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【3巻完結】密室ミステリーの傑作!鬼才 ・諸星大二郎の謎解きワールドについていけるか!?

漫画の神様である手塚治虫が称賛し、ファンにはプロの漫画家も多数いるという、不世出の鬼才漫画家「諸星大二郎」。彼の作品は、見ればすぐに「諸星大二郎先生の作品だ」とわかる程の唯一無二で独創的なタッチ。

 

今回は、鬼才 諸星大二郎先生の状況限定(ソリッド・シチュエーション)型サバイバルホラー作品『BOX〜箱の中に何かいる〜』をご紹介します!

 

あなたはこの諸星ワールドについていけるのか!?

 

「ソリッド・シチュエーション」とは

登場人物が密室や未知の空間に閉じ込められ、限定された空間内でのみ動きが取れる状況に置かれること。

その状況から、どのように脱出するかなどを描かれることが多い

 

 

BOX~箱の中に何かいる~(1) (モーニング KC)
著者:諸星 大二郎
出版社:講談社
販売日:2016-11-22

 

 

諸星大二郎が仕掛ける謎解き作品

ある日突然、主人公の元に差出人不明の郵便物が届く。中には寄木細工と入場券が入っており、寄木細工を解いてみると彼の周囲では不思議な現象が起きた。

 

主人公の他にも、性別も年齢も異なる6人の元へ、差出人不明で種類の違う「パズル」と入場券が届く。主人公と6人は、何かに導かれるように奇妙な四角い箱に集まった。そこには興味本位でやってきたという怪しい女も加わる。

 

8人で四角い箱の中に入ると、暗闇から幼い少女が現れ彼らにこう告げる。

 

「出口を開けるには、お客さんたちがパズルを全部解く以外に方法はない」。

 

©Daijiro Morohoshi/講談社

 

 

 

想像を絶する迷宮で、全てのパズルを解かなければ出られない。パニック状態の中で、果たして彼らは脱出できるのか? そして「招待主」は何者なのか?

 

 

鬼才・諸星大二郎が繰り広げる「状況限定型サバイバルホラー作品」に、虜になること間違いなしです!

 

 

パズルを解くと起きる不思議な現象

奇妙な箱の中に閉じ込められた主人公たち。不安を抱く者、パニックを起こす者、冷静にパズルを解く者とさまざまです。その中で、またもや不思議な現象が起きます。

 

それは、「パズルを解くと体の一部に奇妙な現象が起きる」

 

顔が欠けたり体の一部が消えるといった謎の現象ですが、痛みはありません。そして興味本位でやってきた名前をキョウコという女が、「パズルを解くと何かの印がつけられる。それは箱の中にいる怪物に食べられる予約みたいなもの」と言い放ちます。

 

©Daijiro Morohoshi/講談社

 

 

そう、体の一部に起きている奇妙な現象は、怪物をおびき寄せるため。奇妙な箱の中には怪物が潜んでいるのだそうです。キョウコはこのことを知っていながらも、体の一部に起きる奇妙な現象を見たいがために、主人公たちに情報を教えませんでした。

 

 

©Daijiro Morohoshi/講談社

 

 

このキョウコという女、危険な匂いがします……。けれど、参加者の中で状況把握ができているのもキョウコのみ。キョウコがストーリーの鍵を握っていることは、間違いなさそうです。

 

 

『BOX〜箱の中に何かいる〜』のポイント

2019年で70歳となられた諸星大二郎先生。『BOX〜箱の中に何かいる〜』の連載がスタートしたのは約3年前ですので、連載当時のご年齢は67歳です。

 

『BOX〜箱の中に何かいる〜』は、パズルを解く謎解きだけを軸にした作品ではありません。さまざまな名作が取り入れられていたり、LGBTやゴスロリ少女なども扱われています。そして最後は諸星ワールドの定番、不条理劇も。

 

70歳近い大御所の鬼才とイマドキの要素が加わった『BOX〜箱の中に何かいる〜』は、最初から最期まで楽しめる要素で満載です。

 

 

作品は3巻完結で、読み出すと諸星ワールドに飲み込まれるため、あっという間に読み切れちゃいます!

 

モーニングのサイトで第一話が読めますので、ぜひ諸星大二郎が繰り広げる謎解きワールドを体験してみてください!

 

 

BOX~箱の中に何かいる~(1) (モーニング KC)
著者:諸星 大二郎
出版社:講談社
販売日:2016-11-22
BOX~箱の中に何かいる~(2) (モーニング KC)
著者:諸星 大二郎
出版社:講談社
販売日:2017-04-21
BOX~箱の中に何かいる~(3) (モーニングコミックス)
著者:諸星大二郎
出版社:講談社
販売日:2017-10-23

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