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性のことしか考えられない男子中学生の学生寮に男装女子が住むなんて展開わかるよね⁉え、違うの?『私立浜茄子中高等学校男子寮の戸惑い』
レビュー執筆者:たまごまご

 

男子校の寮に住む男装女子はまだ12歳

 

中学生男子といえば、風が吹けばあそこが勃つ、なんていうくらい性には敏感なもの。思春期のホルモンバランスの問題なのか、抑えきれない性欲と、性への好奇心で悶え苦しむ時期だ。

 

ましてや男子校となると、女性への興味に拍車がかかるもの。だからこそ、「男装して男子校へ」というシチュエーションは、思春期の性をコミカルにあぶり出してくれる。

 

「私立浜茄子中高等学校」は、6年制の男子校。寮生活なので、基本一日中顔を合わせるのは男子同士。

白石義久(13)は、同じクラスの八坂ゆうき(12)の秘密を知っていた。八坂が男装をした女子だということだ。

 

もっとも八坂は男装をしたいわけじゃない。中性的な顔立ちで振る舞いもボーイッシュだが、内面は「女として暮らしたい」と感じている。バレそうになった時は、唯一男装を知っている白石の助けが必須になる。

 

学校には思春期が暴走する男子、クラスメイトの米里が登場する。AVやエロ本に激しい情熱を傾け(しかも父娘ものばかり)、あちこちで脱いで股間を晒し、自慰は一日に数回。新たな性的目覚めへの挑戦も続けている。

問題児の変態なのだが、この時期の男子が経験するであろう心の暴走が、彼の行動には大量に詰まっているので、共感しやすい存在だ。

 

八坂と白石と米里は一緒につるむことが多い。なので米里が男同士だと思って解禁する下ネタに八坂が巻き込まれがち。その中で、まだ幼い八坂は、中学生男子のハチャメチャさを知っていく。

 

だからこそ女子であることを隠さなきゃいけない恐れと、それでも女子として見られたいという思いが入り混じり、自我の固まっていない彼女の心は悶々としてしまう。

 

同じ男子でも、白石は理性が強くマジメで親切な方。なので八坂のガードは時々ゆるゆるになってしまう。どうしても共同浴場に入らねば行けない時、白石に見張りを依頼する。いたずらで「いいもん見れるかもよ…?」と腹を見せる八坂。

 

「見たくねえよそんなん」と顔を赤らめて拒否する白石。当然、お風呂見張り中、白石は全裸の八坂を意識してしまい気が気ではない。

性に興味津津な男子を見て、八坂も出来心がわく。校舎の影に隠れて、白石にちらっと胸元を見せて「どう?発情したっしょ?」と尋ねる。

 

性に芽生える前の子供同士のやりとりにかなり近い。自分の身体に男子は興奮するはずだからという検証だったようだが、大事なのは誘惑できるかどうかではない。

 

「お前くらいは…女の子扱いしてほしかったのに…」

 

性の芽生えは異性への興味だけではなく、自分への関心でもある。

八坂は子供ながらに男装させられていることで、「女性」が押し込まれて鬱屈している。その発露として、白石とのやり取りが生まれる。白石がちょっと顔を背けて恥じらうくらいの健全男子だからこそ、八坂はその反応を見て、自分の「女子」性を保てているのだ。

 

白石と八坂の、秘密を共有する、まだ恋愛ではない関係が非常に絶妙。性ばかりではなく、無茶して夜中に飛び出し花火をするシーンなど、青春の無茶もまばゆい。

 

2巻で完結だが、できれば時間軸を切り離して高校生(4年生以降)の、自我が固まりつつある時期の2人の関係も見てみたい。

 

 

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