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童貞のまま美少女の父に?『たーたん』は「父さん」になれるのか?

28歳の童貞男だった主人公は、ある日、突然「親」になります。
友人が殺人を犯して刑務所に入ることになり、生まれたばかりの赤ん坊を託されたのでした。

 

それから早や15年。
赤ん坊は15歳の美少女に。
そして主人公は童貞のまま43歳になっていました。

 

父一人娘一人の家族。
娘がかわいくてしょうがない主人公は、だんだん女っぽくなる娘のことが心配でなりません。
制服のスカート短すぎるとか、学校の帰りが遅いとか、男友達がいるんじゃないかとか。
ぐちぐち詮索して、娘からキモい!と怒鳴られたり。
思春期の娘と父親の間で、いかにもありそうな日常が描かれていきます。

 

けれど、そこには危うさが潜んでいます。
なぜなら娘は父親が「代理父」であることを知らないから。

(いわゆる養子とはわけが違います)

 

そして、本当の父親が出所するのは、あとわずか一年後。
それまでに告げなければならない。
娘の父親が殺人犯であることを……!!
自分が本当の父ではないことを……!!

 

思春期の娘にドギマギする父「たーたん」

この作品は、一年後に消滅する偽りの「親子」関係をコミカルなタッチで描いた不思議な物語です。
タイトルの『たーたん』は、幼児だった娘が「父さん」と言えなかったのがそのまま定着したもの。
大きくなった娘は、まるで父の正体を知っているかのように主人公を「たーたん」と呼び続けます。
主人公はもちろん娘を愛していますが、それは本当に「親」としての愛なのか?

 

父への気持ちは家族の絆?それとも……

一方で娘のほうも、主人公の「たーたん」をキモイうざいとなじりながら、根っこではしっかりと絆を持っています。
けれどそれは「娘」としての絆なのか?
ここに至って主人公にモテ期が訪れ始め、娘の心の中も揺れ始めます。

 

人間関係に揺れる父と娘

主人公の職場で起きる人間関係。
娘の学校で起きる人間関係。
そして主人公と娘の家庭内人間関係。

 

この3要素で構成されたトライアングルが見事なバランスで、ぐいぐいと物語に引き込まれてしまいます。

 

 

たーたん(1) (フラワーコミックスα)
著者:西炯子
出版社:小学館
販売日:2016-09-09

 

 

現在3巻まで刊行中。

優柔不断だけど人並外れた優しさをもつ主人公。殺人を犯した友人の赤ん坊を誰が育てられますか?

周りに流されずしっかりと自分の意志を持つ娘。

その他、彼らの周りにいるキャラクターもとても魅力的なこの作品。
願わくば、彼ら全員が幸せになる結末になって欲しいです。

 

 

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