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父親とはなにか?血の絆を考える一冊

家族」と一口に言っても色んな関係性があります。

 

今の世の中では血のつながった家族だからと言っても“本当の”家族で起こるとは思えないような事件や、血のつながってない子どや親を傷つけたりすなんていうニュースもたくさん目にします。

 

シングルマザーやシングルファザーの世帯も増えてきていて今では実に二組に一組はひとり親だと聞いたことがあり、本当だろうかと驚いています。

 

親子だからの一言だけですべてが理解できるような時代でもないのですが、なぜ一番身近な集団である家族間でこんなにもすれ違うことが多くなってきたのでしょうか?

 

それが良いことか悪いことかは大いに議論の余地があるところではありますが、今では『血のつながり』よりも『想いの強さ』の方が家族になるには大事な要素なのかもしれません。

 

そして、今回ご紹介する作品にそのヒントがあるのかもしれません。

 

新しいパパがどう見ても凶悪すぎる (コミックエッセイ)
著者:横山 了一
出版社:KADOKAWA
販売日:2019-11-29

 

本作はSNSで公開され大反響を巻き起こした『戦国コミケ』でお馴染みの横山了一センセイの同名作品を単行本化した作品です。

 

シングルマザーのミヤコさんからある日「あってほしい人が居る」と告げられた本作の主人公のリュウ。

そんなリュウの前に現れたのは金髪でイカツい、いかにも~~な見た目をしたトラノスケという名前の男性。

 

そんな見た目のトラノスケに、やっぱりいい印象を抱けなかったリュウでしたが、接してみるとこのトラノスケは実に心優しい青年でした。

 

本当の父親よりも父親らしく接してくる優しさに当初の不安はいつの間にかどこかへ消え去っていました。

何気ない日常から、運動会や参観日など多くの時間を共にして、ちょっとずつどころか、一気に家族らしい家族になっていきました。

 

この作品は全編に渡って『優しさ』で満ちています。家族の幸せってこういうものなんだろうな、こうであるべきだよね、という想いがあふれ出ています。

 

相手の個を尊重して守りながら戦う登場人物たちの優しさは、今の世の中に必要なことを気づかせてくれるかもしれません。

 

人間は往々にして『血のつながり』を大切にするものです。

『血は水よりも濃い』という言葉も有りますし、親子であればそれは容姿や癖などに、強くに、色濃く、表れます。

 

なので、こういう境遇にいる子たちは、生きていくうえで「自分のルーツがどこにあるか」とか自分の身の上に対する疑問や怒り、悩みにぶつかります。もっとも大人側には大人側なりの理由があるわけですが。

 

世の中を見渡すと、それぞれの親子が、悲しい理由で罪を犯したりするニュースが後を絶ちません。

 

だからこそ大切なのはこの作品で描かれているような、暖かさや思いやり、優しさだったりするのではないでしょうか。

 

なにかと不寛容なこの時代にこういった作品がみんなに愛されるのは必然のような気もします。

 

さてそんなちょっと重い雰囲気で語ってしまいましたが、作品自体は非常に緩いテイストで描かれていますの大変読みやすいです。

普段、マンガを読まない方でも楽しめる作品になっていますので、めっちゃオススメです。

 

そしてそんな優しい空間を目指す僕のお店コミックサロン『G.I.F.T.』は年末年始も休まず営業!

そころか年始にはイベントまで開催いたします。皆様もぜひお越しになってくださいね。

 

 

 

 

ちなみに横山センセイの奥様も漫画家の加藤マユミセンセイ。

お二人の馴れ初めや家族エッセイもたくさん出てますのでご一緒にいかがでしょうか?

家族っていいな、ときっと思うはずです。

 

 

戦国コミケ 1 (MFC ジーンピクシブシリーズ)
著者:横山 了一
出版社:KADOKAWA
販売日:2017-08-10
横山さんちの理不尽むすこ (トーチコミックス)
著者:横山了一
出版社:リイド社
販売日:2017-08-10
結婚までの歩みをリレー漫画にしてみました。 (本当にあった笑える話)
著者:横山了一,加藤マユミ
出版社:ぶんか社
販売日:2017-10-10
やせっぽちとふとっちょ
著者:加藤 マユミ
出版社:KADOKAWA
販売日:2019-08-30

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