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パラリンピック前に読むべき1冊!ドラマ・映画の続きを描く『パーフェクトワールド』
レビュー執筆者:いづき

ヒューマンドラマ『パーフェクトワールド』

 

有賀リエ先生による、『パーフェクトワールド』の第10巻が発売されました。

 

 

パーフェクトワールド(10) (KC KISS)
著者:有賀 リエ
出版社:講談社
販売日:2019-11-13

 

・映画化に続きドラマ化も

 

映画化されたと思えば、その後すぐにドラマ化もされ、一般層への知名度もかなり高まっている印象のある本作。

 

私もドラマを観ていたのですが、なかなかツボをおさえたキャスティングに加え、菅田将暉による主題歌『まちがいさがし』がやたらと感動的で、結構キュンキュンしつつ泣けるんですよね。ストーリー知ってるのに。良いドラマだったと思います。ただ視聴率は伸び悩んでいたようで……なんででしょう。

 

・車いす生活者との恋

 

さて、まずは知らない方向けにどんなお話か説明すると、高校時代に好きだった同級生と社会人になって再会してみたら、車いす生活者となっていたという物語。いわゆる「障がい者との恋」を描いた物語です。

 

テーマがテーマだけに、社会的メッセージ強めの啓蒙的な作品という先入観を持たれる方もいるかもしれないのですが、読み進めてわかるのは、あくまで「ラブストーリーとして」描こうという作者さんの想い。もちろんそういった側面がゼロだとは言いませんが、「ラブストーリー」なんです、本作は。

 

・切ないというより辛い

 

「好き」だという気持ちや、「きれいごと」だけではどうにもならない、車いす生活者と付き合ってわかる大変さの数々が描かれるわけですが、それがかなりハードモードなんですよ、本作の場合。

 

不慣れゆえの介助疲れであったり、介助される側の後ろめたさだとか、大変さから来る気持ちのすれ違いだとか、そりゃあもう辛さを生み出す要素はそこらじゅうに転がっていて、それをより傷が深くなるように踏んでいくような感じ。「想像できる範囲で一番悪いところ進んでいくよね」感がすごい。

 

もちろんそれを乗り越えた先には感動が待っているのですが、そこに至るまでのプロセスがとにかく重たくて、ヒロインは心神耗弱しがち。決して悲恋というわけではないのですが、まとう雰囲気は重く苦しいものも多く、そういう重たい恋愛ものがお好きな方にはうってつけ。

 

・10巻からは新章突入

 

物語は10巻から新章へと突入しています。隠す必要も無いので書きますが、9巻にて結婚して一区切り。いや正直ここで完結すると思っていたので、続くって聞いてびっくりしたんですよね。で、結婚させてどうするかっていうと、そう、子供です。

 

パートナーが下半身不随の場合、普通には子供が作れないので、いきなり不妊治療からスタート。精子を取り出すのも大変ですし、それを受精させて体に戻すのも大変。

 

もちろん治療費は自腹で、精神的にも金銭的にも体力的にも負担がかかる、いばらの道。またしても困難が待ち受ける道へ進んでいくわけですよ。ここでももちろん”人生ハードモード”はしっかりと発動しており、読んでいても、辛い・辛い・嬉しい・辛いぐらいの分量で物語は推移していきます。

 

この険しい道の先に待つ幸せは、果たしてどんなものなのか。まだまだ重たい展開は続きそうですが、彼らがどんな「パーフェクトワールド」を作り出すのか、絶対に見届けたいので、私はどこまでもついていきます。

 

 

パーフェクトワールド(1) (KC KISS)
無料試し読み
著者:有賀 リエ
出版社:講談社
販売日:2015-02-13

 

 

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