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これはSFじゃない!作家がテレるほどにエモい物語『アイとアイザワ』(全2巻)

『アイとアイザワ』は、すごくエモい作品だ。

 

原作は『左ききのエレン』のかっぴー。さらに漫画は『東京トイボックス』のうめだ。

エモくないはずがない。

 

でも、おそらく、『アイとアイザワ』を読んだ多くの人は、エモいという感想を持たなかったのではないか。

AIをテーマにしたSFマンガと思った人が多いと思う。

 

しかし、それは見かけの姿だ。

僕は、『左ききのエレン』、『東京トイボックス』以上にエモい、と感じた。

二人の今までのどんな作品よりもエモいから、直接的に描かず、SFをフレーバーに使っている。

 

漫画家や小説家はなぜ物語を紡ぐのだろうか。

主人公のアイは、孤独だ。彼女は、自分が感じていることを周りと共有することができない。

本の中だけに自分の世界を見つけることができる。

孤独なアイは、物語を書くことでしか、孤独を癒し、他者とつながることができない。

 

かっぴーとうめは、物語を書くことで、自分たちは孤独を癒し、他者と繋がれている。そうしていかないと、自分たちは生きていけないのだという切実な告白を『アイとアイザワ』を通じて行なっている。

 

この物語の核は、プロローグですでに描かれている。

 

©kappy2018/UME2018

 

 

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「あの子、今も幼稚園でひとりぼっちなんです。……

……いつかアイのことちゃんとわかってくれる人が現れるから」

 

そして、物語の最後でなぜ、アイが小説を書くのかが描かれる。プロローグで予見していた唯一のわかってくれる存在、その存在とのコミュニケーションも物語を通してアイは行うのだ。

 

『アイとアイザワ』を難解な物語だと思う人もいるだろう。

かっぴーとうめが、描きたかったのは、AIによる未来ではない。

二人の知識を持ってすれば、情報をわかりやすくすることもできただろう。この情報の過剰さは、二人の照れがくしなのだ。

 

かっぴー、うめ。

この二人を好きな読者は、ぜひ、じっくりと何度もこの作品を読み返してほしい。

中二病に今でもがっつりかかっている繊細な作家の本音が浮かび上がってくるはずだ。

 

 

 

アイとアイザワ(1)
著者:かっぴー
出版社:ナンバーナイン
販売日:2018-09-14
アイとアイザワ(2)
著者:かっぴー
出版社:ナンバーナイン
販売日:2019-09-20