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触れるな危険!!ゾンビ男と聖少女が惹かれ合うラブコメディ『ネクロマンス』
レビュー執筆者:たまごまご

ラブコメディ『ネクロマンス』

好きなのに触れられない。ピュアな2人のファンタジーラブコメディ

 

愛する人に触れることができない……という切なさが描かれる恋愛作品は、距離とかお家柄とかなんらかの障害があるもの。この作品も主役は揺るぎなく愛し合っている2人。ただし触れられない理由は、かなり特殊だ。

 

人間の英雄、シブキ・レイヴン(17)は、魔王との戦いで死んだ。大聖女サフィニア・パステル(15)に告白するつもりだった無念を抱えた彼は、葬儀の日に奇跡の復活を遂げる。彼は意を決してサフィニアに告白、2人はその場で永遠の愛を誓った。

 

すぐさまサフィニアを抱きしめるシブキ。ところが途端に大やけど

 

実はゾンビ化していたシブキ。聖女であるサフィニアの聖属性でダメージを受けるようになってしまったのだ。果たして2人は恋人らしいことができるのか? という寸止めラブコメディ。

 

この作品の魅力は、シブキとサフィニアが何の裏表もなく、まっすぐに相手のことを愛し続けているところだ。一応サフィニア以外にも女の子は登場するし、中にはシブキに迫るものもいる。ところがシブキはサフィニア以外に一切目を向けない。熱血漢な彼は魔王討伐も、サフィニアを守ることも、常に全力だ。

 

サフィニアは聖属性の権化のような少女。あらゆるものを守るために献身的に奉仕している。ただシブキのことになると少し気が抜けるようで、嫉妬したり、甘えたり。質素なものしか持っていない彼女が、シブキの汗拭き用ハンカチだけおしゃれにしているのは、なんとも女の子。彼女もシブキ以外の男性が一切目に入っていない。

 

あまりにも2人の恋愛関係はピュアで、何者にも邪魔されないほど強固。とはいえ2人が背伸びしてかっこつけようとかはせず、等身大で誠実に接し合っているので、バカップル感はほとんどない。ゾンビ化の呪いはかわいそうだが、おかげでより清純なおつきあいが浮き彫りになっている。

 

回が進むにつれて、サフィニアの方がどんどん積極的になる展開はニヤニヤもの。作者・堂本裕貴先生は『りぶねす』で、熱血直球男子を主役に、少年少女のラブコメディを描いていた。純朴な男女の姿はとてもキラキラしていて美しい。

 

今作、2人がイチャイチャできるのはずっと後に持ち越しになりそうだが、そこまでいけないむずがゆさは今だけの宝物。じっくり楽しみたい。

 

 

ネクロマンス(1) (講談社コミックス)
著者:堂本 裕貴
出版社:講談社
販売日:2019-11-15

 

 

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