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ゲーム&異世界で無双とかズルいにもほどがある!『THE KING OF FANTASY 』

異世界転生ものも非常にたくさんの作品がありますが、それゆえに着眼点のセンスが問われる昨今。

 

そこに彗星のごとく現れた小説こそが『THE KING OF FANTASY 八神庵の異世界無双 月を見るたび思い出せ!』でした。

 

今回ご紹介したいのは、そのコミカライズ版(作者:漫画:蒼木雅彦 原作:天河信彦 原作イラスト:おぐらえいすけ(SNK) 監修:SNK)となります。

恐ろしいほどの『THE KING OF FIGHTERS』愛に満ちた本作の魅力をご紹介。

 

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1・KOFとは?八神庵とは?

対戦格闘ゲーム『THE KING OF FIGHTERS』、通称KOFは、90年代後半に爆発的な人気を誇ったシリーズで、現在でも続編が発売され続けています。

 

このKOFは、ゲーム会社SNKの人気キャラクターたちが、作品の垣根を超えて戦う夢のゲームでした。

非常に人気だったため、「THE KING OF FIGHTERS ’94」→「THE KING OF FIGHTERS ’95」というように、毎年発売されていきました。

本作では「THE KING OF FIGHTERS ’97」の直後を舞台としています。

 

さて、最近『大乱闘スマッシュブラザーズ SPECIAL』に参戦し、話題になったテリー・ボガードの登場シリーズである『餓狼伝説』をはじめとして、『龍虎の拳』、『怒』、『サイコソルジャー』といった同社の人気作品が集っているのですが、「本作の主役」とでもいうべきオリジナルキャラクターが草薙京です。

 

この草薙京のライバルキャラクターとして鮮烈な登場を果たしたのが、八神庵でした。

 

当時、誰も見たことのなかった極めて斬新なキャラクターであり、その衝撃たるや、並みのものではありませんでした。

というのも、ユニークな風貌もさることながら、当時の美形キャラと言えば、「無口でクール」、「さわやかナイスガイ」といったものが典型でした。

 

しかし、庵は、「クールでありながら暴力的な言動」であり、そのスタイリッシュな見た目からは想像もつかないほど野生的なアクションの数々に、彼の代名刺ともなる三段笑いを初めとしてキャラが立ちまくっていたため、一大ムーブメントを引き起こします。

 

そんな庵が異世界に転生するのです。

面白くないわけがない。

 

 

’97の庵

ところで、このコミカライズは、1話目にしてKOFファンを納得させました。

 

原作小説においては、気絶していた庵が、

 

「跳ね起きたかと思うと人とは思えない跳躍で飛びおき」

 

という一文があります。

 

これ、格闘ゲームに詳しい方ですとピンと来るかもしれませんが、明らかに起き攻めを警戒した動きです。

 

人とは思えない跳躍、つまり――

リバーサルハイジャンプ

です。

 

しっかり残像まで残しながら後方に大ジャンプするその姿に、

KOFファンは一発で心を掴まれました。

 

ここで説明しておきますと、起き攻めとは、読んで字のごとく、ダウン状態からの起き上がりを攻めることです。

 

リバーサルというのはそれに対抗する手段のことで、リバサと略されます。

要はダウンさせられた後に、また相手の攻撃ターンにならないように打つ手段のことで、起きざまに無敵時間を持つ技を出したり、バックステップでしのいだりします。

 

’97の庵ですと、この後方ハイジャンプがリバサの基本なのですね。

早く飛ばないと、なぜか中段判定の’97七枷社のローキックを食らいかねません。

 

作者の深いにもほどがあるKOF愛が、端的に現れた名シーンでしょう。

 

逆に言えば、たった1コマのジャンプの描写をとっても、これだけ見られているわけですから、恐ろしくもあります。

 

ですが、本作はその恐ろしいまでの期待に次々応えていきます。

 

 

まさに無双

 

そんな庵ですが、表題の通り、異世界で無双していきます。

 

’97だと永久コンボを持っているから……ではなく、この世界では魔法を使うためには光石と呼ばれる魔力源を用意した上で、呪文を詠唱せねば発動できません。

 

しかし、即座に炎が出せるというのも庵の特徴です。

普通の作品であればそれで無双するところでしょう。

本作ではそれに加えて、もっと独特の理由でアドバンテージがあります。

 

この異世界においては、技を使う前に必須の動作があるのです。

具体的に言えば、

格闘ゲームのコマンド入力の動き

です。

 

例えば、ある技が

「→・溜め・←」

という順番にコマンド入力する必要があるとします。

すると、この世界の人間はその通りの動きをしなくては技が出ません

 

つまり、「急に後ずさって力を溜め、それから突進」というルーティーンが必要になるわけです。

 

しかし、庵はそれなしに技を出すことが出来ます

言うなれば、彼だけは1ボタンで技が出せるようなもの

強い。絶対に強い。

 

 

まとめ

 

どうでしょうか?

どんな漫画か、実際に見てみたくなりませんか?

 

本作は純粋に異世界転生ものとしてもよく出来ており、KOFファンでなくても楽しめる作品となっています。

 

まずは、一度読んでみてはいかがでしょうか?

そして、月を見るたびに更新が来てないか、ぜひ思い出してください。

 

 

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