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九十九買え! 『アイドルマスター SideM』全コミカライズ作品レビュー!

いったいどんなこと知ってみたいんだ?

はじめようぜ、レビューを!

 

 

『アイドルマスター』のコミカライズ作品をレビューしてきたこの企画――正確には個人的に勝手にやってただけなのですが――もいよいよラスト。

 

『アイドルマスター』シリーズは基本的に(涼ちんがいるので)女性キャラクターの物語ですが、2014年より、男性アイドルをプロデュースする新シリーズがスタートしました。

今始まるストーリー『アイドルマスター SideM』。

というわけで予告通り、華麗に『アイドルマスター SideM』のコミカライズ紹介です。

 

……なのですが、実は『アイドルマスター SideM』が始まるより前、2012年に男性アイドルをテーマにしたコミカライズが展開されていました。

今回はそちらを先にご紹介しようと思います。

 

それは、『アイドルマスター2』で登場した、ライバル役となる男性アイドルユニット・Jupiterを主役とするシリーズで、『花とゆめ』系列誌で同時に3作展開されました。

 

これは、理由あってJupiterの初期展開が上手くいかなかったこともあり、男性アイドルなのだから女性向けに仕切り直そうということだと思われます。

 

うち一作は、「『アイドルマスター』765プロオールスターズ全コミカライズ作品レビュー!」で紹介した『アイドルマスターシリーズぷろとん4コマ集2005-2015』に収録されている『ジュピターさん ~THE IDOLM@STER~』です。

そちらは以前のレビューをご参照ください。

 

今回は、その他の2作品を紹介し、それから『アイドルマスター SideM』のコミカライズ作品をしていきます。

あくまで野郎としての視点から見ているので、女性とはツボが違うかもしれませんが、そこはご愛敬ということで……。

 

 

D@YS OF Jupiter~THE IDOLM@STER~ (花とゆめCOMICSスペシャル)
著者:麻 菜摘
出版社:白泉社
販売日:2013-03-19

『D@YS OF Jupiter』

作:麻菜摘

 

961プロ時代のJupiterを描いた作品。

マネージャー・三条馬静(さんじょうば・しずか)が登場します。

黒井社長以外(SPで所属していた貴音と響を除けば)ほかの社員が謎に包まれていた961プロの初のネームドキャラクターです。

 

と言っても、本作の主役はあくまでJupiter。

静の視点で描かれるわけではなく、サブキャラのひとりとして描かれています。

立ち位置としては千川ちひろに近いですね。

 

Jupiterについて改めて詳しく説明しますと、熱血俺様系のピピン板橋天ケ瀬冬馬(あまがせ・とうま)、天真爛漫な弟系の御手洗翔太(みたらい・しょうた)、モデル体型でプレイボーイな伊集院北斗(いじゅういん・ほくと)の三人からなるユニット。

315プロに移籍してからは先輩ポジションなので落ち着いたイメージですが、765プロのライバルとしての立場だった961プロ時代はなかなか尖っています。

 

ですが本作には黒井社長が登場しないため、事務所との対立もなく、明るい作風となっています。

冬馬を中心に、北斗と翔太との絡みで明るい作風のお話が進行していきます。

 

ゲームでは熱血俺様系だった冬馬ですが、本作では熱血ぶりのほうを際立たせており、少女誌での連載ですが、少年漫画の主人公のようなイメージですね。

 

Jupiterメンバーの家族についても少しだけ触れられており、顔出しこそありませんが、北斗の「チャオ☆」は母譲りと思われる描写など、より彼らのバックボーンがわかる内容となっています。

 

個人的には、わりとネタキャラな扱いも多い北斗が純粋にかっこいいのも好印象です。

 

 

Jupiter ~THE IDOLM@STER~ (花とゆめコミックススペシャル)
著者:ミユキ蜜蜂
出版社:白泉社
販売日:2019-02-20

『Jupiter ~THE IDOLM@STER~』

作:ミユキ蜜蜂

 

こちらも961プロ時代のJupiterを描いた作品ですが、『D@YS OF Jupiter』とはまた別の切り口になっています。

 

