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【マンガ新聞大賞入作品】『SPY×FAMILY』がなぜ面白いのか整理してみました!

 

今回3年目を迎える「マンガ新聞大賞」授賞式(2020年1月27日 銀座蔦屋書店にて開催)がいよいよ目前に迫ってきました。そこで本日は、授賞式までにおさらいしておきたい『SPY×FAMILY』の魅力をまとめます。

 

『SPY×FAMILY』は、2019年3月25日より『ジャンプ+』にて連載が開始された作品、2020年1月現在第3巻までが発売されています。

 

掲載開始からマンガ新聞でもさっそくに話題になり、レビューが寄せられました。たとえば……

 

①赤の他人が「本物の家族」になっていく過程が面白い(西川裕貴さん)

②最先端の「家族観」が描かれている(ごとう隼平さん)

子育ての難しさを一言で表した深すぎる名ゼリフ(こしのりょうさん)

 

それぞれ「なるほど!」という視点のレビューでした。レビュアーさんごとに『SPY×FAMILY』の面白さを端的に言い当てているので、なぜこの作品がこんなにもウケているかがスッと理解できます。

 

 

父はスパイ、母は殺し屋、娘が超能力者!秘密を隠しあう〈偽りの家族〉が世界の危機に立ち向かう!『SPY×FAMILY』(レビュアー・西川さん)

本作の鍵となる「フォージャー家」の人々は、己の利のために集まった他人で、それぞれが秘密を持っています。

しかし、それを隠しながら「素敵な家族」を演じようとする際に、主に娘のアーニャが原因でボロが出たり、色々なトラブルに巻き込まれたりします。

 

■父:ロイド・フォージャー

幼少時代に味わった辛い戦争体験がきっかけで“子どもが泣かない世界”を作るためにスパイになった彼は、日夜、平和維持のために暗躍してきた。

 

今回は「精神科医・ロイド」という仮面を被って任務の間だけの家族を作るが、個性的な家族の行動が予測できず、挫折しそうになることもある。

観察力・洞察力が優れた人物だが、ヨルとアーニャの正体には全く気づいていない。

 

 

■母:ヨル・フォージャー

職業は「殺し屋」で、コードネーム「いばら姫」。

早くに両親が他界した後、弟を養うために雇用主の命令で殺しの仕事を続けてきた。

 

表の顔は公務員だが、ずっと独り身でいると世間から怪しまれるという理由から、偶然知り合ったロイドと意気投合(利害が一致)したことを機に、ロイドに結婚の提案を持ちかける。

 

殺し屋としての能力は高い人物だが、ロイドとアーニャの正体には気づいておらず、二人が本当の親子だと思っている。

 

 

■娘:アーニャ・フォージャー

ある組織に生み出された「人の心が読める超能力者」で、施設を逃亡して孤児院にいたところにロイドが現れる。

 

超能力でロイドがスパイだと知った彼女は、刺激ある生活を求めてロイドに猛アピールし、見事フォージャー家の子どもになる。

 

その後ロイドがヨルと出会った際、ヨルが殺し屋だということを超能力で知りながらも、面白そうなので二人の仲を応援。

 

結果〈スパイの父〉と〈殺し屋の母〉を手に入れることに成功する。

自分が超能力者であることについては、誰にも秘密にしている。

 

フォ、フォージャー家……なんて素敵な家族(笑)。

 

父と母は「秘密を隠しきれている」と思っているが、じつは娘にはバレており、でも娘も自分の能力がバレると困るので「知らないフリをしている」という、なんとも奇妙な三角関係になっています。

 

さすがのスパイ「黄昏」の計画も、個性的な家族のせいでなかなか思うように事が進まずトラブル続きの日々。

それを家族みんなでドタバタしながら解決していく様子はとても愉快で、話のオチも心温まる内容になっています。

 

赤の他人だった人たちが「本物の家族」になっていく過程……たまらなく面白いですよ。

 

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『進撃の巨人』以来となる「社会的大ヒット」の予感!『SPY×FAMILY』を解説(レビュアー・ごとうさん)

本作は疑似家族を演じる3人の話なのですが、主人公はスパイ、奥さん役は殺し屋です。お互い素性は知りません。
『Mr.&Mrs. スミス』という夫婦の殺し屋を描く映画作品がありましたね。

『SPY×FAMILY』もまるでハリウッドの映画のような、夫婦だけでも十分面白くなりそうな状況です。

 

本作はそれに止まらず、夫婦の子供にも特徴を持たせています。

この夫婦にして、みなさんならどんな子供にするでしょうか。

 

 

©遠藤達哉/集英社

 

 

「心が読めるエスパー!」(……しかも可愛い!)

このバランス感覚は見事だと思います。下手したら作品を崩しかねないですよね。

2人の子供役となるアーニャちゃんが、主張しすぎずも良いアクセントとなり、この作品の魅力を引き立てます。

 

冒頭で『Mr.&Mrs. スミス』の話をしましたが、お互いの殺しの標的になってしまう、というのは今の日本の感覚からすると少しストレス過多かもしれません。

本作のように、むしろお互いが素性を隠しながらも助け合い、共通の敵に挑む、というほうが今っぽく感じます。

 

新たな時代に立ち向かう機運がある今の日本では、「癒し」「応援」「仲間」が求められるからです。

 

そして挑んでいく共通の敵とは何か。
第1巻では伝統校への入学試験を受けにいきます。

敵は伝統校の先生たちです。

 

現代の我々は、どこかで常に過去の価値観に苦しんでいるのではないでしょうか。

多様な価値観が当たり前になりつつも、まだ社会がそれを許容できていない。

古い家族観など、過去での当たり前を強いてくる社会に、現代の人々は少なからずストレスを受けており、その現代感覚こそを、この作品はしっかりと捉えていると思います。

 

主人公たち家族は、考え方が最先端の現代人です。
特技を生かす女性と、子持ちのバツイチと、一体何が悪いんだと。

古い人間たちよ、真に大事なものが見えてないのかと。

 

またその過去側の人間を完全な敵としてでなく、味方にしていく演出もニクいですね!

 

 

©遠藤達哉/集英社

 

 

大ヒットから、さらに社会的なヒットとまでなる作品は、その社会の空気を掴んだものである必要があると思います。

その意味で『SPY×FAMILY』は次の社会的ヒット作品の可能性が十分にある、今から注目しておいて損のない作品ではないでしょうか。

 

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たった一言のセリフでオジサンを虜にした『SPY×FAMILY』(レビュアー・こしのさん)

漫画は読み続けるためにはキャラに感情移入しないと、なかなか読み続けられないもの。

特に今まで距離を置いてたジャンルの漫画になんで私がここまで「ハマってしまった」のか?

いや、女性に一目惚れするように完全に「オチ」てしまったのか?

 

それは、たったひとつのセリフでした。

スパイの主人公が子供を引き取り、親として子育てをするのですがなかなか上手くいかない。

なので参考の育児本を片っ端から読みます。

 

そして一言。

「世の親たちはこんな高難度ミッションをこなしているのか……!」

 

ズッキューーーン!!

 

自分も子育てしてきて、これはリアルに感じてきたこと。子育てって、漫画を描くより難しいかもしれない。

スパイと漫画家の違いはあれど、思う事は同じだね!
共感マックス! がんばれ〈たそがれ〉!!

私はあまり子育てに対して熱心ではなかったのかもしれない、という自責の念もあり、沁み入ったセリフでした。(おっと、ここでも劣等感が!)

 

私個人としては、オペレーションがうまくいくより、アーニャが元気に育ってくれることを切に願う漫画です。

 

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著者:遠藤 達哉
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