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撃って、捌いて、そして食う!『クマ撃ちの女』令和狩猟時代、突入!

どうもこんにちは!!漫画ソムリエの東西です!

普段は東京ネームタンクでマンガの進路相談をやっています。

今回は北の大地を舞台に兼業猟師であるヒロインが、日本最強のエゾヒグマを狙う狩猟ドラマを描いた本作の魅力について語ってみたいと思います。

 

 

綿密な取材に基づいたリアリティ

●猟

©安島薮太/新潮社

 

 

猟師が自然の中で感覚を研ぎ澄ます感覚、武器であるライフルがどういったものなのか、クマとの対峙で腰が引けてしまうほどの緊張感など、猟師がどういった気持ちで猟に臨んでいるかリアリティもって感じられている。

 

 

●解体

©安島薮太/新潮社

 

 

狩猟漫画ではお約束的な解体シーンも高い画力で丹念に描かれているので
迫力があります。

 

 

●グルメ

©安島薮太/新潮社

 

 

高い画力で描かれるジビエ料理はとても美味そうです、食べたくなります。

 

 

主人公の動きや装備など、かなりのこだわりを感じる描写で本作を読むと安島先生が綿密に取材をしているのが伝わってきます。
そのノンフィクション的なリアリティが素晴らしい!

 

 

殺意に至るまでの感情の流れ

作品の魅力であるリアリティは猟師が猟において感じてるであろう緊張感や殺意まで我々読者に伝えてくれます。
この殺意に至るまでの感情の流れに、我々現代人も狩猟という世界に入ることで、誰でも手に入れることが可能であるという視点が面白かったです!

 

 

冒頭から企画の核を読者に見せる

 

物語において主人公の動機を描く事は重要ですが、主人公が熊を撃ちたい理由をあえてまだ明確に描いていません。

それは現代でも一手間違えたら死ぬ状況を強く演出し、先に描くことでそんな状況になぜヒロインはあえて入っていくのだろうか?

……という疑問を読者に持たせ、物語冒頭から企画の核を読者に見せるという選択をしたからです。

 

これがとても上手かった!

現在は、娯楽に溢れています。

早い段階で企画の見えない作品は、そのまま忘れ去られてしまいます。
本作品は企画の核を先出しすることで読者をひきつけそこから物語に関心をもたせる構成力が素晴らしかった!

 

物語のテンポも早くエンターテイメントとしても上質な上、知識欲も満たされる本作、『ゴールデンカムイ』が群像劇でそれを描いてるのに対し、本作は主人公の狩猟思想に集中した一点突破の魅力で描いた作品となっています。

気になった方はもちろん『ゴールデンカムイ』ファンの読者の方もぜひご一読ください。

 

イチオシの狩猟漫画ですっ!

 

 

 

クマ撃ちの女 1 (BUNCH COMICS)
無料試し読み
著者:安島薮太
出版社:新潮社
販売日:2019-07-09

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