TOP > 恋愛・ラブコメ > 週間レビューランキング!(10/21~10/27)第1位はマンガ文法の視点から魅力を解説!空前絶後のヒット作『鬼滅の刃』を今読もう!

みなさん、こんにちは。マンガ新聞編集部です。
本日も先週(10/21~10/27)の間で最も読まれたTOP3記事を抜粋してお届けいたします!
今回はどの作品も新しく、フレッシュな顔ぶれで構成されたランキングとなりました。
それでは早速参りましょう。今回のTOP3はこちら!
第1位:『ワンピース』に迫る売れ行きなのに誰も説明できない『鬼滅の刃』の魅力を解説!
こんにちは!東京ネームタンク代表のごとう隼平です。
マンガ文法を広め、マンガ作りをもっと楽しいものにしていくために、マンガスクリプトドクターとしてYoutubeも更新中です。漫画家視点、マンガの制作側から見てオススメの漫画をご紹介して参ります。
今回ご紹介するマンガは……
『鬼滅の刃』
今もっとも注目の作品と言ってもいいかもしれない『鬼滅の刃』……週刊少年ジャンプの作品ですね。
単行本はこの記事執筆時で17巻まで出ています。アニメ化とともに?人気に火がつき書店では品切れ続出、入手困難になってます。『ワンピース』に迫る勢い、というとそのすごさが伝わるでしょうか。最新の売上は肉薄しているようです。
どんな話かとざっくり紹介すると、と言ってこれがとても難しく、ざっくり紹介しにくいのです。
大正時代、妹が鬼となってしまった少年の活躍を描いていく物語……
と言っても全然面白さが伝わりませんよね……
そうなんです分かりやすくキャッチーな企画の魅力で売っていく作品ではありません。「面白いから騙されたと思って読んでみて!」とお願いしたくなる系の渋い魅力を持った作品です!
・多くの人がジャンプっぽくないという…その実これこそジャンプという作品
『鬼滅の刃』を語る多くの人が「ジャンプっぽくない作品」と言います。
その理由はあとでも触れたいのですが、僕自身はこれほどジャンプらしい作品ないな……と思いながら読んでいました。
具体的にどのあたりかと言うと、
『ドラゴンボール』にも通じる、実在感のある敵の作り方と、テンポの良さ。
『ドラゴンボール』の特徴は、敵が遥かに格上の強さを持ち、かつ「実在感」があることだと思ってます。これはとても難しく、なぜなら敵を強くするということは、反比例してリアリティが失われがちだからです。『鬼滅の刃』の敵である鬼も、人間ではおおよそ勝てない遥かに格上として描かれています。その上で本当にそこにいるかのような実在感があり「こんなやつにどう勝てばいいんだ……」と読者に心底からの怯えを与えます。
また出し惜しみせずどんどん出来事を進めていく、次々状況が変わるテンポ感。展開が遅い漫画が多い中、すでに最終局面に入ろうとしているこのテンポは16巻くらいでサイヤ人編に突入していた『ドラゴンボール』を思い出しました。
また、
『ワンピース』にも通じる感情の振り幅。
『ワンピース』の特徴は、その他の作品に比べさまざまな感情が入っていることだと思ってます。とくに「マンガ技術研究会」で一緒に研究している富川三航さんによる分析から(※note記事参照)『ワンピース』は他の漫画に比べて「悲しさ」の感情が多く入っていることが分かってます。
『鬼滅の刃』でも「切なさ」「悲しさ」という要素によって読者の心を揺さぶっているのは間違いありません。しかもこれは、きっと『ワンピース』以上にコンスタントに。ワンピースに迫る理由が分かります。
※note: 売れてるマンガの分析(PC閲覧推奨) 無料部分
※note: 売れてるマンガの分析(PC閲覧推奨)
他にも多くは語りませんが、
・『BLEACH』にも通じる、魅力的な隊長のいる部隊の良さ。
・『ジョジョ』にも通じる、吉良吉影的なラスボスの魅力。
・うすた京介先生作品にも通じる、シュールギャグ。
・『HUNTER×HUNTER』にも通じる、系統に分かれるのオーラ(呼吸)の概念。
など「ジャンプってこういう感じ!」というのがふんだんに入っていると感じます。
そしてなによりも、みんなが知っている少年ジャンプの哲学「友情・努力・勝利」であること。
この3つが完璧に揃い、魅力となっている作品は実は珍しいのではないでしょうか。
現在、飛ぶ鳥を落とす勢いで売れに売れ続けている『鬼滅の刃』。
様々なジャンプ作品の良さが一つにギュッと凝縮された感じで、非常に興味深いですよね。
「ちょっと、時代に乗り遅れちゃったかも…」と後悔している方、これを機に読んでみませんか?
