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戦いを避ける最強女子高生の行動が見ててヤバイ『ゆこさえ戦えば』
レビュー執筆者:たまごまご

ギャグ漫画『ゆこさえ戦えば』

 

最強レベルの力を持った女子高生、戦わない。

 

現代社会の誰も気づかない場所で、生き残りをかけたバトルロイヤルが行われていた。

 

悪魔が選んだ人間には、強力な力が与えられる。生き残った人間はどんな願いでも一つだけ叶える権利が与えられる。だから悪魔と組んだ人間たちは、全力で戦い、殺し合う。

 

ところがギギラ・キングレイが組んだ女子高生、新王子(しんおうじ)ゆこは、全く戦わない。

 

「そうなんだ…でもわたしはいいや…授業とかあるし…」

 

かくして、ゆこは悪魔&宿主たちとの戦いに、巻き込まれない日々を送り始める。

 

ゆこの興味の無さが徹底していて面白い。学校の勉強や家事で忙しい彼女、日常を暮らすことが最優先。家に訪れた悪魔のギギラもペットのようなもので、すんなり受け入れて毛をもふもふしている。次第に愛着がわいてきて、みんなに見てほしいと願うほど(見えないけど)。

 

これだけだとゆこはあっさり殺されそうだが、実は攻撃も防御も桁違いの力の持ち主。ちょっと手のひらを向けた程度で地面をえぐり木々を吹き飛ばすほどの獄炎を吹き出し、襲ってきた悪魔&宿主をKOするほど。

 

漫画の中で、力を持ちつつもそれを表に出さないキャラクターは、魅力的なことが多い。それだけ欲がなく、あらゆるものに振り回されない安定感があるからだ。序盤はネタキャラなゆこだが、読みすすめるに彼女の魅力に色々な人・悪魔が惹かれていく様子が描かれていく。

 

彼女の「普通に生きる」ブレなさは、誰よりも芯が通っていて、強い。

 

一巻後半で、力の強さの仕組みについて語られるシーンがある。「欲望の強さ」にエネルギーは比例するらしい。化け物じみた強さを持つ彼女なら、なにか強い欲望があるはずだが、そんなそぶりが全く見えない。

 

おそらくここが、作品の軸になっていくのだろう。そもそも人間の欲とはなんなのか。守りたい、奪いたい、手に入れたいなど色々あるが、それだけが欲とは限らない。

 

ゆこが自らのために戦うことは今後も多分ないだろう。しかし悪魔が絡んでいる上に、彼女の命を狙ってくる人間も多いハズ。そこをゆこがどう受け止めていくのか、あるいはひらりとかわし続けるのか、楽しみな作品だ。

 

ゆこのガチバトルも見てみたい気がするが、彼女の力だと地球なくなりそうなんだよなあ…。

 

 

ゆこさえ戦えば (1) (少年サンデーコミックス)
著者:福井 セイ
出版社:小学館
販売日:2019-09-18

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