具体的には、彼らが961プロを辞めるお話であることです。

アニメでは黒井社長の妄執からの765プロへの妨害行為に端を発する不信から、袂を別つことになったJupiter。

 

本作では765プロは登場しないため、ライバルキャラ・雪野守が登場します。

と言っても、直接的に絡むことはなく、あくまでお話上、黒井社長が妨害しようとした相手、くらいの出番に抑えられています。

 

ともあれ、黒井社長のやり口を知り、Jupiterは事務所を辞めます

そして、金田百合子率いるゴールドプロダクションへ移籍

 

このプロダクションの名称からもわかる通り、この時期はまだ765プロと876プロ、961プロの設定しかなく、315プロは存在しませんでした

そういう意味では、数字縛りでもありませんし、完全にパラレルな設定と言えます。

もし現在の基準で命名するなら、5610プロとかでしょうか。

 

完全パラレルである理由はもうひとつあり、それは本作の最後の展開です。

ネタバレになってしまうので詳細は控えますが、Jupiterを根底から揺るがす衝撃の展開ですので、ぜひ、その眼で確認してほしいです。

 

ところで、本作ならではの見どころとして、Jupiterの家族について、より明確に描かれているということが挙げられます。

翔太の姉や、冬馬の父がはっきりと顔出しします。

これはシリーズ通しても非常に珍しいケースですね。

 

加えて、悪役ではある黒井社長が、しかし、それだけではない信念が見えるシーンや、そもそも辞めたあとのJupiterに圧力を加えている様子が無いことも、彼の心情が垣間見えるかと思います。

 

 

アイドルマスター SideM ドラマチックステージ (1) (シルフコミックス)
著者:加藤ミチル
出版社:KADOKAWA/アスキー・メディアワークス
販売日:2016-03-09

『アイドルマスター SideM ドラマチックステージ』

作:加藤ミチル

 

こちらは『アイドルマスター SideM』のコミカライズ。

本タイトルのコミカライズで特徴的なのは、キャラクター登場時に「ユニット名」(と年齢)が出ることです。

 

同じくユニット単位で活動している『アイドルマスター シャイニーカラーズ』のコミカライズにはない趣向なので、『アイドルマスター SideM』コミカライズ名物と言えるでしょう。

 

本作のメインとなるユニットはタイトル通り、「DRAMATIC STARS」……だけでなく、実は「High×Joker」もメインどころとなっており、W主役と言える作品。

 

さて、まず簡単に2ユニットについて説明します。

 

DRAMATIC STARSは、元弁護士の天道輝(てんどう・てる)、元外科医の桜庭薫(さくらば・かおる)、元パイロットの柏木翼(かしわぎ・つばさ)という異色のユニット。

本作に異色じゃないユニットがあるかは置いておきまして、『アイドルマスター SideM』の看板を担うグループです。

『アイドルマスター SideM』のキャッチコピー「理由(ワケ)あってアイドル」を、最もわかりやすく体現しているユニットと言えます。

彼らの前職は一般的に高収入が約束されているイメージの職業ですから、そこから不安定なアイドルに転身するというのは、それだけの理由があるのが伝わるでしょう。

 

一方、「High×Joker」は全員が高校生であり、前職はありません。

高校の軽音部からアイドルになっているのが特色です。

メンバーは、リーダーでギターの秋山隼人(あきやま・はやと)、キーボードの冬海旬(ふゆみ・しゅん)、ベースの榊夏来(さかき・なつき)、ドラムの若里春名(わかざと・はるな)、ボーカルの伊瀬谷四季(いせや・しき)です。

 

DRAMATIC STARSですが全員が成人ですので、比較的、個々人の距離感を保っており、本当に必要な時にしか踏み込んでいかないオトナな面があります。

High×Jokerのほうはというと、他のグループほどにぶっとんだ理由はないものの、学生で友人、先輩後輩の間柄だからこその等身大の青春が魅力です。

DRAMATIC STARSとは逆に、距離感を掴みかねているからこそ生まれるドラマがあるのですね。

 

この社会人と学生という対象的な2ユニットを軸として、315プロに所属するその他のユニットたちと交流しながら、アイドル道を突き進む彼らの挑戦が描かれます。

アニメ版では出番があまりなかったユニットも活躍しているので要チェック!

