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BLだからと食わず嫌いしてる社交ダンスファンに読んでほしい『10DANCE』

社交ダンスが地味に熱い。

 

キンタロー。とロペスが世界選手権で優勝したりで、ダンススクールに通い始める学生や社会人、しかも初心者カップルで競技ダンス選手になりたい!という人々がじわり増えているらしいのだ。私のダンスの先生から聞いたところによると。

 

私はブームに関係なく、昨年4月から社交ダンス(ラテンアメリカン)の個人レッスンを受けている。未だにウォークや足型などの基礎段階だが、競技会や選手権へ足を運んだり、漫画『ボールルームへようこそ』、『背すじをピン!と〜鹿高競技ダンス部へようこそ〜』を読んだり、知識を増やしながら楽しんでいる。

 

そんな中、禁断の世界っぽさが怖くて読めずにいたが、やっぱり気になりすぎるBL漫画『10DANCE』を読んでみた。

10DANCE(3) (ヤングマガジンコミックス)
著者:井上佐藤
出版社:講談社
販売日:2017-09-20
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同性のラブロマンス、競技ダンスの漫画

 

あらすじ:まったく違う種類のダンスを専門とし、競うことも交わることもなかったはずのラテンダンサー鈴木信也とスタンダードダンサー杉木信也が、10種のダンスで競い合う「10ダンス」を目指すことに。スタンダードとラテン両方を極めたダンサーが挑戦するワールドカップ「10ダンス」。長時間の体力、精神力を持ちながら挑まなくてはならないゴージャスなトライアスロンともいうが、これを制覇するために、ふたりは自身の専門外のダンスを教え合いながら、「特別な友人」へと変化していく様を描いている。

 

官能的な世界がページをめくるたびに…というエロさ全開ではなく、甘いダンス漫画というか。ダンスの練習を主軸に、主人公ふたりの感情が揺れ動き、まさかの同性への恋心や本能に逆らえなくなる様子は、「付き合い始めのカップルみたいだな…」と思わざるをえないし、BL漫画の世界がまだよくわからない私でも、違和感なくこの愛の行方を追いたくなる。

 

そして特徴的なのは、ラテンダンサーのセクシーさ。この作品は他のダンス漫画にはない、艶っぽい肉体の躍動感、言語にも色情感がある。ラテンはエロいくらいがかっこいいので、この肉体描写はステキ!

 

社交ダンス界もダイバーシティ

 

で、実際の社交ダンス界において、男性同士の情事はあるのか?私のダンスの先生に聞いてみた。

「家に誘われたりしたことはありますよ笑。出会った瞬間に、アラいい男って言ってきた先生もいます笑笑」

私のダンスの先生は、背が高くて体格がよく、端正な顔立ちで爽やかなイケメン。

「世界的には日本より同性愛が認められてる御時世ですし、海外のコーチの人には多いですよ!」

現実のダンス界も『10DANCE』の世界そのままらしい。

 

官能的な描写はあるものの、誰でもスッと読めそうなこの作品。競技ダンスに興味がある人だったらなおさら、「BLなんて…」と思わず、ぜひ読んでみてほしい。社交ダンスは男女の感情を表現する技術も必要なので、主人公が男女それぞれの役になりきって踊るレッスンシーンなど、ダンス初心者にとっては勉強になるところが多いかもしれない。

 

私はこの漫画を読んでダンスがしたい!と思ったと同時に、BL漫画のハードルが下がり、他のBL作品もいけそうな気がしてきた…。