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『英語力ゼロで海外マネージャー』!暗黒面に墜ちそうになりながら30人の部下をマネージできた裏技マンガ

どうも、ゲーム会社で広報やってるヤマチーこと山之内ですー。
 

ワタクシ、いまは福岡で広報をやっているのですが、つい2カ月前までカナダ・モントリオールに赴任して現地子会社を立ち上げ、マネージャーとして30人の部下を管理していました。
 

そういうと、「じゃあ、英語ができるんですね」と聞かれるのですが、正直、いまだにほとんど喋れません。では、そんな状態でどうやって働いていたのかをお伝えしたいと思います。
 

(はじめに断っておくと、「英語勉強法」や「英語力アップのノウハウ」といった話はありません)

「YOU! ちょっと海外子会社立ち上げてマネージャーやっちゃいなYO!」

海外赴任のきっかけは、それぐらい軽い、上司の一言でした。社内で海外子会社立ち上げの企画が発表された当時、意識高い系サラリーマンだったヤマチーは、上司の言葉を真に受け「こ、これは入社以来、最大のチャンス!」と息巻いて立候補したのです。
 

翌朝、「ヤマチー、行きまーす!」と伝えた時の「え? あれジョークのつもりだったんだけど……」という上司の苦笑いは、いまでも忘れられません。
 

「英語はわかる」と言っちゃった…。

自ら手を挙げたものの、特にこれまで海外赴任を意識したことなどなく、英語力はほぼゼロ。中学、高校で教わった英語すらほぼ忘れ、自己紹介すらままならない状態でした。
 

ただ、「何か新しいことにチャレンジしたい」とやる気だけは無駄にあったため、運よく社内選考をパス。第1号赴任者に選抜されたのでした。チャレンジを推奨する社内風土も追い風になりました。
 

とはいえ、会社には「英語は何となくわかります!(嘘はついてない)」みたいなことを伝えて必死にアッピル!アッピル!していたので、内心ヒヤヒヤしていました。
 

「さすがにちょっとぐらい勉強しないとマズイ!」と思い、オンライン英会話を試すも、会話するだけのボキャブラリーもなく、Skype越しにフィリピン人講師と無言で見つめ合うロマンチックな15分。
 

おかげで「Can you hear me?(聞こえますか?)」を連呼し、聞こえないフリをすることで時間を稼ぐというスキルが身に付きました。追い込まれた戦いのなかで特化型能力に目覚める、というアレです。当時のフィリピン人講師の方には、この場を借りて謝罪したいと思います。
 

死ぬかと思った弁護士とのミーティング

英語力は伸びないまま、およそ半年ほど経って、ようやく就労ビザもめどが立ち、家族とともに現地へ。翌日から内装工事の立ち合いや打ち合わせがはじまりました。特に困ったのが、弁護士や会計士とのミーティング。
 

カナダ人弁護士「タックスクレジットはどちらで申請しますか?」

カナダ人会計士 「トランスファープライシング対策はどうお考えですか?」

私「(ほう……あまり強い言葉を使うなよ。弱く見えるぞ)」

と藍染惣右介なクールさを装ってみたりしましたが、やっぱりだめ……圧倒的弱者。


コーディネーターさんが通訳してくれるものの、相手から次々に発せられる呪文のような英語に頭の中が真っ白! エクスペクトがパトローナムしっぱなし。(助けてー!! ダンブルドア先生ーー!!)
 

結局、わからないことだらけで、全部イチから説明してもらったり、こっそりネットで検索したり、本社に相談・指示を仰ぎながらひとつずつ進めていきました。
 

英語力ゼロのまま従業員を雇う

そうこうしているうちに、会社は登記され、入居物件の内装工事も終了。広い会社にひとり座りながら、従業員を雇うための採用活動がスタートしました。


英語メールのやりとり、弁護士が作った雇用契約書のレビューなど、英語力ほぼゼロのままでこなしていました。メールは例文集などを参考に書いていましたが、予想外の返答が来ることも多く、定型文では対応不可能……。


