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高1の娘の友人とそういう関係に⁉女子高生の母性と中年サラリーマンの悶えが刺さる『娘の友達』
レビュー執筆者:たまごまご

 

■中年サラリーマンが心掴まれた相手は、娘の友達の高校一年生女子でした

 

中年サラリーマン、市川晃介。妻は死去。娘の美也は引きこもりで、会話もできない。不登校について、美也の担任から激しい注意を受け続けている。

 

会社では仕事続きで、マジメにやればやるほど責任を押し付けられる。テキパキこなしてきたはず。なのに上司には無理を言われっぱなし。部下にはそれについて文句を言われっぱなし。同僚には頑張っている姿をバカにされっぱなし。

 

そんなときに出会った、娘の友達の高校一年生、如月古都

 

「よく頑張りましたね」
「毎日上司でいたり お父さんでいたり 疲れませんか?」
「今日だけは『係長』も『お父さん』もおやすみして『晃介さん』になってみませんか?」

 

そんなん言われたら、流されないほうが無理だよ……。寛大すぎる母性と、高校生の若々しい暴走をもった古都が、心の穴に入り込んでくる、恐ろしい作品。

 

晃介は社会人の苦しみをえぐりまくるキャラクターだ。頑張っても誰にも認められず、どんなに耐えても自分のせいにされる中間管理職

 

あまりにも日々が理不尽。社会で納得のいかない状況に直面し、人に吐き出せず飲み込み耐えてきた人には、ひどく刺さる。

 

だからこそ、古都になびくなというのはもう無理な流れ。彼女は自分の苦しみを全部受け止めてくれるし、社会人や父親ではない自分自身を見てくれている。ストレスで鬱寸前の彼が「……ここから逃げ出したい……」ともらすのも無理はない。

 

問題は古都視点がほぼ描かれない点だ。古都のアプローチは100%の母性ではない。

 

晃介の手の上に古都が手を重ねるシーンが何度か描かれる。それは温かく握りしめるものではなく、指を絡めて撫で回す、非常に性的なアピールだ。でもそれが彼女のトラップである可能性だってあるはずなのに、彼の心と身体はどんどん反応してしまう。

どう対処するか、本心を把握しきれず困惑を繰り返してしまう。

 

女子高校生、しかも娘の友達との禁断の関係。一歩踏み出したらもう何もかもを失うのは見えているけれども、流されてしまう。

 

序盤優しく見えた幼い女子が、どんどん蠱惑的になって、行き場のない晃介を絡め取り始める様子は、サスペンス性激高

 

ここで古都を突き放して過酷な日常に戻るか、古都と共にぐずぐずと欲望の泥沼にハマるかで言えば、どう考えても前者のほうが「正しい」。しかしマンガの描写はそのあたりが巧み。

 

晃介視点で心が崩壊寸前に追い込まれる様子がこれでもかと表現されるので、やってはいけない行為に2人が踏み出すシーンは、爽快感すらある。

 

WEB連載ではすでにかなり先まで掲載されているので、気になる方は是非。

 

女子高生との素敵な出会いで、胃が痛くなる体験、意外と読んでいて心地よいです。大団円になる未来は今の所見えません

 

 

こちらの記事は、記事提供元のマンガの宇宙を旅するためのWebマガジン「コミスペ!」でも読むことができます。

 

 

 

娘の友達(1) (モーニング KC)
著者:萩原 あさ美
出版社:講談社
販売日:2019-08-08