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『このマンガがすごい!』オンナ編第2位の怪作『夢中さ、きみに。』にじわりとやられた。

『このマンガがすごい!』オンナ編第2位の怪作

こう毎日毎日コロナウイルスの話題で持ちきりだと、熱もないのにあるような気もしてくる。

 

そんなとき、この漫画を読んだら、なんだか驚くほど癒された。

『このマンガがすごい 2020』オンナ編第2位に輝いた『夢中さ、きみに。』である。

 

そこはかとなくナナメで低体温なギャグに癒される

 

男子高生の日常が、しっとりと描き込まれた絵柄と体温の低いトーンで進んでいくのだが、それがなんだかずっと、そこはかとなくギャグっぽいのである。

 

出てくる男子高生は、いじめっ子もいじめられっ子もいるし、スクールカーストどん底の子が主役のこともあり、なかなかリアルだ。

いや、リアルなようでリアルじゃない。

 

イジメやトラウマなど、けっこうエグい話もあるのだが、まったくもって深刻みがないのである。

 

なんとも個性的なキャラクターたちにより、いつも話が、深刻な問題から、ゆるやかにズレていく。

そのズレが心地いい。

 

とりたててドラマチックな出来事が起こるわけでもなく、きゅんきゅんするラブストーリーも、成長物語もない。

なのに何故か私はこの漫画を、貪るように読んでしまった。

 

いまの日本じゃないけれど、真面目な顔して正論言う人や、報道の過熱に煽られて、ちょっと気分悪くなりそうなときは、こういうナナメな世界観に触れてみるのが一番かもしれない。

あっという間に正気に戻って、免疫力を上げてくれるような気がする。

改めてマンガの素晴らしさって、こういうところだよなあと思う。

 

 

『このマンガがすごい! 2020』オンナ編についての詳細解説はこちら

 

最新マンガ傾向を解説!『このマンガがすごい!2020』がどうすごかったのか★オンナ編

 

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『夢中さ、きみに。』のレビューはこちらも!

 

アカウント名「仮釈放」!?独特すぎるキャラクターから目が離せない『夢中さ、きみに。』

 

夢中さ、きみに。 (ビームコミックス)
著者:和山 やま
出版社:KADOKAWA
販売日:2019-08-10