1日にメールを1~2件しか書けなかった日には、自分の無能さを呪い、「こういうときに人は暗黒面に墜ちるのかな……?」などと現実逃避していました。

面接では、コーディネーターさんに間に入ってもらい、何とか対応。なぜか応募者さんが面接開始の15~30分前に来ることが多く、コーディネーターさんが来るまでの間、しどろもどろの英語で時間を潰す、という両者にとって拷問のようなこともありました。

 
面接では、事前に面接用のフレーズ集を用意しておいて、それを見ながら質問していました。その瞬間だけは、流ちょうにしゃべりだす私に応募者も二度ビックリ。

そんなこんなで、ようやく3人のスターティングメンバーを採用することができたのは、子会社を立ち上げてから半年ほどたったころでした。
 

転機! 通訳スタッフを雇う

さすがにこのやり方は現実的じゃないと、本社の許諾をとったうえで通訳者を正社員として採用。今思えば、これが転機でした!


苦手とする英語対応をほぼ全て任せたことで業務効率が一気に向上。さらに、常時通訳が入ることで、日本語のまま伝えたいことをスタッフのみんなに伝えられるようになりました。


英語で苦戦していた時間を、スタッフとのコミュニケーションの時間にあてることができるようになったのです(ただし、この日を境に私の英語力は上達しなくなった)。

面談で見えてきた日本とのギャップ

そうやって、スタッフと話す時間が増え、個別の面談も定期的に実施するようになりました。そこでわかってきたのが、日本との感覚の違いや、彼ら彼女ら外国人と接するうえで気を付けるべきことでした。


例えば、こんな感じ↓
 
■仕事の「締め切り」に対する考え方
 私⇒その日に「確実に仕上げてほしい」
 外国人スタッフ⇒その日に終わるよう「努力する」

 
■判断の仕方
 私⇒他部署にも影響しそうだから一度本社に相談してから動こう
 外国人スタッフ⇒すぐ終わる作業だから対応してから報告しよう


■言葉の受け取り方
 私⇒「チームのリーダー的存在になれるようもっとがんばってほしい(まだまだ足りないよ)」
 外国人スタッフ⇒ (やった!私はリーダーとして認められた!)


他にも、ワークライフバランスの重要性、まとまったバケーションの必要性、スタッフの男女比率への配慮など、どこに重きをおいて考えているのか、小さな違いがたくさんありました。


もちろん、「外国人」と一括りに言っても、それぞれバックグラウンドや状況も違うので、その違いを認めながら、 ひとりひとりに合わせた接し方をするように心がけました。

 
その甲斐あってか、マネージャーとして赴任した3年間の間に30名まで従業員を増やすことができ、その間の退職者はわずか1名(他社に引き抜かれた)だけでした。

通訳チームも最終的には、4名まで増えていました。

まとめ

英語力ほぼゼロでどうやって海外子会社のマネージャーを担当したのか? その答えは「優秀な通訳者を雇った」という身も蓋もないものです。


そして、英語よりも大事なのは、「とにかく外国人とコミュニケーションをとって、どうやって一緒に働いていくかを考える」ことでした。


ちなみに、3年間のカナダ滞在で、私の英語力がどれぐらい伸びたかというと、たくさん英語に触れたことでリスニング力は少し伸び、英語音声+英語字幕で映画『アベンジャーズ』を楽しめる程度にはなりました。あと、外国人と話す度胸はついたので、海外旅行ぐらいであればストレスなく行けそうです。でもそこまで。

「3年も海外に住めば英語ペラペラになる」と思ってましたが、住むだけじゃだめでした!(勉強しろ!)

海外赴任前に読んでおきたかったマンガ

そんな海外赴任を終えた私が最近読んで、「もっとはやく読んでおきかった」と思ったのがこちらの『マンガでわかる外国人との働き方』
 

マンガでわかる外国人との働き方
著者:ロッシェル・カップ
出版社:秀和システム

 
さきほど紹介したような、日本との働き方や考え方の違いがマンガを交えてわかりやすく紹介されています。思わず、「それ、海外あるある~」と唸ってしまうエピソードがたくさん詰まっています。

これから海外で働く予定の方、社内で外国籍のメンバーと一緒に仕事をしている方などに強くおすすめしたい1冊です。ぜひ!

海外赴任中のブログもあわせてご覧ください


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