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私のママは世界一!魔力なんて必要ない。悪魔が苦労したママになるための○○とは?『あくまのまま』から学ぶ理想の家族像
レビュー執筆者:たまごまご

 

家族コメディ漫画『あくまのまま』

 

上級悪魔(男)、人間のママになる

 

「悪魔」といえば、強大な力を引き換えに、契約のしがらみで人の心を弄ぶ、人間にとって恐怖の存在というイメージが本来だったはず。ところが最近は、愛すべきへっぽこな悪魔のかわいさを描く作品がもりもり増えている。むしろ最近はへっぽこな悪魔のほうが多いかも?

 

この作品の悪魔セーレは、召喚した主の願いをなんでも叶えられる強力な悪魔。国を滅ぼしたことも多々ある。彼が今回呼び出されたのは、日本の小学生の女の子。彼女の願いはセーレにとって初体験のもの。

 

桜「ママになってください!!」

 

強大な力を持つセーレもこれには拍子抜け。しかし桜の母親は早くして死んでおり、彼女は「ママ」を知らないことを察する。

 

セーレ「私も察しが悪いな…確かに……悪魔に願うほど 切実で重すぎる願いだ」

 

かくして、セーレは家事を行い、桜に寄り添い、「ママ」になる決意をする。セーレは本当に有能な悪魔なので、家事全般は魔力でなんだってこなせてしまう。ただ、それを桜は求めていない、というのが作品のポイントだ。

 

桜の母親は生まれてすぐ死んだため、彼女はそもそも「ママ」がどんなものか知らない。なので彼女の言う「ママになってください」は、母親の姿を見たいとか、家事をやってほしいとかではない。母親と一緒にやりたかった、したかったことを叶えてほしい、というスキンシップの渇望だ。

 

セーレは有能な悪魔だが、日本の文化についてはあまり詳しくない。なんでもできるので、詳しくなる必要もぶっちゃけない。けれども桜が日本の家族の母親像を求めるため、魔力は封印して生活。こうなると一般的成人よりも何も出来ないへっぽこな存在になってしまう。

 

だが彼はとても謙虚だ。セーレが現代日本でできないことが多く凹んでいた時、桜はノートとペンを嬉しそうに渡してくる。

 

桜「それに書いとけば忘れても見直せばいいでしょ おきにいりのノートだからね!! 大事にして!!」

 

セーレは能力が高いので、ノートなんていらないはず。そういうことじゃないのだ。自分があげたノートを使ってほしい、一緒に家族として暮らしてほしい、というのが彼女の願い。セーレはもらったノートに、丁寧にメモを取る。

 

悪魔と人間を比べたら、そりゃあ悪魔が強いだろう。けれども人間の母親は悪魔にできないことを沢山やっている。家族の気持ちを察し、家族の輪を守り、子どもたちを教育して喜ばせる。

 

家族なので当然、父親も出てくる。桜の兄も出てくる。セーレを母親と認めるのは無理がありすぎるものの、熱心に母になろうとする彼と接するうちに、次第に打ち解けていく様子は、かなり大変そうだが、努力する姿は心打つものがある

 

悪魔はすごい。でも母親も同じくらい、すごい。今日はちょっと、親孝行しようかな。

 

 

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著者:くずしろ
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