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夏コミ待機列の皆さんにお届けしたい一作!『戦国コミケ』

今年もついにやってきました。
真夏の祭典『コミックマーケット』(通称:夏コミ)の季節が!

 

今まさに待機列で並んでる方もいらっしゃるのではないでしょうか。
本日はそんな方々を中心に読んでいただきたい一冊、くすっと笑えること間違いナシ!「あるある~っw」ネタ満載の『戦国コミケ』をご紹介いたします!

 

戦国コミケ 1 (ジーンピクシブシリーズ)
作者:横山 了一
出版社:KADOKAWA
発売日:2017-08-10
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毎年、3日間に渡り開催される『コミックマーケット』。2017年は3日間で計32,000以上ものサークルが集まり、その想定市場規模はなんと750億円以上!
来場者数は3日で50万人を超えるとされる、日本でも最大級のイベントを舞台に描いた『戦国コミケ』!

 

表紙とタイトルから想像がついた方もいらっしゃるかもしれませんが、まずは先にざっとあらすじをご紹介します。

 

【あらすじ】

コミケのために生き、コミケのために死ぬ男、"今野タケシ"。
いつものように戦利品(コミケで購入したグッズや本のこと)を両手いっぱいに抱え、帰ろうとすると何やら怪しい雲行きに見舞われる。

ゴロゴロゴロ…
「あら…いやな天気ですわね…」(タケシ妹)
「コミケ雲が出るような気温ではありませんぞ…」

※コミケ雲:主に来場者の熱気によってうまれるあたり一体のモヤを指す

 

空に一筋の雷鳴が走り、東京ビッグサイトに大きな稲妻が落ちた次の瞬間!
タケシが戦国時代に飛ばされてしまった!?というお話です。

 

よくあるタイムスリップ物×コミケを極めた男タケシ。
この組み合わせ、これが想像以上に面白かった!!(笑)

 

いきなり戦場に降臨してしまったタケシ。
向かい来る槍攻撃、普通の人間なら即死でもおかしくない場面がタケシに迫る…!も、コミケで鍛えられた混雑回避スキル発動!
重そうな身体からは考えられない俊敏な動きで刃先を避け、さらには水分まで取るタケシに兵士は驚愕!!

どうやら小生は
タイムスリップしてしまったようですな…!

謎に高すぎる状況判断能力、そして適応力!
そんなタケシに、戦国の世の人は困惑気味にこう尋ねます。

「何者だおぬし?
 千を超える兵をものともせんとは…」
「千?実に小規模なイベントですな…
 小生は20万人が集まる戦場をくぐり抜けてきましたから…!」

 

※作者、横山了一さんのTwitterより。

よくわからん、わからんが私はこのマンガをひと目見たときに思いました。
このオタク、よくわかんないけどかっこいいwwと!!

 

だからこそ皆さんに知ってほしい、そして私のように笑ってほしい!(笑)
なので今日は熱く『戦国コミケ』と、作中で語られる『コミケ』自身の魅力についてお話したいと思います。

 

そもそも、コミケとは何か?

レビュー冒頭でもありましたが、コミケは日本が世界に誇る、最大級のオタクイベントです。夏のお盆と冬の年末に3日間ずつ、年2回開催されます。
コミケの参加方法は、主に「サークル参加」と「一般参加」の2種類あり、主人公タケシはこのイベントを極めたオタクのなかのオタクなのです。

 

コミケでは、自主制作の同人誌と呼ばれるマンガ・小説・評論やグッズなど多種多様なものが販売されており、その規模からもわかるように、1日に15-20万人が集まる大混雑の会場の中を、皆それぞれが目当てのものを手に入れるため、必死で戦場を駆け抜けているのです……!

 

『戦国コミケ』作品の魅力

なんといっても主人公・タケシのコミケにより鍛えられたハイスペックさにあります。
キャラクターが面白すぎる。

 

また、作中で出てくる”コミケあるある”。同人イベントに何度か行ったことがある人なら絶対に笑っちゃうぐらい「あるある」すぎてもう、何度も読み返して笑います。
コミケに行ったことがない人は、この作品を読んで「本当にこんなことあるの!?」と思っちゃうかもしれないエピソードが満載なんです…!

 

たとえば、槍を避けるスキル

 

あれ、本当にすごいんです、大混雑のコミケ会場の中を、参加者は驚くほど人を避けて通っていきます。
渋谷のスクランブル交差点あるじゃないですか、アレ並みもしくはアレ以上の混雑の中、早く行かなければ売り切れてしまうものを求める人々はみな、自然と動きが洗練され、いつの間にか身につく初歩スキルなのです…!

 

ちなみにですが、私はサークル参加もする側の人間なので、コミケには何度も足を運んだことがあります。
だからこそわかるネタもいくつかあって、その中で「ほんとわかる~ww」と思ったのが

 

単行本第八話の一「潜入!楽市楽座」

ある日街に降りたタケシ。そこでまんじゅうが売れなくて困っている父親と娘を見かけます。
その商売下手な姿に、10年前サークル参加していた頃を思い出しー…
 

※感動的なシーンもあるのですがネタバレのため控えます

ダッ
「設営が!なっておりませんぞォォ!」

まんじゅうしか乗っていなかった机の上を、あっという間に設営!
一目でどんな商品かわかるポップ!購買意欲をそそるポスター!ブースに華をそえる売り子(娘)を用意したことで、まんじゅうが飛ぶように売れるように!

 

タケシはこう語ります。

同人誌を生かすも殺すも設営しだい…
長年のコミケ通いで小生はそれに気づいたのです

「わ、わ、わ、わかる~~~!!(サークル参加経験者 心からの叫び)」

 

コミケに参加すると、いわゆる自己プロデュース力だとか、スケジュール管理能力とか
身につくスキルって意外に多いんです。

 

自費で本やグッズを出すので、まずは制作するための発想力、形にするための構成力・スケジュール管理力、印刷するための金銭管理力、作ったものを売るための販促を考えたり、宣伝方法を考えたりだとかの自己プロデュース力……!

 

あらゆる修羅場をくぐって身につくそれらの力が一番に発揮される場、それがコミケ!
それらの力を体現している奴、その男がタケシ!!(笑)

 

なんだかタケシが作中で認められると、共感している私もどこか誇らしげになってしまって、そんな状況が面白く感じちゃうんです。この作品は。

 

長々と語りましたが、それだけ私はこの『戦国コミケ』を楽しみました。

発売日の0:00ぴったりに、0:30まで開いてる近所の本屋に行き、『戦国コミケ』を探すも入荷しておらず、夜中にとぼとぼ家に帰り…。
寝て起きて仕事の昼休み、同僚とランチがてら神保町の書店を回るも見当たらず、「天下の神保町の三省堂書店にも…っないだと…!?」と言って、本当は紙で欲しかったところをKindleで購入したぐらい、発売を楽しみにしていました!(笑)

今コミケに行っている皆さんはもちろん、コミケを知らない人にもぜひ読んでいただきたい一作となっております。

 

戦国コミケ 1 (ジーンピクシブシリーズ)
作者:横山 了一
出版社:KADOKAWA
発売日:2017-08-10
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