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カネと野球の切っても切れない関係を暴露する『グラゼニ』でアノ選手の懐が予想できる⁉

スポーツを長く見ていると、試合そのものより細かい部分、オフシーズンや裏話的なお話が気になるようになってきます。

 

『グラゼニ』はそんなプロ野球の「裏側」にスポットを当てた作品です。

そう、「グラウンドにはゼニが埋まっている」、略して『グラゼニ』です。

 

 

グラゼニ(1) (モーニングコミックス)
著者:森高夕次
出版社:講談社
販売日:2012-09-28

 

 

本作は、高卒のドラフト7位で入団した〈凡田夏之助〉が主人公。

凡田はプロ8年目の中継ぎ投手。年棒は1800万円。

キレのある変化球も超が付くほどの剛速球が投げられるわけではないですが、「左投げのサイドスロー」な投手は貴重な存在なので、1軍と2軍を行ったり来たりしながらも、厳しい競争世界であるプロ野球の世界をサバイブしています。

 

さてそんな凡田の特技は……「現役選手たちの年棒がソラで言える」こと。

趣味は「選手名鑑で年棒をチェックすること」です。

 

その反動なのか、自分より年棒が低い選手にはめっぽう強いが、自分より年棒が高い選手には簡単に打たれてしまいます。

 

そんな凡田でしたが、2019年時点ではFAでセリーグからパリーグへ移籍して、年棒は1億5千万円の3年契約。

 

中継ぎから先発へ転向して三児のパパだったりします。

 

しかし、ここに至るまでは文字通り山あり谷ありの連続でした。

 

中継ぎから先発、そしてまた中継ぎといったように、現実でもここまで露骨なまでに配置転換を繰り返すような采配はなかなかありえませんが、凡田はどのポジションでも大成功とまではいかないまでも“合格点”の内容を残します。

 

残すんですけど……、前述のように“大成功”をしているわけではないので、活躍の評価が数字で現れません。

 

評価はされても、時々のチーム事情で年棒が思ったように上がっていかないという非常にシビアな契約交渉となります。それが中継ぎというポジションなのです。

 

それでもキャリアを重ねていくうちに凡田の才能は開花していきます。

 

チームの移籍、大リーグ挑戦、そしてFAと“稼げる”選手へと成長した凡田は最新話の時点で先発投手として11勝! 勝ち星ランキングで3位!

 

そんな凡田から僕たちが学ばないといけないのは、居場所は自分で勝ち取らないといけない、ということかもしれません。

 

野球というスポーツのベースになっているのは実は『軍隊』と言われています。

 

野球はそれぞれのポジションの選手がそれぞれのポジションの役割を理解して戦わないと勝てないスポーツ、一番バッターが走れないと意味がないし、ファーストが捕手をしていては勝てません。

 

そんななか、最高の結果を出して勝ち上がっていく凡田の物語は、僕たちが社会で戦うためのヒントになっているかもしれませんね。

 

 

マンガの伝道師である僕の居場所は自分のお店、コミックサロン『G.I.F.T.』です。

岡山駅から徒歩15分。皆様とマンガの出逢いをプロデュースしています!

 

 

 

グラゼニ~東京ドーム編~(1) (モーニングコミックス)
著者:森高夕次
出版社:講談社
販売日:2015-01-23
グラゼニ~パ・リーグ編~(1) (モーニングコミックス)
著者:足立金太郎
出版社:講談社
販売日:2018-06-22

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