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週間レビューランキング!(9/2~9/8)第1位は『はじめの一歩』125巻の先にあるものを読み解く。ほか

9/9の週明け月曜日は、未明に関東地方を襲った大型台風の影響で、あわただしく始まりました。風や雨脚は日曜未明に強まり、出勤時間帯には、電車の中や駅の入り口などで沢山の方がスマホ片手に多くの時間を過ごされたことでしょう。

そうした時こそ、心を癒し夢中にしてくれるマンガの出番ではないでしょうか。今週は時間をかけてじっくり読む長編マンガが週間ランキングに入りました。今週も、アクセスの多かったマンガレビューをダイジェストで3本お送りします!

『はじめの一歩』125巻を一気読みしたら今後の展開が見えてきた

 

キーワードは“One more Time(もう一度)”

 

日本人にとって“ボクシング”は身近のようで遠いスポーツのひとつ。

『世界戦』クラスの闘いはTVで中継もあって盛り上がるけれど、普段の日本人選手同士の戦いは驚くくらい知られていなかったりするものです。

 

ボクシングマンガもこの世には数多くあるけれど、誰でも知っている作品といえば『あしたのジョー』と『はじめの一歩』ではないでしょうか?

 


さて、ちょっとどうかしちゃってる件は置いといて、この一週間くらいかけて『はじめの一歩』を既刊125巻まで買って読みました。

もちろん作品の事は知っていたし、全部とは言わないまでもほぼ読んでたこともあります。今回久々に全巻読み返してみました。

『はじめの一歩』は気弱な少年・幕ノ内一歩がボクシングと出逢い「強さとはなにか?」を追い求め、仲間やライバルたちと切磋琢磨して成長していく物語です。

かつていじめられっ子だった一歩はいつしか驚異のKO率と豪打から“風神”なんてニックネームを付けられて日本王座のみならず、東洋太平洋圏の王者たちとも死闘を繰り広げ、「世界王座」を狙えるところまでのボクサーとして成長を遂げました。

愚直なまでの一直線のファイトスタイルとどんでん返しのKO劇はどんな試合でも、会場に熱を生み、視るものを熱く感動させてきました。

しかし,

そんな一歩にある疑惑が発覚します。

それは「パンチドランカー症状」疑惑。

>記事のつづきはこちら

レビュー中にもあるように、日本を代表するボクシングマンガである『はじめの一歩』ですが、30年125巻という長い道のりを経て、節目を迎えるとともに、約束の展開へ向けて胎動が散りばめられていることにも触れています。

連載10年を迎えた『進撃の巨人』が、結末に向けて多くの読者にその最終展開へ追いついてもらえるように、無料キャンペーンを行っています。もしかしたら『はじめの一歩』も、追いつくには丁度良い時なのかも知れません。


漫泊的に『ゴールデンカムイ』は漫画をアートに昇華する神漫画であることを説明します。

こんにちは。神保町にある「漫泊=一晩中マンガ体験」MANGA ART HOTEL代表の御子柴です。

 

MANGA ART HOTEL では、「装丁のアート性」と「内容のアート性」という二つの軸で漫画作品をキュレーション(選書)しているのですが、「内容のアート性」というのはなんぞやといったところですよね。

我々としては、何かしらひとつでも感情を揺さぶってくれる作品を「内容がアートな作品」という定義にしています。

 

そして、読者ごとにその漫画を読むことで得られる「期待する感情」は様々(キュンキュンしたい、熱い気持ちになりたい、泣きたい、笑いたい、など)で、その「感情の数」を多く含むということは、感情をいろいろな方向から揺さぶることになるため、結果として作品そのものの人気につながるのです。

 

しかし、ひとつのお話のなかで、そんなたくさん感情を揺さぶってくれるような作品はなかなか存在しません。

 

そこで今回は、そんな滅多にない「たくさんの感情を揺さぶりまくる」作品として超人気の『ゴールデンカムイ』の紹介をさせてください。

 