きっと、読んだらそんな悩みも忘れて読みふけってしまうこと間違いなしです!
第2位:これぞ『バガボンド』を継ぐ傑作! 夢を持てぬ人よ、『阿・吽』を読んで「犀の角のようにただ独り歩め」!
・俺は強いのか?
平成にその名を刻みつけた名作『バガボンド』。
主人公・宮本武蔵はこの答えを追い求めた。
ときに嘆き、ときに問いながら、強敵と闘い続けた。
しかし、結論が出ることはなく、気がつけば令和を迎えてしまった。
見えない地平を追い求め、生涯をかけられる情熱を持った人の物語。
僕はそういう作品を当時読みたかったのだろう。
今となっては、自分が重ね合わせている物語は、目の前のことに一生懸命頑張るものばかりになっている。
でも、それじゃ満足できない自分がいる。
今の自分にピッタリとハマるものよりは、成し遂げられない何かを求める夢物語を読みたい。
そんなとき、この作品に出逢った。
もし、この瞬間、問われてもやりたいことが思い浮かばないのなら
もし、今なお理想とか目標が見つからないのなら
いっそのこと、途方も無く大きな夢を持ってみたらどうだろうか?
尻込みするその神経をねじ切ってしまうほどの衝撃と、どん引きするほどの熱量に触れたら、きっとアナタの心は動き出す。
『阿・吽』はそんな異次元へ読者を誘う革命的作品だ。
『阿・吽』の舞台は平安時代の少し前。
主人公は最澄と空海。
日本の仏教に革命をもたらした二人の青春物語だ。
個人的な意見ですが、歴史を扱った漫画の良さは学校では教わらない偉人たちのアツい生き様を画を通してしれることだと思います。
オリジナル記事の方では、ここではお伝えしきれなかった『阿・吽』の魅力が画像とともに紹介されておりますよ!
読んだら心を鷲掴みにされること間違いなしなので、ぜひ読んでみてください!
第3位:二人の時間は“それなり”くらいがちょうどいい?『ふたり明日もそれなりに』
――以下、レビュー本文より転載
突然ですが、皆さんは“同棲”ってしたことありますか?
恥ずかしい自分語りをするのなら、僕は実は有ります。
いやー思い返すとなんか照れくさくなりますね。
同棲って恋人たちにはとても大切な時間の反面、親御さんなんかは心配だったりしますよね。理解ある方々でよかった。
今回はそんな“同棲”をテーマにした物語のご紹介。
物語の主人公である優弥(25)と里央(28)は付き合い始めてから1年と3カ月目に
同棲を始めます。
物語の冒頭は優弥が里央に同棲を申し込むところから始まります。
社会人の二人はどこにでも見かけるような、よくいる普通のカップル。
物語の中で大きな事件が起きるわけでも、事件に巻き込まれるわけでもありませんし、異世界に転生したりもせず、二人の仕事場やおうちがほとんどの舞台です。
©すずゆき/新潮社
©すずゆき/新潮社
そんな普通の二人の普通の日常を切り取ったタイトル通りの『それなり』の日々に、読む側は癒されます。
プリンを食べた、食べてない、から始まるケンカも(あるある)。
知らない誰かに嫉妬をしたり(わかる)。
不意に姿が見えなかったりして猛烈に不安になったり(泣きそうになるよね)。
……みたいな同棲を経験したことがある人達には刺さるかもしれない、あるあるエピソードを中心に二人の生活が描かれます。
この作品の魅力は優弥と里央の距離感が丁度良い、その一言に尽きるのではないでしょうか。
過度にイチャイチャしすぎず、かといって終わりがもうすぐ見えそうな冷え切った関係でもない。そんな二人の関係が読んでいて非常に心地良いです。
今月、第1巻が発売されたばかりなので読み始めるなら今がチャンス!
みなさんも優弥と里央の同棲生活に癒されてみませんか?
* * * * *
いかがでしたか。以上が2019年10月21日から10月27日の間で最も多く読まれた記事になります。
ダークファンタジーから歴史もの、そしてまったりとしたラブコメ作品など多種多様なジャンルの作品がランクインしましたね。
読みたいと思うような作品はありましたか?どの作品もとても魅力的な作品なので、これを機にぜひトライしてみてください!
来週はどんな作品がランクインするのか。
次回まで乞うご期待ください!
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