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これから結婚する人へ、恋愛している人へ、そして人間関係でなんだかモヤモヤ悩んでいるすべての人へ。『妻は他人 だから夫婦は面白い』を読んでほしい。

2017年のクリスマスが終わりましたね。

告白やプロポーズに成功した皆さん、おめでとうございます。私が働く丸の内では、多くの恋人たちがイルミネーションを楽しんでいました。そんな彼ら達を祝福しながら、聖なる夜に仕事に励む私ってなんて清らかなの・・・なんて思うわけもなく、ただ、彼らに『妻は他人 だから夫婦は面白い』を読んでほしい、と伝えたくなりました。

 

妻は他人 だから夫婦は面白い
著者:さわぐち けいすけ
出版社:KADOKAWA / エンターブレイン
販売日:2017-11-22
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この本は、著者・さわぐちけいすけ さんがTwitterに投稿したご自身と奥様の日常をテーマにしたエッセイ漫画です。二人の出会いから7年、結婚して4年が経過してもケンカはゼロという様子を見てきた知人から「あんた達いつも仲いいけど、なんか秘訣とかあるの?」と質問された事がきっかけで描かれた二人の絶妙な距離感をはじめ、著者を取り巻く人たちの結婚観や恋愛観、そしてモヤモヤとした人間関係が取り上げられています。

 

個人的には、岩手→東京への移住を「若気の至り」と称し、東京→オーストラリアへの移住は「電波の届かないところに行きたくて適当に選んだ」と振り返り、それでも移住先では確実に仕事を見つけて、働いて、イラスト・漫画家の道へ進んでいったストーリーもオススメです。

 

エッセイ漫画なので文字量は多め。でも、サッパリとした絵(目がテン!!)とテンポの良い会話、情報をそぎ落とし緩急がついた内容は、1話が4ページのボリュームとは思えない濃さです!マンガをほとんど読まずに、ミステリー小説や知らない知識を得るために専門書まで読むという著者の趣味や性格が影響しており、他のエッセイ漫画と一味違います!

 

期待しすぎてはいけない。言葉に出さないと分かり合えない。

 

ところで、この記事を読んでいるあなたは、今、恋人がいますか?もしくは結婚していますか?

 

私の結婚生活は8年。さわぐち夫妻ほどではないですが、趣味や行動パターンもバラバラ、平日は残業続き、週末も別々に過ごすことが多いので「ええ!?結婚していたの?」と驚かれます。数年前には多忙によるすれ違いや、価値観の違いに悩んだこともありましたが、今は割と円満に過ごしています。

そのときの解決方法は、お互いに冷静に話すこと。何を考えているのか、何をしたいのか、どうしてそう思うのか。延々と話してお互いの理解が深まると不安はほとんどなくなり、あとは時間が解決してくれました。そう、この本と同じなんです。

 

「妻は他人である」ということを絶対に忘れない。

「他人行儀になれ」という事では無い。永く関わる特別な他人だからこそ礼節を重んじ丁寧に接したいという事。

 

マンガでは結婚がゴールとして描かれがちですが、現実ではそこからスタートなんですよね。昔は「結婚は忍耐」なんて言葉もあったかもしれないけど、今はどちらかだけが我慢するのではなく、もっと自然体でお互いに理解しあった適度な距離感が時代にあっているのかもしれません。

 

 

そんな中、この本を読んで、同世代(30代)の女性たちから「5年つきあっている彼氏が、なかなか結婚してくれない」「(付き合い始めてまだ数ヶ月だけど)いい年なんだから、とっとと入籍 & フランスで挙式したい!!」「彼は責任を取ってくれるのか心配で眠れない・・・」はたまた「もう彼じゃダメだ。」などの相談を受ける機会が最近多くなっていることを思い出しました。

 

ただ彼女たちの話を聞いてみると、相手と直接話し合う勇気がなくてウヤムヤな状態に・・・なんてケースも少なからずあって。

 

そこで私は「うんうん、わかる、わかるよ。30代になると、出産・育児・仕事の事が全部一気に不安になるよね。ただ過剰な期待や信頼が相手の負担になっていないか、少し一緒に考えてみない?」みたいなことを言いながら、この本をオススメしてみようと思っています。

自分のことで手一杯な私の友人たちは「うぅ・・・読むのがツライ・・・」なんて言いながら読むでしょう。でもいいんです、それで。

 

 

結婚願望が日増しに強くなっている私の友人に限らず、素敵なクリスマスを過ごしたカップルたちにとっても、もちろん私にとっても、絶対に誰とでも上手くいく方法はどこにもない。

ただ、一つだけヒントがあるとしたら、妻(夫)であろうと、大親友であろうと、尊敬する先輩や上司でも、他人は他人。関係が近ければ近いほど、何も言わなくてもわかると思ってしまいがちだけど、そんなことはない。

もっともっと丁寧な言葉を紡ぎ、感謝の気持ちを言葉にすること、お互いを知ろうとすることの大事さに改めて気付かせてくれた『妻は他人 だから夫婦は面白い』に感謝!!次回作にも期待したい!!