の大槻も、素の姿は少しかわいい。でもやっぱり強かで自分の欲望に忠実。

普通なら半年かけてやっと手に入るかどうかの「1日外出券」。 それを手に入れた常人なら、その24時間を最大限活かそうとするだろう。しかしベテラン外出者の大槻は違う。
1日外出録ハンチョウ_毛玉事件
©福本伸行・萩原天晴・上原求・新井和也/講談社
貴重な時間で、ニットの毛玉を取る大槻の余裕に、本来彼ら外出者を監視する役割の黒服たちも脂汗をかく状況に。

貴重な時間を浪費したように見える彼が向かった先は、なんと立ち食いソバ屋。そこで彼が取った行動は、まさに人が何に満たされるかという、人間の価値観の根源に触れる振る舞いだった。

1日外出録ハンチョウ_玉座のシーン
©福本伸行・萩原天晴・上原求・新井和也/講談社
また、なぜか本作に出てくる変哲もない食べ物たちは、とても魅力的に映る。

大槻たちの、普段は臭い飯を食う立場からのジャンプアップ的な、美味い物・調味料的なもの何かが、読者である我々の感覚をも支配していくのだ。

1日外出録ハンチョウ_大人の飲み方
©福本伸行・萩原天晴・上原求・新井和也/講談社
1日外出録ハンチョウ豪遊
©福本伸行・萩原天晴・上原求・新井和也/講談社
その後も外出を謳歌し、時には側近の外出時間を指導するなど「目に余る行動」を取り続ける大槻。そんな状況を、監視者である黒服宮本は見逃さない。
黒服
©福本伸行・萩原天晴・上原求・新井和也/講談社
しかし、執拗に大槻の不正を暴こうとする宮本すら、大槻の手にかかれば篭絡されてしまいそうに!!

手強すぎる大槻に、誰もがかなわない…そう思っていた。

籠絡される黒服
©福本伸行・萩原天晴・上原求・新井和也/講談社

■大槻の立場を揺るがす、曲者登場

地下における圧倒的な地位を築く大槻。

しかし、そんな勢力図を覆すような事態が発生する。その相手は…C班 班長小田切!

1日外出録ハンチョウ_小田切
©福本伸行・萩原天晴・上原求・新井和也/講談社
1日外出録ハンチョウ_小田切2
©福本伸行・萩原天晴・上原求・新井和也/講談社

果たして、大槻の安寧な外出は続くのか!?

『中間管理職トネガワ』に続き本作も、スピンオフの中に戦いや男たちの悲哀が詰まっている。

全く疑いなく、今後の展開が楽しめそうな『1日外出録ハンチョウ』。この機会にぜひ読んでみてほしい。

また、本作が第2位を授賞した「マンガ新聞大賞2017授賞式」を、2018年1月19日(金)19:00から開催!

BOOKLABTOKYO
渋谷「BOOK LAB TOKYO 」にて
申込はこちら→https://peatix.com/event/334787/

当日は、マンガ新聞レビュアーである堀江貴文・佐渡島庸平を始めとしたメンバーがトークを繰り広げる。

参加者の方には、受賞作家からいただいた、受賞コメントや色紙イラストも公表予定のため、足を運んでみてほしい。

マンガ新聞編集部

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