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荒木飛呂彦先生の制作スタジオに潜入したDVD付き書籍『ジャンプ流』がファンサービス最高!

皆さんは『ジョジョの奇妙な冒険』荒木飛呂彦先生の職場がどうなっているかご覧になったことはありますでしょうか。

また、ペン先が走るのを間近で見たことはございますでしょうか。

 

インタビューの動画など、あるっちゃあるものなんですが、たまーにジョジョ好きの方でジョジョイベントに出歩かれている熱心な方にも意外と知られていなかったりするので、これは記事にしなくては、と今回取り上げますのが、『ジャンプ流!DVD付分冊マンガ講座(25) 』です。

 

かつて『ジャンプ流』という伝説のマンガ講座雑誌が集英社にありまして。

毎号、ジャンプのレジェンド漫画家の特集となっていて、鳥山明先生をはじめとして尾田栄一郎先生秋本治先生など名だたる方々を取り上げたシリーズで。

これがなんとDVD付きの書籍で、ドローイング技術から考え方、制作現場の濃ゆい取材までみっちりと入っている豪華な仕様でして。

 

ちなみに荒木飛呂彦先生が最終号を飾りました。

 

DVDの内容は、たっぷり98

『ジョジョリオン』のネームから下書き、ペン入れなどインタビューをまじえながらじっくりと見せていきます。

ネームの時点からなにか彫刻のデザインを見ているような美しさでもう杯がすすみます。

 

「キャラはシルエットがかぶらないようにしている」など、漫画芸術な格言の連続にたまらない心地になります。

 

なかでも1話分の構成が、「自分は週刊少年ジャンプの19ページに合わない」という話が面白く、「自然に21ページになる」という内容を説明するときの先生の言い回しがすごいんです。

 

DNAは多分21です。人間の。なんか宇宙の法則で決まっているような気がする。心拍数とかそういうのも関係がある気がする。」

 

いやー。鳥肌もんです。もうジョジョ内の作中人物が話しているような。

おそらく荒木先生の考え事の仕方自体がアートなのでしょうね。

 

ドローイングを見せた後には、制作スタジオ内をカメラが練り歩きまして、玄関やらキッチンやらアシスタントの皆さんの姿までばっしばっし見せてくれます。

 

すごいですね。このファンサービスっぷりは。

 

文具、原稿、トーン、資料などあますことなく見せてくれます。

本棚に『AKIRA』と『ドラゴンボール』が並んでいるのも印象的で。

 

そしてご本人の作業デスクなのですが引き出しからなにから本当に味わい深く。

作業デスクの右手側にセクシーなピンナップ(カレンダー?)が貼られているのですが、なにかそれを見て「荒木先生、その場所にそういうの貼るの格好いいな! 真似したいな!」と。

 

こんな濃ゆいDVDを見てしまったらもう、全巻再鑑賞するしかないです。

1コマ1コマにかけられた手間と構図への想いなど、速読してしまってはもったいない気持ちになります。

 

ちなみにこの『ジャンプ流』。

2016年末に発売されまして、当時の価格で本体1,290円+消費税でした。

3,000円以上でも納得の充実さなのですが、本当にどすごいファンサービス書籍でした。

 

ぜひ『ジャンプ流』がもう一度始まったら、と期待してしまいます。

Boichi先生の『ジャンプ流』とかすごく見てみたいです。

 

 

 

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