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誇り高い美少女の姫が責められ屈辱にあえぎ自白するお話なのにほっこり癒される!?『姫様“拷問”の時間です』

漫画の世界で、美少女+拷問ときたら普通エッチなお話です。
だから、ジャンプ+の新連載でこの漫画を見たとき、私がエッチなシーンを期待して読み始めたとしてもそれは仕方がないことです。

……ですよね!?

 

しかし本作の”拷問”は全く次元の違うものでした。

魔王軍の手に落ち、冷たい牢獄に捕らわれた姫。
そこへ魔族の拷問官が現れ、こう言います。

 

姫様”拷問”の時間です

 

ここまではまさにお約束の展開!

姫も、戦場を潜り抜けた勇者として、どんな苦痛も乗り越える覚悟で身構えました。
しかし拷問官が取り出したのは凶悪な拷問器具などではなく「ほっかほっかのバタートースト!」

 

おいしそ~

 

おもわず声に出してしまう姫様。

心の動いた姫に追い打ちをかけるように拷問官はビーフシチューを食べた後のお皿を取り出します。

底に残ったビーフシチューをちぎったトーストですくい取って……

 

あー絶対美味しいやつぅぅぅ!!

 

絶叫する姫の目の前で、それを自分の口の中に……!!!

その後、姫がトースト食べたさに自白したことを誰が責められるだろうか……。

 

こんな感じで、拷問官が繰り出すちっとも痛くない”拷問”に、姫が毎回敗れていく漫画です。

 

本作の素晴らしい点は、この拷問劇のなかで誰も傷つかないこと。
(まあ、姫のプライドは傷つけられていますが……)

 

むしろ王女としての責任を背負い、女の子らしい遊びもできず、剣の修行に明け暮れてきた彼女が“拷問”を通じてさまざまな人々(魔族)と出会い、友情を育んだり美味しいものを食べて癒されたり、の過程が描かれていきます。

 

とにかく、拷問官をはじめ、登場する魔族の面々がみんなやさしい!
後には魔王様も登場しますが、怖いのは本当に顔だけです。

 

本来、拷問は圧倒的な強者が圧倒的な弱者に暴力で自白を強いる行為です。
そこには残酷で一方的な情報の搾取、略奪行為しかありません。
それを(コメディとはいえ)自白するほうもさせるほうも満足するWin-Winの行為として表現するなんて思いつきませんでした。

 

連載を楽しみに読んできましたが、ついにコミックス1巻が発売!

 

 

姫様“拷問”の時間です 1 (ジャンプコミックスDIGITAL)
著者:春原ロビンソン
出版社:集英社
販売日:2019-09-04

 

 

どうでもいいけど、この表紙だとグルメ漫画みたいですね(笑)

実際には食べ物以外にも様々なもので陥落されます。

どれも説得力があって「まあ……仕方ないよな……」と思えるものなのでぜひ楽しみにしてください。

 

史上初のほっこりする拷問漫画、ぜひ読んでみてください!!