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ズボラな人間が最強説?『めんどくさがり男子が朝起きたら女の子になっていた話』から学ぶ性転換した時の対処法
レビュー執筆者:たまごまご

 

TSFギャグ漫画『めんどくさがり男子が朝起きたら女の子になっていた話』

 

・ズボラな「朝おん」先輩は、性転換もののお約束をぶっちぎる

 

性転換ものは今やマンガの一大ジャンルの一つ。

 

アルファベットでは「TS(Trans Sexual)」または「TSF(Trans Sexual Fiction)」と呼ばれている。肉体の変化、入れ替わり、異性への憑依など様々なバリエーションもあり、一般アダルト共にかなりの作品が輩出されている。

 

『めんどくさがり男子が朝起きたら女の子になっていた話』は、TSFの肉体変化もの。高校二年生の男子・早坂のルームメイト、安田先輩が朝起きたら女の子になっていたところからはじまる。

 

早坂の反応は、当然のことながら仰天。はやく男に戻さなければ、と焦ってしまう。ところが安田先輩の反応は雑だ。極端に面倒くさがりな彼(彼女?)。元に戻るための努力や模索すらも面倒くさい。

 

「俺って生きてて一番幸せ感じるのって寝る時なんだよね…それって男だろうが女だろうが出来る事だし…」

 

この作品のキモになっているのは、安田先輩のクラスメイト、杉村の存在だ。彼は性転換作品オタク。TSものの王道とも言える「朝おん」(※朝起きたら女の子になっていた、という意味。これもTSF用語)を目の前にして大興奮。ものすごい勢いでTSあるあるを語り始める。

 

彼が「TS作品」の魅力を、安田先輩の行動に重ね合わせながら語ることで、メタ構造がうまれている。たとえば早坂は、一応安田先輩を女性として意識してしまっており、ドギマギしている。

 

杉村は「『いきなり女の子になったあいつに戸惑う男子』…これもTSモノの醍醐味なんだよね…」といいながら、慌てふためく早坂をニヤニヤして眺めている。

 

しかし安田先輩は、杉村の考える定番をことごとく裏切る。たとえば初めて女子制服を着た時、安田先輩は「スカートって楽だな」と雑な感想を述べた。

 

それに対し杉村は「初めてのスカートに戸惑い恥じらう…そこがTSっ娘の可愛いところなのに!!」「『スースーして落ち着かないよ…』とか言ってほしいんだよこちらとしては!!」と嘆き悲しむ。

 

知ったこっちゃない発言ではあるが、TSものが好きな読者ならこの感覚は理解できると思う。TSものの醍醐味は「恥じらい」「困惑」「男女の性差表現」等にあることが多い。

 

けれどもこの作品ではそれらの要素は、安田先輩がズボラなせいでほぼ皆無だ。本気で焦ったのは現時点で一回くらい。恥じらいはゼロ。では安田先輩はかわいくないのかというと、そんなことはない。

 

安田先輩は作中の多くの人に、愛されるまでいかなくとも、好かれている方だ。マイペースで、いい方向にも悪い方向にもブレない。作中のキャラでメンタルは一番タフ。男も女も関係ない。そういう人間は魅力的だし、見ていて楽しいものなのだ。

 

 

 

 

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