 

 

『アイドルマスター SideM ストラグルハート』

作:加藤ミチル

 

『アイドルマスター SideM ドラマチックステージ』と同じ加藤先生によるコミカライズ。

本作では、「THE 虎牙道」「Beit」に焦点が当てられています。

 

THE 虎牙道は、元ボクサーの大河タケル(たいが・たける)、元柔道金メダリストでラーメン屋店主の円城寺道流(えんじょうじ・みちる)、元拳法家の牙崎漣(きざき・れん)によるフィジカルに圧倒的強みがあるユニット。

 

数百人のアイドルがおり、フィジカル自慢のキャラも数多い『アイドルマスター』界隈でも、さすがに道流のような金メダリストは他にいません。

アニメ版ではあまり出番がなかったので、THE 虎牙道不足に悩む方にも本作は最適。

 

Beitは、バイトと読みます。

その名の通り、由来はアルバイトからであり、元フリーターからアイドルへ転身したメンバーとなっています。

 

元コンビニ店員の鷹城恭二(たかじょう・きょうじ)、某国の王子で元着ぐるみバイトのピエール、元花屋の渡辺みのり(わたなべ・みのり)の三人からなるユニットです。

ピエールはたいてい、カエルの着ぐるみを着ていますが、どえらいデザインが多い『アイドルマスター』界隈のマスコットの中では、このカエルは純粋に可愛いのが特徴です。

 

そんな彼らですが、ミュージカルのオーディションに出ることになります。

このミュージカルは、サバイバル形式でオーディションの過程も番組で放送されるタイプ。

315プロからは、「彩」「W」「神速一魂」といったユニットも参加し、しのぎを削ります。

 

といっても、315プロは雰囲気がよく、対戦相手であってもギスギスならないのが魅力ですね。

元ヤンのみのりとヤンキーユニット神速一魂・紅井朱雀との絡みも楽しい。

 

そんなオーディションの中、身体能力に優れるTHE 虎牙道がガンガンポイントを稼いでいくのに対し、Beitも負けじと頑張って勝ち進んでいきます。

 

両グループとも、道流とみのりというおかん的ポジションの年長者がしっかりグループを支えているので、『アイドルマスター SideM ドラマチックステージ』とはまた異なった問題解決への道筋を楽しむことができる作品です。

 

また、これは『アイドルマスター SideM ドラマチックステージ』とも共通しているのですが、プロデューサーのビジュアルが特徴的です。

デザインそのものはアニメ版のプロデューサーと同じなのですが、顔がありません

これまでのシリーズのコミカライズでも、顔を見せない、顔を黒塗りにするなどの対応は多かったですが、全部のシーンで顔がないというのは新しいですね。

ちなみに、齋藤社長は真っ黒です。

パッション!

 

 

『アイドルマスター SideM 理由あってMini!』

作:スメラギ

 

本作は、二頭身にディフォルメされたアイドルたちによるドタバタ日常劇です。

主役を固定せず、様々なキャラクターたちが入れ替わり立ち代わり活躍するタイプの漫画で、『アイドルマスター シンデレラガールズ』における『シンデレラガールズ劇場』と同じ立ち位置だと考えるとわかりやすいかと思います。

 

起きる出来事は、ハルナが大好きなドーナツを買いに行ったら売り切れてた(椎名法子案件)とか、クイズ番組へ出るための特訓や、大喜利などかなりゆるいものとなっています。

変わり種としては東急ハンズコラボをモチーフにした回なども。

 

アイドルものですと、こういったミニキャラものはよく見受けられますが、30代男性のミキャラはあんまり見ないかもしれませんね。

個人的には、輝がスベったときの「てる~ん」という効果音が好き。

 