この『ゴールデンカムイ』を漫泊コンセプト的に推したい理由として、「感情の数」がめっちゃくちゃ多いにもかかわらず、メインストリームであるお話の背骨がしっかりとして、どこを切り取っても「感情」と「ストーリー」が見事に折り合いながら進んでいくところにあります。

 

『ゴールデンカムイ』は、謎解き要素があり、学習要素もあり、グルメ要素もあり、もふもふ要素もあり、スリル要素もあり、ギャグ要素ありなのです。

一般的に考えると、グルメ知識に特化すると、ウンチクに力が入り、物語の展開にワクワク感を持たせることが難しくなります。また、サスペンスに特化すると笑いの要素を効果的に入れるのは難しくなります。一般的には、です。

 

しかし、この『ゴールデンカムイ』が神漫画なのは、こうした一般論をとっくに超えているからなのです。

では『ゴールデンカムイ』とは何なのでしょうか? 以下の6つがこの作品の肝です(肝が6つもあるということが、そもそも神がかっている)。

 

1.謎を解きたくなる

  • 金塊はいずこに?
  • 囚人たちの皮をつなぐとどうなる?
  • アシパさんのオトンは何者?

 

>他の「肝」のことも含めて、記事のつづきはこちら

 

 

先日、大英博物館に訪問しレポート記事もアップされた、神保町MANGA ART HOTEL 御子柴さんの記事です。ご存知の通り、大英博物館マンガ展ではアシリパさんの勇ましい立ち姿がイメージ画像として使われ、その勢いで書かれた記事だと思います。

リンク先の本文には、ページ画像が何枚か使われており、監修をしてくださった担当編集者さまも「愛のあるレビューをありがとうございます」と、褒めてくださいました。北海道発イギリス帰りのあふれる「ゴールデンカムイ愛」をご覧ください。

 

面会した死刑囚は一見みんな普通の人達?!彼らが語るのは…『マンガ「獄中面会物語」』

とかく人というのは業が深い。

 

「見るな」と言われれば見たくなり、「やるな」と言われればやりたくなる。

 

知らなくてもいい事が多い世の中だからこそ、知らなくてもいい事を知りたがる。

 

今回ご紹介する作品は、そんな人の業に迫る作品です。

 

本作は原作の片岡健氏が上梓された『平成監獄面会記』をベースにしたコミカライズ。作画をしているのは『野原ひろし 昼メシの流儀』の塚原洋一センセイ。

 

本作で語られるのは世間を騒がせた犯罪者たちの物語。
逮捕され死刑が確定した受刑者たちに直接面会をした上で、片岡健氏の主観を元に語られています。

 

マンガ「獄中面会物語」 (カルトコミックス)
著者:塚原 洋一
出版社:笠倉出版社
販売日:2019-08-22

<中略>

例えば最初の登場人物、小泉穀受刑者ですが犯行直後に報道されたのは、当時問題になっていた年金記録問題によるテロとしての犯行ではないかということでした。

しかし、実際は小泉受刑者の過去の心の傷が原因だったのです。

 

©2019 KASAKURA

>記事のつづきはこちら

 

こちらは、少しここまでとタイプの違うノンフィクション新書のコミカライズです。著者ご自身からもマンガ新聞編集部にご献本いただきました。

死刑囚に話を聞くという一点でも十分珍しいお話ですが、その人それぞれの事情がそれぞれ非常に個性的で、これがさっぱりした描写のマンガで語られると、意味は入ってくるのですが、その消化には時間がかかるという、不思議な世界に引き込まれます。考え考え、つい読み進めてしまう作品でした。

 

 

さて、今週は秋の夜長にじっくり読んだり、物思いにふけるネタに事欠かない腰の据わった3作品が紹介されました。少しでも気にかかる作品がありましたら、手にとってご覧ください!