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綺麗でオシャレなお姉さんが無尽蔵の魔力で街を焼き尽くす『魔女と野獣』に刮目!

こんにちは! 東京ネームタンク代表のごとう隼平です。

マンガ文法を広め、マンガ作りをもっと楽しいものにしていくために、マンガスクリプトドクターとしてYoutubeも更新中です。そして最近はクリエイター向けの村「やさしさ創作村」も始めました。

漫画家視点、マンガの制作側から見てオススメの漫画をご紹介して参ります。

今回紹介する漫画は、佐竹幸典先生の
『魔女と野獣』。

当然『美女と野獣』のオマージュですが、内容を見ると素晴らしいタイトルと思います。そのわけもお話ししていきますね!

 

 

令和の魔女はめっちゃおしゃれ!

『魔女と野獣』は強大な魔導の力を持つ魔女を追いかける二人組、棺を担ぐミステリアスな男アシャフと、なんにでも噛み付く狂犬の女の子ギドの物語です。

さてみなさん魔女の漫画と言われて、いまどんな魔女を想像しているでしょうか。街を吹っ飛ばすほどの無尽蔵の魔力を操り……不老不死。こちらです!

 

 

©佐竹幸典/講談社

 

 

めっちゃおしゃれ!!!

とにかく『魔女と野獣』は女性の描かれ方のディティールがすごい。髪型服装、疎い僕が気づくぐらいにすごい。

こんな美しい女性がひたすらド派手な魔法を繰り出すんですから、なんかもう新感覚……ぜひ味わって欲しいです。

魔女だけじゃなくどのキャラクターもファッションの美しさが極まってる……

 

©佐竹幸典/講談社

 

 

 

©佐竹幸典/講談社

 

 

 

©佐竹幸典/講談社

 

 

着てる服も毎回違います!

 

新しい「〇〇像」こそヒットの鍵

東京ネームタンクでもたまにお話ししているのですが、ヒットマンガというのはそれまでの既存概念を覆していくものと感じています。

たとえばいま、海賊と言ったらルフィを思い出すし、忍者と言ったらナルトを思い出すし、死神と言ったらブリーチを、錬金術師と言ったらエドを思い出すのではないでしょうか。

しかし、それらの作品がなかった時代、海賊と言ったら何を思い浮かべたか。

きっと「ひょっこりひょうたん島」的な、「オールをこーげオールをこーげもっとこげ〜。こがなきゃせんちょに怒られる〜ぞ〜」的な海賊だったんじゃないでしょうか。

忍者と言ったら『忍たま乱太郎』や『忍者ハットリくん』のような、「にんにん!身代わりの術でござる!」の忍者だったんじゃないでしょうか。死神と言ったら白いマスクに黒い布。大きな鎌。

 

その価値観はいま挙げた作品たちに駆逐されてしまいました。思い出すのが困難なほどに。

 

昔のマンガの描き方の本には、忍者モノはどうやってもダサいから描かない方がいいとまで書かれていたそうです。

 

その常識を覆す。

新しい忍者像でナルトは世界中の忍者の認識を変えました。いま忍者は「かっこいいもの」ですよね。

 

新しい海賊像、新しい忍者像、新しい死神像、みんながこういうものだろ?って思っている固定概念を覆す。その発想が『魔女と野獣』にもあります。

つまり新しい「魔女像」です。

 

 

そしてその魔女に対抗する力はさらに…

驚くと思います。世紀末的圧倒的パワーでの……

ぐーぱんです。(メリケンサック付き)

 

 

©佐竹幸典/講談社

 

 

©佐竹幸典/講談社

 

 

ぶっ飛ばされる様はぜひ単行本で!一巻無料で読めますよ!


本当にこのバランスはすごい。尊敬です。

 

というのも漫画家ってまずファッションに詳しくなることがすでに難しい職業(偏見)と思っていて、ファッションとか美容院とかに恐怖心を抱いている人も多いんじゃないかと……(僕です)。

 

そしてその上でメリケンサックですよ! このヒャッハーな世界観の両立

 

これも様式美という美の追求なのだと思います。作家の美への探求の深さ。それをひとつの作品に落とし込む手腕。見事としか言えません。

 

細部まで丁寧に作り込まれた美しいお姉さんが、宙にぶっ飛ばされていく様をぜひ読んでみてもらいたいと思います。

 

 

魔女と野獣(1) (ヤングマガジンコミックス)
著者:佐竹幸典
出版社:講談社
販売日:2017-09-20

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