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これ一冊でお酒の美味しさが数倍に!?読んだらすぐにでも酒が飲みたくなるグルメ漫画『白熱日本酒教室』
レビュー執筆者:miyamo

 

グルメ漫画『白熱日本酒教室』

 

本日のピックアップは「ツイ4」で配信中のこちら。

 

通称・むむ先生こと杉村啓氏による同タイトルの新書をもとに、楽しくかつ多角的に日本酒への学びを得られる入門マンガ『白熱日本酒教室』だ。

 

原作者の杉村氏といえば、かの『醤油手帖』で注目を集め、さらに各メディアでの執筆活動や単著『グルメ漫画50年史』などにより着実に成果を積み上げ続けている料理マンガ研究のすごいひと。そして元の本で幕間マンガを担当したアザミユウコ氏がそのまま描いているので、持ち味を崩すことなくマンガになった『白熱日本酒教室』に親しめる作品になっている。

 

マンガでは、だぶだぶに余った萌え袖がかわいい少女キャラ化した「むむ先生」が、初心者である着物っ子「助手」ちゃんの疑問に答えたり、読者へおすすめのお酒を紹介しつつ講座をステップアップしていくのだが、「日本酒とはどういうものか」という一つのお題に対してこんなにも切り口がたくさんあるのか! とトピックの豊富さにまず驚かされる。

 

日本酒の定義を酒税法に求めると、米・米こうじ・水から発酵させて濾したもので、アルコールが1%以上22%未満の飲み物ということになるが、逆にいうとその定義を満たせばいろいろな形や味をとっていいということでもある。スペイン料理に合う日本酒、チーズに合う日本酒、ロゼワインのような色と甘い酸味が特徴の日本酒、“甘くてシュワシュワ”したスパークリング日本酒など、旧来の武骨なイメージに縛られない“日本酒の今”をかいまみるに「へえ〜」と感心しきりだ。

 

そこからさらに、

 

お酒を生み出す発酵とはどういうものか? お米を糖に換えるこうじの働きは?
全国に1500近くもある酒蔵と無数の銘柄のなか、例えば居酒屋でおいしい日本酒に出会うため注意したいことは?
吟醸とか純米とか名前についてるのは何?
酒蔵ではどんな作業をしているの?
悪酔いしない、身体にやさしいお酒の飲み方ってどうすればいいの? アルコールの量や分解時間の計算のしかたは?
お酒の“正しい”注ぎ方が話題になったけど実際どうなの?
デパートのお酒売り場での選びかたは? 有名銘柄が欲しいときにどんな情報を集めればいい?

 

……などなど、法律・微生物学・化学・環学境・医学・マナー・商業流通その他さまざまな方面が、「日本酒」という存在につながる様相がさらさらと易しく説明されるさまは、エキサイティングですらある。

 

これにより読者は知識ゼロから読み始めても日本酒の大枠をつかめ、結果として「自分の好きな日本酒を探せる人になる」という境地へひとまずたどりつけるという寸法だ。

 

いったん本作を読めば、日常のあちこちで見かけるお酒の見え方、奥行きのようなものがきっと今まで以上に鮮やかに感じられることだろう。

 

 

白熱日本酒教室 1 (星海社COMICS)
著者:アザミ ユウコ
出版社:講談社

 

 

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