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何もしたくない。何も考えたくない。なんか疲れた。それなら今すぐ『かくかくしかじか』を読んでみてほしい。

まずはじめに言いたいのは、この漫画は疲れている人に薦める内容ということではありません。

 

何か嫌なことがあったり、ショックなことがあったり、ストレスがたまっていたり、人間生きてたら良いことばかりじゃない。
ちょっとした心の疲労感・喪失感から何もしたくないと思うようになったときの「心の逃げ込み先」という意味でこの漫画をオススメしたい。
この漫画は息をするように簡単に読めて、笑って、泣ける作品です。

私がこの漫画を初めて読んだのは1年半くらい前、姉から読めと薦められました。
元々『ママはテンパリスト』にドハマりしていて東村アキコ先生の漫画は好きだったので、すぐに購読。

全5巻。

 

光の速さで読んで、泣いた。

 

最終巻を読んでいるときはお風呂に浸かりながら、泣いた。

 

涙がお湯におちて、お湯のかさが2cm程あがるほど泣いて、

「涙の入浴剤…」

と呟いたのを覚えています。

 

例えば、
買い物に行って、とてもお気に入りの服を見つけて、あと2,3着適当に選んだ着まわしできそうだなって思った服を買って、

 

数日後気付くとお気に入りで買った服よりも適当に選んだ服の方をよく着ていることってないでしょうか。

例えば、
ビデオレンタルショップに行って、ずっと観たかった超大作映画と、あと適当に選んだお笑いDVDを2,3枚借りて、

 

家に帰って観てるのはお笑いDVDのほう。
超大作の方は、今日は夜遅いし明日朝早いしポップコーンとかも食べながら見たいし、ちょっと今日はしんどいし万全じゃないから
とかいう理由でなんか後回しにしちゃう。

なんか、このメインに食ってかかるサブの力すごいなと感じ始めて。

 

私は、何も考えなくていい楽なほうにエンタメ性を感じるというか。超大作じゃないのに、人に見てもらうパワー秘めててすごいなと。

多分これが冒頭でお話しした「心の逃げ込み先」になり得る作品なのではないかと思います。

失礼な言い方に聞こえるかもしれませんが、この作品は何も考えず、ボーッと読んで、笑って、泣ける最高の作品だと思っています。
 

 

このお話の内容はというと、

 

東村アキコ先生自身の学生時代から大人(漫画家)になるまでを描かれたエッセイ漫画で、絵画教室の日高先生との物語。

 

開始20ページで声出して笑えます。

 

日高先生というパワフルすぎる人間性に笑ったり、怒ったり、泣いたり、ああしておけばよかったなって後悔したり。
なんだか自分の学生時代を見ているようで"若いときの未熟さ"みたいなものを思い知らされる。

 

私自身すごく作者に似ているところがあって、いつも流されて、お調子者で、大事なことを後回しにして後悔ばっかり、みたいな性格で、人一倍共感を得たのもあると思います。
だけど多分、皆さんにも当てはまる心にしまってた若さゆえの過ちみたいなものがふわっと心に浮かんでくるのではないでしょうか。

 

フィクションのようなノンフィクションのお話に引き込まれ、全5巻本当にさくっと読めると思います。
全5巻というボリュームも、丁度いい。

 

難しい頭脳戦の漫画も大好きですが、何も考えずにスラスラ読める漫画がこの世にもっと増えるといいな、と思います。
それと同時に、心が疲れている人もどうか1人でも減りますように。。

 

かくかくしかじか 1 (マーガレットコミックスDIGITAL)
著者:東村アキコ
出版社:集英社
販売日:2014-04-25
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