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起業する時、数えきれないほど『ハイキュー!!』を読んだ話。

竹谷は、株式会社ミリアッシュというイラスト制作会社の代表をしております。

現在3年目の会社で、設立は2017年2月8日です。色々な思いがあって独立しました。

 

会社を作った経験などなく、未知を前に不安を感じたり、本当にやれるのかと怯えたりしていました。

自身のモチベーションを保つために音楽のプレイリストも作りました。

 

セットリストはこんな感じです。

すべて魂をありったけ籠めて歌えるので、聴きたい方はカラオケにお誘いください。

 

上図:ぼくのかんがえた最強のプレイリスト

 

 

 

そして、止まりそうになる自分に気づく度、読んだマンガがあります。

 

『ハイキュー!!』です。

高校バレーボールを題材にした、スポーツマンガです。

 

※展開は書きませんが、台詞は引用します。問題ない方はお読みいただければと思います。

 

 

ハイキュー!!【期間限定無料】 1 (ジャンプコミックスDIGITAL)
著者:古舘春一
出版社:集英社
販売日:2019-09-04

スポーツマンガの枠を越えた、弱者の物語。

 

竹谷はスポーツマンガがあまり得意ではありませんでした。

 

とにもかくにも特訓。

スポ根なるもので限界に挑戦し、成長し、時には常人離れした必殺技を編み出して敵を倒していくようなイメージ、という偏見があり、生来根性皆無凡人竹谷は「そんなに頑張れないよ」と思って共感できず、心が離れてしまっていました。

 

『ハイキュー!!』の連載が始まった時も、

「スポーツマンガかあ……『詭弁学派、四ッ谷先輩の怪談。』の方が好きかも……」

と、ちょっと上から目線で色眼鏡をかけて読み進めた記憶があります。

 

それでも読もうと思ったのは、高校時代バレーボール部にいたからです。

『ハイキュー!!』と出会えた今は、バレーボール部でよかったと心底思っています。

 

かつて強豪と呼ばれていたものの、現在は伸び悩んでいるバレーボール部に主人公が入り、全国優勝を目指すのが物語の骨子です。ここだけ聞くと、実にスポーツマンガです。

 

主人公は突出した跳躍力を持っていますが、対照的に背は低く、言うなれば弱い選手です。

チーム選手たちも、強い部分もありますが、とびきりというほどではありません。

 

彼らは、なによりも勝利へ貪欲になりながら、練習はもとより、とにかく考えます。

どうすれば相手チームを倒せるか、も当然ですが、それと同じくらいに、どうすれば自分の駄目な部分を消せ、どうすれば自分の強みを一層強化できるか、を考え続けます。

 

自らが弱いと認める大変な覚悟のもと、徹底的に自己と向き合う姿勢。
問題を自己の内側に見出し、悩み考え、現状を打破していく。
登場人物たちのそんなかっこよさに、痺れました。

 

『ハイキュー!!』は、強弱を併せ持つ普通の人間が、思考を重ねて少しずつ進歩していくさまを描いた、どこまでもリアルな哲学と美学のマンガなのです。

才能は開花させるもの。センスは磨くもの。

竹谷が『ハイキュー!!』の中で一番好きなキャラクターは、主人公のチームではなくライバル校の3年生、及川徹(おいかわとおる)です。

 

彼は天才と呼ばれる後輩を目の当たりにし、その成長の角度に驚きながらも、自分にバレーボールの芽があるとを信じて弛まぬ研鑽を積み続けます。

 

嫉妬や虚栄心に踊らされることなく、後輩の成長を邪魔せずに、強くなっていく後輩より強くあろうとする精神。
やろうと思っても、なかなかできることではありません。本当にかっこいい。

 

 

…才能開花のチャンスを掴むのは

今日かもしれない

若しくは明日か明後日か来年か

30歳になってからかも?

体格ばかりは何とも言えないけど

無いと思ったら多分一生無いんだ

 

 

主人公チームとの戦いの際、彼はこう発言してコートへ戻っていきます。
及川も十二分に、圧倒的な強さを誇る選手であるにもかかわらず。

 

彼のバレーボールへ臨む姿を見て、

「物事を頑張ろうと進むひとは皆、才能やセンスを眼前に怯え、視線を逸らしたくなるのだ」

そして

「才能やセンスというものは、喜色を瞳に浮かべてそそくさと受け取るものなどではなく、臆病や心の弱さに震えながらも真向からぶつかり、じわじわと獲得していくものなのだ」

と思いました。

 

会社を作り、続けていけるだけの才能とセンスが、自分にあるだろうか。
そんなひ弱な疑問は、及川の生き様を前に消えました。
なにかを成すには、少しずつ丁寧に、自己を研ぎ澄ましていくほかない。
有ると思っても結局は無いかもしれませんが、無いと思えば、一生無いのです。

 

現状を善しとせず、あがくひとたちに読んでほしい。
『ハイキュー!!』は、全国どこでも買えます。

 

最後となりますが、及川がバレーボールを諦めようとしていた時に顧問から言われた言葉も、竹谷の哲学の礎となっています。
そちらを引用して、このレビューを終えたいと思います。

 

自分より優れた何かを持っている人間は

生まれた時点で自分とは違い

それを覆す事などどんな努力・工夫・仲間を持ってしても

不可能だと嘆くのは全ての正しい努力を尽くしてからで遅くない

 

ただ“自分の力はこんなものではない”と信じて只管まっすぐに

道を進んで行く事は“自分は天才とは違うから”と嘆き諦める事より

辛く苦しい道であるかもしれないけれど

 

 

竹谷の力も、まだまだこんなものではない。

 

会社を作ってからそろそろ3年が経ちますが、及川の戦う姿を脳裡に浮かべては、そう思い続けています。

 

 

ハイキュー!! 17 (ジャンプコミックス)
無料試し読み
著者:古舘 春一
出版社:集英社
販売日:2015-08-04
ハイキュー!! 39 (ジャンプコミックス)
無料試し読み
著者:古舘 春一
出版社:集英社
販売日:2019-09-04