「Legenders」葛之葉雨彦がかなり美味しい役どころで、彼はネガティブな残留思念のようなものを「汚れ」として認識できるため、そこにフォーカスするとフィクションの度合いが大きく上がり、漫画のジャンルが変わりかねないピーキーさがあります。

そのため、なかなかそちらの特性を物語に落とし込むのが難しいと思われるのですが、本作のようにギャグ漫画ですと、むしろメインとして大活躍。

「Legenders」に特にオススメできます。

 

ところで、このコミカライズでもプロデューサーに顔が無いので、『アイドルマスター SideM』の共通のお約束だと思われます。

 

余談ですが、作中で、『鉄拳7』を遊んでいる様子がありますが、どうやら兜大吾の持ちキャラは仁の様子。

掲載誌は『電撃マ王』ですが同じ雑誌の『ぷちます!』では、平八らしき人が出ているので、この辺も、『アイドルマスター』らしいですね。

 

本作は、続編である『アイドルマスター SideM 理由あってMini! リターンズ』が存在します。

これは『アイドルマスター SideM 理由あってMini!』のアニメ化にあたって、連載再開となったものです。

 

 

 

 

本来なら、別個に紹介するところなのですが、本作に関しては事実上の第3巻といってもよく、他のコミカライズの続編と異なり、新キャラの追加などもないため、併せての紹介とさせて頂きます。

事務員・山村賢の出番が少し増えているかな。

あと天ケ瀬冬馬がちゃんと鬼ヶ島羅刹と呼ばれるのもポイントが高いですね。

 

 

まとめ

 

どうでしょうか、読みたくなりませんでしたか?

今回の記事タイトルにあるように、九十九買いしたくなりませんでしたか?

九十九買いとは、九十九一希迷ったら全部買うところから来た言葉です。

こういう時、背中を押してくれますよね。

 

また、これらコミカライズの他に、原作ゲーム内にも漫画コンテンツが存在します。

ポイントを消費してゲーム内雑誌に掲載、その雑誌を閲覧する形で漫画が読めるシステムになっています。

キャラクターを掴みやすいので、まずこれから読んでみるというのも手ですね。

 

他の『アイドルマスター』シリーズのプロデューサーだけど、『アイドルマスター SideM』のことはよく知らないが気になる、という人にも、気軽に読めるコミカライズ群はオススメ。

他シリーズを遊んでいるからこその視点で楽しめる点も大きいと思います。

 

例えば、秋月涼は「F-LAGS」として登場し、彼が男性アイドルとして活躍している姿は、『アイドルマスター ディアリースターズ』のプロデューサーは感涙でしょう。

前述のゲーム内漫画でも、律子に頼んでアイドルになるも女装する羽目になる話が読めます。まなみさんも出てるよ!

漫画から各キャラのバックボーンを知れる面白い試みですね。

※涼ちんを詳しく知りたい方は前回のレビューをご覧ください。

 

それからプロデューサーなら「あれ?」と思ったかもしれませんが、薫は龍崎薫、翼は伊吹翼というように同名のキャラがいますが、特に関係はありません。

まさか卯月を被せてくるというのは意外でしたが、同じ名前の人間がいるというのはリアルですね。

なお、なおはシリーズに三人います。

(星井菜緒とか水瀬薫とか言い出したらもっと増えますが)

 

恭二は家庭に問題があり、弟を大事に思っている、ひとりで抱え込みがち、私服のセンスがやばいなど如月千早を彷彿とさせますが、あえて共通点を作っているのではないか、と思える点が様々なキャラで散見されますので、そういった意味でも見て飽きないでしょう。

 

……と、話は尽きませんが、ともあれこれで一旦、『アイドルマスター』シリーズの全コミカライズを紹介する個人的な企画は終了です。

 

しかし、新たなコミカライズや新たなプロダクションという理由があれば、現状(いま)を越えてレビューは何度でも生まれます。

『アイドルマスター シャイニーカラーズ』のコミカライズ第2話も公開されていますし、いずれその機会はあることでしょう。

 

それでは、また会う日まで。

 

チャオ☆

 

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