TOP > マンガ新聞レビュー部 > ヘタな啓蒙本を読むくらいなら『逃げ恥』を100回読め!!『逃げるは恥だが役に立つ』続編が超たまらん展開!!

ヘタな啓蒙本を読むくらいなら『逃げ恥』を100回読め!!『逃げるは恥だが役に立つ』続編が超たまらん展開!!

 

待ちに待ちまくりだった『逃げるは恥だが役に立つ』の新刊、もう読みましたか!?

 

 

逃げるは恥だが役に立つ(10) (KC KISS)
著者:海野 つなみ
出版社:講談社
販売日:2019-08-09



私は秒で読みました。私は完全に単行本派なんですが、続編が始まったらいてもたってもいられずに、雑誌『KISS』の電子版を購入しては「あー!!!!!」と展開に身悶えていたのです。

で、今回単行本を改めて読み、また「あーーー!!!!!」ってなりました。なんで「あーーーー!!!」ってなるかというと、10巻のストーリーがもう、凄いんです。

みくりと平匡さんが正式に夫婦になってから2年半。

みくりは念願の正社員となり、平匡さんも転職。ふたりは家庭の「共同経営者」として、話し合いながらしっかり夫婦として日々の暮らしを育んでいました。そんな中、みくりとみくりの伯母である百合ちゃんの身体に大きな変化が……!?

というのが新刊のあらすじなんですけど、もうね、百合ちゃんの身に起きたことはもう、「あーーーーー!!!」と叫ばざえるを得ません。これ以上は完全なネタバレなので言えない!けど、新刊読んだ人、特に私のようなアラフォー独身女性はもう、「あーーーー!!!」って叫んでいるはずです!!

百合ちゃんは、美人で仕事もバリバリできて50代で独身。そして、2年半前まで高齢処女でした。さらには処女のまま閉経したという、すごい設定の女性キャラクター。

そんな百合ちゃんは、『逃げ恥』の8巻でこんなことを言っていたんですよ。

 

 

©Tsunami Umino/講談社

 



これを読んで以来、私は勝手に百合ちゃんをメンターのような存在だと思っているんです。

私より一回りくらい年上で、女性の社会進出の第一世代で戦って道を切り開いてきてくれた百合ちゃんには、絶対に誰よりも幸せになってほしいし、その幸せは私たち独身の追随者を超勇気づけるものじゃないですか!

なので、1巻で「誰からも一度も選ばれないってつらいじゃない?」ってつぶやいた百合ちゃんがーー

 

©Tsunami Umino/講談社

 


9巻で25歳も年下のイケメン男性に想いを寄せられ、「選ばれる」ではなく、彼の手を取ることを「選んだ」時にはむせび泣いたものです。

 

 

©Tsunami Umino/講談社

 


しかし、最新刊ではある試練が百合ちゃんを襲います……その試練、マジで他人事じゃない……!ここに来て、今までで最も身につまされる展開がやってきて、私はもう、ただただ「あーーーーー!!!」と叫んじゃったのでした。

 

 

©Tsunami Umino/講談社

 


私は、何かの修行のような婚活の日々を経て、もはやすっかり結婚に興味がなくなった40代女性です。

でも、アホほど楽しく暮らしており、現状に不満はありません。そう、不満はないんだよ不満は。

でも、不安はある!!!

直視してこなかった不安な部分に、『逃げ恥』最新刊に強烈にスポットライトを当てられたような衝撃を受けたのです。

このままで行くと私、百合ちゃんと同じような展開を迎える可能性はかなり高い。

そんな時に、私はその出来事にどう向き合い、誰に相談し、どう対処するでしょうか……。

百合ちゃんがこの先どうなるのかは10巻ではまだ明らかになっていないのですが、この先の百合ちゃんの選択や言動は、私が似たような局面を迎える時には絶対に思い出すことでしょう。

それくらい、私の人生にとって大切な作品である『逃げ恥』。この先の展開を震えて待ちます……!!

ちなみに! あくまで百合ちゃんは主人公であるみくりの伯母。みくりにも大きな変化がありますし、それによって旦那さんである平匡さんも、様々な壁に直面します。

むしろ、続編は平匡さんの環境の変化こそが大きなテーマであることは間違いありません。作者の海野先生も、あとがきで、続編を描くことになった理由を「女性の呪いについては描いたけど、男性の呪いについては描いていなかったな、というのがモヤモヤと残っていたからです」と記されています。

『逃げ恥』の大きな魅力のひとつに、年齢やら性別やら社会常識やら、生きているだけでいつのまにか縛られている様々な「呪い」から、キャラクターたちが試行錯誤して抜け出そうと模索するところにあります。

その試行錯誤が、「私にもできそう……!」となる、すごく勇気をもらえる作品なんですよう!

この最新刊で私が「おおお!!!」となった男性の呪いからの開放はと言えば、平匡さんのお父さんです。

安産祈願の戌の日参りのために平匡・みくり夫妻の家にやってきた平匡さんのご両親。古い世代のお父さんが若い夫婦の有り様を見て、ちょっと何かが心に芽生える描写があるのです。

 

 

©Tsunami Umino/講談社

 


この世代間のちょっとした歩み寄りって、地味にみんなが苦しい、と〜っても難しい課題な気がするんですが、平匡さんとみくりちゃんはマイペースに、かつ冷静に受け止めて反応するんですよね、勉強になります。私にもできるかもしれない……さり気なくこういうシーンが挟まれるところとかに、本当に凄い作品だなあとしみじみ思うんです。

新シーズンに登場する様々な「男性の呪い」はどのように解消されていくのか、今からとっても楽しみ過ぎて待てないから、やっぱり『KISS』も読み漁っちゃうのでした!!

とにもかくにも、ヘタな啓蒙本や自己啓発本などを読むくらいなら、『逃げ恥』を読み込んだほうがよっぽど人生の役に立ちますので、いっそのこと文科省は教科書にしたら良いと思います!!!

 

 

逃げるは恥だが役に立つ(1) (KC KISS)
無料試し読み
著者:海野 つなみ
出版社:講談社
販売日:2013-06-13

このレビュアーの他の記事

■高齢童貞・高齢処女よ集え!『逃げるは恥だが役に立つ』に隠された居場所探しのヒント

■フェチでエロスだけじゃない!全人類に嗅いでほしい恋愛マンガの大傑作『あせとせっけん』