TOP > マンガ新聞レビュー部 > 『ゆるキャン△』に読む、SNSとコミュニケーション

『ゆるキャン△』に読む、SNSとコミュニケーション

「女子高生」×「キャンプ」の面白み

アニメ、ドラマに展開されている「ゆるキャン△」(あfろ)。

この作品はふたりの主人公がおり、それぞれの視点で描かれることが多い。

 

主人公のひとり、「志摩リン」。中学1年生から約3年間、冬のソロキャンプを敢行しているソロキャンが大好きな少女。

 

もうひとりの主人公が「各務原なでしこ」。他人とのコミュニケーションを大事にする少女。

 

このふたりが出会うところから物語はスタートするが、タイプの違うふたりは別々に行動することが多く、テーマである「キャンプ」も一緒にはなかなか行きません。

 

「SNS」が人間関係を薄くさせるのか?

このふたりを接近させたものが「SNS」だ。

 

作中ではクローズドなグループで会話し、スタンプも多用されており「LINE」のようなものだと思われる。

 

このSNSを通して、遠く離れている互いの心が通い合わせていく。

 

他のマンガでもツールとしてSNSが登場するシーンは増えたが、他愛のない会話の多くをSNS上のチャットで描くマンガは他に類を見ない。

 

こうした「社会あるある」を盛り込むのが「日常マンガ」だが、SNSの描写がより、女子高生のリアリティさを表現している。

 

現代社会ではSNSにより、人間関係が薄くなっていると言われているが、果たしてそうだろうか。

 

私はそうは思わない。

むしろSNSを通すことにより、人間関係は濃密なものとなっているように感じる。

 

核家族化が進み、家族であっても24時間365日一緒にいることは難しい近年。

スマホの普及などにより、ネットワークを通した人間関係はより一般的で重要なものになっていくだろう。

 

「キャンプ」というコミュニケーションツール

近年、空前のキャンプブームと言われている。

これはキャンプ芸人・ヒロシさんなどの活躍もあるだろう。

とはいえ、初心者には敷居が高い。

 

予算は?

どうやってテントを張ったらいいの?

おすすめのキャンプ場は?

などなど……

 

そういった部分を『ゆるキャン△』は丁寧に解説しており、キャンプブームに一役買ったのは間違いないだろう。

 

筆者も4年前から多い時には月3度キャンプに行くなど、なかなかキャンプにはまっている。

キャンプをしたことがある人ならわかると思うが、キャンプはあくまで「ツール」である。

 

キャンプへ行ってなにをするのか。

物思いに浸るもよし。ゲームをするもよし。

「虫がいない。汗かかない。他のキャンパーが少なくて静か。焚き火と温泉が気持ちいい。景色が遠くまでキレイに見える。汁物がうまい。」

冬のキャンプって何がいいの? と聞かれてリンが答えたセリフがこれである。

 

リンとなでしこがキャンプ場で初めて出会ったように、キャンプという「非日常」は、SNSのように新たな人間関係を生むことがある。

こうした「非日常」のコミュニケーションもキャンプの魅力だろう。

 

 

冬がメインだった本作も、最新9巻では伊豆キャンが終わり、季節はそろそろ春。

冬キャンのみ行っていたリンは、これからもキャンプを続けるのか。

これまでグループキャンプがメインだった、なでしこの初ソロキャンは無事成功するのか。

 

ますます盛り上がる、春の『ゆるキャン△』にも注目したい。

 

 

 

無料試し読みはこちら

 

 

ゆるキャン△ 9 (まんがタイムKR フォワードコミックス)
著者:あfろ
出版社:芳文社
販売日:2020-01-10