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ルイ王朝を滅ぼしかねないスタイリスト『傾国の仕立て屋 ローズ・ベルタン』

ローズ・ベルタンという人物をご存じだろうか。

フランス史におけるファッションアイコン、マリー・アントワネット。

そのスタイリスト的な役割を果たしていたことで知られる女性である。

本書を書店で見つけて、私は久々に「やられた!」と頭を抱え込んだ。
私はこの人物を漫画のネタにしようと以前からリサーチを重ね、向いている作家を探している最中だったのだ。

 

 

©磯見仁月/新潮社

 

しかしこの漫画は面白い。

育ちにも大して恵まれず、また美貌だったわけでもないローズ・ベルタンがいかにして成功を手にしたのか、その軌跡が歴史的な背景のうえに描かれていく。

 

ベルタンに関しては、細かなエピードを記録した文献も限られていることから、おそらくは作者による創作も交えられていることと思う。

この時代の女性が仕事で成功することはいかに難しいことだったろうか。

 

 

©磯見仁月/新潮社

 

©磯見仁月/新潮社

 

 

それにしても、横行する差別を跳ね返しながら、数限られたチャンスを確実にものにしていくベルタンの物語は、とても痛快だ。

伝記の要素も含みながら、古き良き少年漫画のような読み応えがある。

 

©磯見仁月/新潮社

 

一方で、革新的なベルタンをこれから起用するマリー・アントワネットの先進性、フラットさの描かれ方も期待している。

 

©磯見仁月/新潮社

 

 

自然に囲まれて、天真爛漫に育ったオーストリアの姫君がベルタンと出会い、いかにしてファッションリーダーになるのか。

現在、月刊コミックバンチで連載中のこの作品、来年早春には第2巻が発売されるということで、今から続きをとても楽しみにしている。

 

 

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