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ひと肌恋しいこの季節に読むだけで火照る『クズの本懐』

『クズの本懐』 アニメ化&実写化おめでとうございます!
1月にどちらもスタートするという異例の快挙☆勢いが止まりませんね!!

 

 

実は以前にも『クズの本懐』のレビューを書かせていただいたのですが、なにせレビュアーを初めてすぐでしたのでいま読み返してみると全然良さが伝わっていない・・・お恥ずかしい限りです。

当時はなるべくネタバレしないようにとか、主観を入れすぎないようにとか気を付けたはいいんですけど、薄っぺらくあらすじをお伝えしただけになってしまい、このままでは納得いかないので改めてレビューを書かせていただこうと思います!笑

 

クズの本懐(1) (ビッグガンガンコミックス)
作者:横槍 メンゴ
出版社:スクウェア・エニックス
発売日:2013-02-19
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主人公・花火は幼いころから近所に住むお兄さんに憧れていました。

大人になったら付き合えると思っていました。

 

高校生になり自分の学校に赴任してくると聞いたときはわくわくしたし、それが自分のクラスの担任ともなるともはや運命だと思いました。

 

二人きりの教室で

「あ、お兄ちゃん」
『こら!学校では先生でしょ!花火ちゃん』
「安良岡さんでしょ」

なんてやりとり、きゅんとせずにはいられません。

 

そんな花火に宿敵が現れます。音楽教師の皆川先生です。

 

綺麗で優しくて人気があり、お兄ちゃんもどうやら皆川先生が気になる様子。

いままで自分に見せたことのない表情で話すお兄ちゃんに苛立ちを覚えます。

 

と同時に、笑顔のなかにも見透かしたようにこちらを見る皆川先生。

まるであなたには勝ち目なんてないのよと言わんばかりの余裕の笑み。

 

こんな女に騙されてお兄ちゃんのバカ!
私のほうが真剣にお兄ちゃんだけを見てるのに…

 

花火と同じ目をした生徒がもう一人。
彼の名前は麦。皆川先生に思いを寄せていました。

 

なんだコイツもこの女のうわべに…いやこの目は違う。私と一緒だ。

 

花火と麦は、美男美女でそれなりにモテます。
でも同級生には興味がありません。そういうところも共感できました。

 

いつのまにか花火は麦といる時間が増えました。
お互いの気持ちを理解しあえるからこそ、一緒にいても好きにならないし、素直な気持ちを話すことのできる唯一の相手でした。

 

いつものように放課後麦の家で過ごす花火。
冗談のつもりで後ろから麦に抱きつくと、「さみしいの?」という優しい麦のひとことに甘えてしまいます。

 

「お兄ちゃんだと思えばいいんじゃない?」

 

目を閉じてお兄ちゃんを思い浮かべる。
お兄ちゃんが私をなでる、私に触れる、私にキスする・・・。

 

全部お兄ちゃんにしてほしかった。さみしかった。
目を閉じればここにいるのは麦じゃなくてお兄ちゃん。

 

なら私も麦に私だと思わせないようにしなくちゃ。
声は出しちゃダメ。麦のさみしさも埋めてあげたい。

 

・・・正直エロい。でも妥協じゃないんです!

 

誰でもいいからセックスしたいってわけじゃないんです。

 

お互いのまっすぐな気持ちをしっているからこそ、純粋にお互いを受け入れつつ、きっちり境界線をつくってお互いを全く意識せずにあくまでも思い人との疑似体験をする。

二人は真剣です。

 

こうして二人は、セックスはしないけどお互いがさみしいときは慰めあうことにしました。

 

そして学校では付き合っていることにするのがベストだと考えました。

お互いを好きにならない。思い人とうまくいけばこの関係は解消する。

あくまでも戦友といったところでしょうか。

 

花火にはえっちゃんという親友の女の子がいます。

実はえっちゃんは花火のことが好きです。

だから麦と付き合っていることに疑問を覚えます。

花火のことが好きだからよく見ているのですが、二人が好きあっているようにはどうも見えない…。

問いただすと、二人の関係は慰めあうためだけの偽装カップルであることがわかります。

 

えっちゃんは、すかさず花火の優しさに付け入ります。

私の方が花火を慰めてあげられるよと。

一度麦に甘えてしまった花火は、それを知られているえっちゃんを拒絶することも、する理由も見つけられません。

 

花火の絡み始めた赤い糸は、どんどん縺れてほどけなくなっていきます。

麦のことを思っているモカもまた、花火と付き合っていることに納得がいかない。

 

正直ここまで出てきた登場人物の中で、一番まっとうに好きな人への想いを貫いているのはモカだと思います。
一番報われるべきなんだろうけど、麦に振り向いてもらえないのがなんとももどかしい。

 

それぞれが相手を真剣に思っているのに、まっすぐに思い続けるだけじゃ届かず、それぞれの思いが歪んでく。
純粋ゆえに進み方を間違えた花火と麦は、いろんな人を傷付けながらそれでも突き進む。

 

嘘から始めたはずの関係が真実をどんどん蝕んでいく。

読めば読むほど苦しくて、恋しくて、真剣な思いに火照る作品です。

ぜひアニメ&実写ドラマも合わせてお楽しみください!

 

クズの本懐 (2) (ビッグガンガンコミックス)
作者:横槍 メンゴ
出版社:スクウェア・エニックス
発売日:2013-10-25
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クズの本懐(3) (ビッグガンガンコミックス)
作者:横槍 メンゴ
出版社:スクウェア・エニックス
発売日:2014-04-25
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クズの本懐(4) (ビッグガンガンコミックス)
作者:横槍 メンゴ
出版社:スクウェア・エニックス
発売日:2014-11-19
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クズの本懐(5) (ビッグガンガンコミックス)
作者:横槍 メンゴ
出版社:スクウェア・エニックス
発売日:2015-06-25
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クズの本懐(6) (ビッグガンガンコミックス)
作者:横槍 メンゴ
出版社:スクウェア・エニックス
発売日:2016-03-25
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クズの本懐(7) (ビッグガンガンコミックス)
作者:横槍 メンゴ
出版社:スクウェア・エニックス
発売日:2016-12-24
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クズの本懐 7.5 公式ファンブック Ambivalent (ビッグガンガンコミックス)
作者:横槍 メンゴ
出版社:スクウェア・エニックス
発売日:2016-12-24
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