TOP > マンガ新聞レビュー部 > オトナの休日の過ごし方を学ぼう『ハヴ・ア・グレイト・サンデー』

さて、休日、何しよう?
金曜日の夜、仕事が終わり、待ちに待った休日がスタート。
けれど、気を抜くと何もせずに終わっていることもしばしばです。
ドラマのイッキ見やYouTubeも楽しいけれど、ふと、たまにこればっかりでいいのかなと思うこと、ないでしょうか。
そんな休日のルーティンを変えたい人におすすめなのが、今回ご紹介する『ハヴ・ア・グレイト・サンデー』です。
「モーニング・ツー」連載作品で、現在第3巻まで出ています。
男性3人の和やかな表紙が目印!(装丁はナルティスの新上ヒロシさん)。
主人公の楽々居(ささい)輪治はニューヨークに住みつつ、日本の出版社から本を出す、少々変わった小説家。
飄々としつつ憎めない、愛すべきおじさまです。
そんな彼が帰国し、亡き父の家に暮らすところから話は始まります。
それなりに売れている小説家らしく、比較的悠々自適の輪治。
そんな彼を慕い、毎週日曜日に家を訪ねるのは息子のマックスと娘婿のヤス。
彼らの日曜日を見ていると、なんだかうらやましくなります。
「やりたいけどなかなか時間が取れない……」ということを、たくさんしているから。
例えば、神保町で本を買い込んだり。
©Natsume Ono/講談社
朝ごはんを作ったり。
©Natsume Ono/講談社
家庭菜園をしたり。
©Natsume Ono/講談社
でも、永遠ではない日曜日
そんな理想の休日を楽しんでいる彼らですが、この日本での暮らしに終わりが来ることが決まっています。
輪治がこの家に暮らすのは一時的なもので、彼の妹が家に戻るまでの「つなぎ」なのです。
また、マックスやヤスも海外赴任でたまたま東京にいるだけで、いずれはニューヨークに戻ります。
三人にとってここは、ホームではない。
だからこそ、この日本の家は彼らにとってかけがえのない場所で、くつろぎながらも、たくさんの思い出を作ろうとします。
極端なドラマはないけれど、大人ならわかる優しさと深みがある。
体に染みわたるマンガです。
豆からコーヒーを淹れて、日曜日に読んだりすると、きっと良い休日が味わえると思います。
オノ先生の展覧会が秋田で開催中です
さて、本書の作者であるオノ・ナツメ先生の展覧会が秋田県の「横手市増田まんが美術館」で開催されています。
筆者は、会期始まってすぐの10月に行ってきました。
新幹線で片道4時間(+電車等)の距離。
行ったその日は、先生のライブドローイング開催日だったので、美しい絵が生まれる瞬間に立ち会うことができました。
しかも、ファンがリクエストしたキャラクターの絵を、全員分描いてくれたのです。
予定では2時間でしたが、実際は3時間で終了。
先生の神対応に感激し通しでした。
展覧会は非常にたくさんの絵が飾られており、この展示だけのお楽しみもあるので、気になる方はぜひ行ってみてください。
常設展もお忘れなく!
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