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原作改変!大いに結構、ラーメンハゲこと《芹沢》が《鈴木京香》になる日『らーめん才遊記』(全11巻)

ラーメンハゲが鈴木京香!?

 


『らーめん才遊記』(著:河合単)がテレビドラマ化した。特に驚きはない、あまりに面白い漫画だから当然かと、ドラマ化がむしろ遅すぎたくらいだ。

 

らーめん才遊記ってどんな漫画?


「らーめん才遊記」について、ざっくり記すと、ラーメン食文化についての認識や、その奥深さ、大衆食ゆえの難しさなど、ラーメンの美味しさが堅苦しくなく、食べるように理解できる読むラーメン漫画なのである。

戦後に広まった「ラーメン≒大衆料理」と思っているひとは、その認識が変わり、確実に転向者になること請け合いである。そんな漫画である。

 

ただ、ドラマ化で驚愕した点が一つだけある。

 

ネット界隈でラーメンハゲと呼ばれる<芹沢達也><鈴木京香>なのだ。

 

芹沢達也とは何か簡単に説明する前に、よくネットでこんな言葉を聞いたことは無いだろうか?

 


「ヤツらはラーメンを食べてるんじゃない。情報を食べてるんだ!」


「いいものなら売れるなどというナイーヴな考え方は捨てろ」


「「金を払う」とは仕事に責任を負わせること、「金を貰う」とは

仕事に責任を追うことだ。金の介在しない仕事は絶対に無責任なものになる。」

 

 

……などなど、刺激の強い言葉だが、しかし同時に重みのある言葉だ。
そんな名言の芹沢とは、ニューウェイブ系ラーメン店の店主であり、フードコーディネーターでもある。

ラーメンや、ラーメン店経営に関しては、鋭利な計算のもとに、現実だけを見つめる超絶なリアリストかつニヒリスト。

性格は不遜にして傲慢、――そして冷徹。スキンヘッドがトレードマーク。

 


しかし物語上では、サブキャラなのだ。しかし主人公を喰ってしまうくらいの魅力があるキャラだ。

 

それって、ガンダムで言うならば…シャア??

 

立ち位置を簡単に言うならば、機動戦士ガンダムで言うならば、「シャア」の立ち位置だ。
 『ラーメン発見伝』ではガンダムのパイロット・アムロを苦しめるライバル・悪役・超えるべき壁として登場し、続編『らーめん才遊記』では、少年カミーユを導く立場のクワトロとして再登場する。シャアと言った意味はここにあるのだ。

 

だが、このシャアは、ガンダムの中では主人公を喰ってしまうほどの存在感があるのだが、いまいちリーダーになりきれなかったり、少女に母性を求めたりと何かとツメが甘い。人間くさいと言ってしまえばそれまでだが、その力に冷徹なまでの精神があれば、ガンダムなんて40周年を迎えられないくらいのあっという間に物語が終わってしまう。それくらい能力を持つ男なのだ。

 

芹沢は同じようなサブキャラだが、シャアと違うのは圧倒的な冷徹さを持っていることだ。

そんな芹沢を――鈴木京香が演じる。
気にならないはずがない!(性別も違うし…、見た目も綺麗になってるし…)

 


だから、見たくなってくる!あの冷徹で傲慢な役回りをどのように演じるか気になる。

 

しかし、この芹沢、ただ不遜で傲慢ではない。これだけネット界隈を騒がすのは、理由がある。それは、非常に現実的で何事にもしっかりと筋がとっているのだ。

 

ラーメン好きとか嫌いとかではなく、仕事をする上で必要なこと。

 


タイトルにも書いた『いいものなら売れるなどというナイーヴな考え方は捨てろ』など、
多くも名言が作中に登場する。
この名言が心に響いたと言うことは、この漫画を大いに受け入れる素地がアナタにあると言うことだ。

 

その素地とは、“ビジネス感覚”だ。

 

マンガで学ぶ○○というビジネス書は多いが、イマイチ?と思ったことがあるだろう。
それは初めにそのビジネス論の「論理」と「結論」ありきで展開されているから、漫画として読ませることができてないのだ。

しかし「らーめん才遊記」は違う。
それは子供が、「マインクラフト」で楽しみながらプログラムを学ぶように、大人の我々は、この「らーめん才遊記」を読むことで、するすると頭に、入ってくるのだ、そして体得する。

 

それもそのはず、主人公 汐見ゆとりの視点は、ビジネス感覚を持った素人のアナタであり、数々の彼女がぶちあたる難題を、上司である芹沢が参謀となり、時にはメンター(先導者)となって、あなたと一緒に考えるからだ。

決して「答え」ありきで漫画が作れているわけではない。

 


そこが、マンガで学ぶビジネス書の違いなのだ。

 

 

だからこそ、アナタの参謀である芹沢が、“名言”といわれるそのセリフを言い放っても、嫌味にならず受け止めることができるのは、ブレることのない芹沢の姿勢なのである。


そこが読者の気持ちを引きつける魅力の一つかもしれない。

 

 


しかし、安心してほしい。

実は、私はこのグルメ漫画を進めておきながら、残念ながらグルメバカではない、ラーメンもやはりそれほど好きでない。


それでも、この漫画は面白いのだ。はっきりいって読んで損はない。

 


試し読み
https://csbs.shogakukan.co.jp/book?book_group_id=6243

以前にレビューしました、『らーめん才遊記』のレビューです。
https://www.manga-news.jp/article/8450/

テレビドラマテレビ東京

https://www.tv-tokyo.co.jp/gyouretu/

 

 

こんな人におすすめ
【ラーメンが好きな人、ラーメン店を経営したい人、ラーメン=大衆食から抜け出せない人、強い個性のキャラが見たい人、論理による攻勢が読みたい人】

 

 

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