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見た目は少女、中身はオヤジ←このキャッチに騙された!予測ができない『おっさんが小学生』を読もう
レビュー執筆者:たまごまご

コメディ漫画『おっさんが小学生』

 

小学生女児になったおじさんは、とっても魅力的

 

42歳のおじさんが小学生女子になったら……という4ページ漫画がTwitter上でバズり、連載になったのがこの作品。

 

 

元になっている4ページ漫画の面白さは、いい意味でのおじさん臭さにあった。幼い女の子が物事を冷静に考え、理屈をこねる様子は、ギャップがあってとてもかわいらしい。

 

佐藤真純、42歳。外資系企業の営業課長。朝起きた時に、小学五年生の少女・ますみになっていた。おかしいと思いつつも、知らない子どもたちを「友達」と認識し、きちんと学校に通い、当たり前のように会話できる。最初は「明晰夢」だと思った。

 

ところが目覚めない。年を調べると、2009年。2018年にいたはずの真純が9年前に移動し、10歳の「ますみ」になっている。状況を打破するために考え始めるもなんの手がかりもないため、まずは学校生活をつつがなく送ることに集中しはじめる。

 

校長先生の話を聞いていたますみ(真純)。彼女(彼)は会社員として話術になれているだけあって、どうしても気になる部分が出てくる。話が長すぎて集中できない、炎天下の元だと子供の体力が持たない。

 

そこでますみは、校長室に行って直談判した。ここは社会人経験があるため、論理的。効果的な時間の長さ、話の緩急などをプレゼン。校長先生もこれにはにっこり。

 

その他にも、困っているダンス部の友達のピンチを救ったり、英語の先生の補助をしたりと、42歳の視点でつい手を出して助けてしまう。毎回理にかなった行動ばかり。その後クラスメイトの子たちに認められるなど、小学生のますみの環境もよくなっていくので、どれもこれもが見ていて清々しい

 

ますみの生活が充実すればするほど、真純の生活が謎めいてくる。彼女が、2009年の真純を探しに行ってから、話は急展開を迎える。ここからはタイムパラドックスものの要素がぐっと増してくる。

 

年齢逆行して子供になった大人が、幼い頃できなかったことをこなす、という作品形式は、異世界転生・転移ものと本質は似ている部分がある。ただ子供環境に馴染むほどに、現実の自分の生き方を突きつけられてしまうという部分の比重が大きくなる。

 

この作品でのキモは、元のおじさんがいつも一生懸命、人のために動ける人間だ、という部分。自分の欲のためにどうこうすることはほとんどない。

 

ただあまりにも真面目すぎて、逆に不安になる。会社員だった頃は仕事に追われ続けていた。子供の状態でも好きなことを探してやる様子がない。せめて技術を生かして自分が得するように動くくらいの余裕が見たいが、彼の性格ではできないのだろう。

 

そここそが、四角四面に生きてきた彼の融通のきかなさでもあるのを思い知らされる。

 

「疲れ切った自分(大人の真純)を見て 果たして私(10歳のますみになった真純)は なにを思うのだろう?」

 

少女がかわいければかわいいほど、おじさんのブルースがひときわ目立つ。全体的に読後の感触がよいので、疲れた大人に是非オススメしたい作品だ。

 

 

おっさんが小学生 1 (MFC)
著者:ぐんたお
出版社:KADOKAWA
販売日:2019-09-20

 

 

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